『バトルフロント』ジェイソン・ステイサム オフィシャルインタビュー
世代のアクションスターであり、永遠のアウトローとして爆走し続けるジェイソン・ステイサムが主演、製作・脚本シルベスター・スタローンとの新旧アクションスターによる超豪華タッグを組むハード・クライム・アクション『バトルフロント』。
当初はスタローン自身が主演することを念頭に企画がスタートしたというスタローンの入魂作。次第に、尊敬する若い俳優に役を譲りたいと考えた名優は、『エクスペンダブルズ2』で共演していたジェイソン・ステイサムの才能に惚れ込み、彼に脚本を託すことを決意した男と男の絆から始まった作品。主人公を取り巻くアクの強いキャラクターを演じるのは、ジェームズ・フランコ、ウィノナ・ライダー、ケイト・ボスワースという実力派キャスト陣。これまでの彼らのイメージを覆し、スクリーンにその存在感を焼き付けます。彼らをまとめ上げたのは、『ニューオーリンズ・トライアル』(03)など、サスペンスに定評があるゲイリー・フレダー監督。
Q: おめでとうございます。素晴らしい映画だと思います。シルベスター・スタローンが自分用に書いた脚本ですが、それをもらった気持ちはどのようなものですか?
ステイサム:
まさにご想像の通り。シルベスター・スタローンはあらゆる分野で成功を収めている。脚本家としても、フィルムメイカーとしても、監督としても、カメラの前の世界では最高の映画スターの一人だ。そういう偉大な人物から個人的なプロジェクトを与えられたら、どんな気持ちかは、ご想像通りだよ。
Q: どのようにオファーされましたか?
ステイサム:
彼は2008年にこれを書いた。でもその当時、「ランボー」シリーズの新作をやろうとしていたと思う。状況は変わる。彼はいつも仕事をし、書き続けている。そこに彼がやりたかったほかの企画が入ってきたんだ。そこでこの脚本は後回しになった。彼は素晴らしい企画になるものを決して手放す人じゃない。でも僕たちはとてもいい関係を築いていたし今でもそうだ。ちょうど『エクスペンダブルズ2』(12)をやっていて、彼が手を緩めてくれたから、僕がやることになったんだ。
Q: あなたのキャラクターには背景となる歴史があります。この役について話してもらえますか?
ステイサム:
彼は海外から異動してきて、アメリカ政府のために働き、よからぬことを企む邪悪な暴走族に潜入している。それが彼の仕事だ。基本的にそこから物語が始まるんだ。彼の家族に悲劇が訪れ、彼は自分の仕事から離れ、娘と失われた時間を取り戻そうとする。それがこの映画で描かれていることだ。彼と娘はいい人生を送れるような場所に移ってくる。そこで出来事が起こるんだ。
Q: ある意味、この映画の構造は『真昼の決闘』(52)のような西部劇に似ています。それについてはどのように思われますか?
ステイサム:
よそ者が町に流れ着くが、彼らは少し雰囲気が違う。地元民は変化を嫌い、彼らは押すべきじゃないボタンを押し始める。全ては校庭での些細な子供の言い争いから始まるんだ。それが触媒となって地元民がもつ悪質な部分が露呈する。そこではいろいろなものが積み重なっているんだ。麻薬やありとあらゆる悪徳や些末な悪事があるが、僕たちは気づいていない。その全てが、僕の過去とつながって正体を現していく。素晴らしい物語だし、多くの点で興味深い。起こっているのはたった一つだけじゃないからね。
Q: 素晴らしいアクションがいくつもありますが、どのくらいを自分でやりますか?
ステイサム:
肉体的に可能な限り。ずっとそうしてきた。それが僕の仕事だ。演技はできないかもしれないが、明らかに誰かの頭を回し蹴りできる!何年もそうしてきたし、僕には歴史がある。子供の頃に格闘技を習った。英国では12年間競技選手もやった。俳優たちが演技学校にいる間、僕は肉体について学んでいた。僕は異なる道を進んできたんだ。自分が慣れ親しんだ歴史の全てを活用しない手はないだろう?どうして椅子に座って誰かがやるのを見ていたいのか。肉体的にやれるなら、ぐずぐずせずにやるべきことをやる!それだけさ。
Q: この映画では、見事に、面白いやり方で叩きのめします。独特な格闘スタイルを学んだのですか?
ステイサム:
映画の格闘であって、本物じゃない。でもとにかく肉体的な暴力を理解しておく必要があるよ。それが機能するように習う必要がある。パンチを出す方法を学ぶんだ。習いに行く俳優たちもいるが、どこまで真実味があるだろう?格闘技を実際にやった経験があれば、嘘の格闘が観客にとってもっと真実味のあるものになるはずだ。
Q: ゲイリー・フレダー監督との仕事はいかがでしたか?
ステイサム:
素晴らしい監督だ。ドラマがうまい。キャラクターの扱いがうまい。それこそが監督に必要なものだ。
Q: ケイト・ボスワースとの激しいシーンがいくつかあります。彼女は素晴らしかった。彼女の演技をどう思いましたか?
ステイサム:
見事だったよ。本物のケイトが見えないほど、恐ろしい。実物とは大違いだ。圧倒される、素晴らしい演技だよ。
Q: ジェームズ・フランコについては?
ジェイソン:
ジェームズはいつだってすごい。やること全てが素晴らしい。信用も予測もできない悪い男だと信じさせる素晴らしい演技だ。典型的な悪役じゃない。悪役は一つの演じ方に陥りやすいんだ。邪悪になろうとする。彼は全く新しい興味深い切れ味を見せている。
執筆者
Yasuhiro Togawa