「ガンズ&ゴールド」ユアン・マクレガー オフィシャルインタビュー
欲望が渦巻く犯罪にまみれた闇社会。誰もが欲に溺れ、金塊を独り占めしようとする中、常に数歩先を読んで立ち回り、相手の心理を巧みに操るあまりにも危険な男ブレンダンと、彼を師事する若者JR、そして裏社会を牛耳るロシアン・マフィアとの壮絶な心理戦(サバイバル・ゲーム)が始まるー。一秒たりとも目が離せない、悪の華が乱れ咲く究極の駆け引き、手に汗握る緊張感溢れる展開、そして怒涛のアクションシーン満載のノンストップ・クライム・アクションの傑作がここに誕生です!!
ユアン・マクレガーが、これまでのイメージを払拭し、人の心理を操る曲者、伝説の強盗犯を演じる! 共演は『マイフィセント』ノブレントン・スウェイツ、『アンナ・カレーニナ』のアリシア・ヴィキャンデル。監督は長編初監督となるジュルアス・エイヴァリー。
Q.役柄について
A.ブレンダンは、これまでと違った役柄を演じたいという僕の望みにうってつけの役だったよ。彼の頑なさ、賢さ、他人を操作する手管などは非常に興味深いものだった。その男になりきることを楽しんだんだよ。この映画はそのテーマをさらに追求するチャンスだった。また、ブレンダンには絶対的な指導者という側面もあって、誰もブレンダンには文句が言えないんだ。これはなかなか深くて、犯罪者ではあるが尊敬せずにいられない人物——決して自らの信念を曲げず、誇り高い性質で、自らの邪魔をする人間には相応の代償を払わせるが、そのやり口は愛すべきものなんだ。彼のようなマキャベリ的人物を是非演じてみたかったんだ。
Q.ストーリーについて
A. ストーリーがどう展開していくのか見当もつかなかったよ!今まで、たくさんの脚本を読んだが、たいていは既存の映画の焼き直しだ。だけど、この作品には本質的に新しい何かがあったんだ。それは、新たな時代の到来を告げるような、複雑なストーリーだ。最初、ジュリアス・エイヴァリー監督は僕に手紙をくれて、そこには自分自身の生い立ちに関することが書いてあったんだ。脚本には、その複雑かつ個人的な要素が含まれていて、この映画はただの犯罪アクションと一線を画していると思った。ストーリーの中心には、父親探しというテーマがあり、監督の深い想いのようなものが、映画全体に伏流しているんだ。そのことについて彼と多くを話し合ったわけではないが、それこそが中心的テーマだとお互いに理解していたよ。
Q.ブレンダンとJRの関係について
A.父親的側面はもちろんあるだろう。ブレンダンはJRに人生の生き方を教えるが、それはそのまま彼の生き方なんだ。JRは確かに罪を犯して刑務所に入ることになったが、それは恐らく取るに足らない軽犯罪だ。そして、ブレンダンとスターロに出会ったJRは、彼らがいともたやすく日常的に暴力をふるう様を目の当たりにする。やがてJRを不慣れな犯罪と暴力の世界へと引きこみ、まるで父親が息子に自転車の乗り方を教えるかのように、JRに犯罪のコツを指南するんだ。
Q.ブレントン・スウェイツについて
A.すごく気に入ったよ。彼は好青年なんだ。それに、良い俳優だと思うよ。彼は優れた才能を持っていて、飾ることなくさらっと演技をこなしてしまうんだ。でも、頭をよく使っているのが分かるよ。稀有な才能だと思うし、これからがとても楽しみだね。
Q.ジュリアス・エイヴァリー監督について
A.エイヴァリー監督には様々な側面があるが、まず彼は大の映画ファンなんだ。だからある意味、彼は自分が映画館で観たいと思う作品を書いたんだろう。画家だって自分が見たいと思う絵を描くだろう?この作品は彼のテイストを反映しているんだ。彼が撮ったアクションシーンやカークラッシュ、銃撃戦などのシーンから、彼が目を輝かせ、興奮している様子が伝わってくるよ。
Q.アクション映画というジャンルに出演したことについて
A.そもそも僕はあまりアクションに興味がなかったんだ。経験から言って、撮影にとても時間がかかるし、スタントマンが代わりに演じるカットも多くある。しかしこの映画では違っていたよ。今回、僕らは多くのカットで実際に演じているんだ。だから撮影も楽しかったよ。最初にヘリコプターに乗った時、僕は後ろの席に座ったのだが、見るとマシンガンが椅子にくくりつけてあるんだ。おかしいな、と思ったよ。なぜマシンガンをくくりつける必要があるんだ、と。それからスタッフが「じゃあ行くぞ」、と言い、僕が「ドアが開いてるよ」と言うと彼らは「ああ、ドアは開けっ放しだよ」、僕は「はい?」、それからパイロットが「シートベルトをしてりゃ、大丈夫さ!」だってさ。そしてあっという間に上空500メールの高さに飛ぶんだ。もちろんドアは開けっ放しでね。他にもいくつかのアクション撮影には驚かされたね!でも楽しい経験だったよ。
Q.役作りについて
A.撮影の2、3ヶ月前から自宅でトレーニングを始めたんだ。自立したタフな男という役柄だと思ったからね。ロサンゼルスとパースでもトレーナーをつけてジムで鍛えたよ。しかし実際に刑務所に着くと、そこにいるのは見上げるような巨漢ばかりだ。「エイヴァリー監督、どうもありがとう。彼らのおかげで僕はこんなに小さく見えるよ!」という感じさ。
執筆者
Yasuhiro Togawa