新鋭レジス・ロワンサル監督の長編デビュー作。セドリック・クラピッシュ監督作品などで知られフランスを代表する個性派俳優ロマン・デュリスと、ダルデンヌ兄弟監督『ある子供』でデビューした女優デボラ・フランソワが主演。“タイプ早打ち”というと一見競技のイメージからは程遠いが、これはある種のスポーツである。過酷な死闘を繰り広げる競技の白熱シーンの驚きも話題となり、本年度セザール賞5部門にノミネートされた本作はフランスでも大ヒットを記録した。『アパートの鍵貸します』、『シェルブールの雨傘』など、当時の傑作へのオマージュも満載。天然系キュートなヒロイン×ポップな50年代カルチャー×興奮と感動のスポ根。かつてないオシャレで新しいエンターテインメントがここに誕生した!





Q1
(役作りに関しての質問)
50年代の女性を演じるにあたって、こだわったことは?
※ヘップバーン、モンローを参考にするよう監督から指示があった。
あなたが考えるその当時の女性たちの特徴は?

今回の役作りをするにあたって、50年代の映画を沢山観ました。また監督からもたくさんの資料を貰いまして、その資料というのは雑誌だったり新聞だったりまたタイプライティングの教本様々の物を貰って研究しました。また、私は当時のスターはマリリンモンローとかオードリーヘップバーンとかものすごく好きな人が多いのですけど当時の50年代の女性というのは今とは服装も違いますし動き方も違うし話し方も違うのでそういったディティールにすごく注意をしながら監督と色々相談しながら進めていきました。
50年代の映画というのは自分の観ている映画の中でものすごく好きな時代だったので、今回監督から観るようにとか前観たことがあったものでまた観るように言われてまあ色々観て研究したんですけれども、当時の女性というのを分析してすると女性解放の動きのはじまりの時代であって当時は今の女性に比べて凄い権利とかも少なくてその勉強を続けたりとか仕事を見つけたりとかそういう風にしたいと思っていてもなかなかできなかったりそういう風にしようとすると変な目で見られたりしてまた25、6歳になるともう結婚して家にいて子供を産まなきゃいけないとかもそういった色んな制約がある時代で、でもそのローズっていう役柄は大変その逆をやりたがるすごいキャクターで今回はそれを演じました。

Q2
50年代の女性と現代女性の違いは?彼女たちから学べることは?

50年代の女性たちから学べるということは自由を求めるために戦うという姿勢であってそれは今の私たちの世代の女性たちに言えることは今は自由が当たり前のように思われていて戦いは今でも続いていることを忘れてしまっていて、もう全て手に入れて男性と平等だと思われがちなんですけれでも、いまでも給与の格差ですとかやっぱり男女で自由の平等がなかったりとかまだそういったことが続いておりますので、是非ともこの映画を観てまだ私たちにやれるべきものがあるだっていうものを学んで欲しいと思います。

Q3
50年代ファッションを着用してみて、どうだったか?衣装の多くはこの映画のために作られたそう
ですが、お気に入りの衣装はありますか?

今回はですね衣装さんとまあ色々話し合いながらいくつものドレスを作って、布からデザインから本当にすごいディティールまで色々相談しながらこだわって作ったんですけれども、まあどれも本当に素敵なので全部好きなのでまあ一つ上げればなかなか難しいんですけれどもしいてあげるなら一番最後の大会で優勝するシーンのとき着ていたドレスがあまりにも気に入ったので頂いたんですけれども、あれは凄いシンボリックであって唯一出てきたドレスの中でローズってバラ色ピンク色なんですけれども、自分の名前のローズとも被るしバラ色っていうちょっと華やかさとか夢を象徴するのでそのドレスを一つ頂きましたので一番好きなのですと言っています。

Q4
ロマン・デュリスの印象は?
「指導者」と「教え子」の恋愛についてどのように思うか?

 

あのロマン・デュリスさんには大変いい印象を持っていて、最初から大変うまく一緒にやることができました。彼はどっぷりとルイ・エシャールという人物になりきっていましたので、ロマン・デュリスさんと演じつつも彼を通じてルイ・エシャールを見ているような感じでしたけれども、彼は凄く役作りをしっかりしてくる人でしたので、本当にプロフェッショナルですし本当に正確にいつ何をどう演技するかを把握したテクニックも素晴らしい俳優さんでしたので、本当に一緒に共演できていい経験になりました。

Q5
タイプライターで勝負する役柄だが、これまでタイプライターに触ったことはあったか?
タイピングの練習はどのくらいおこなったか?

まず練習についてですけど、今回撮影に臨むにあたって六ヶ月間毎日2,3時間練習しました。やっぱり大会が映画に出てくるように早打ちができなくてはならなくて、今回あの撮影ですけれどもあれは映像を決して早回ししているのではなくて、本当に実際あのスピードのままマックスでまあそれは本当に撮って監督とお客さんを騙しちゃいけないからもリアル感を出すために最高速で打ってもらってそれでやろうってことになったので、もちろん映画の中で最初ゆっくりしか打てなくてだんだん速くなるっていうのもあったんですけども、やっぱりそうやって大会で勝つっていうだけ早く打てなければならないので、ああやって早く打てるようになるっていうのは私にとってすごくチャレンジになることでした。
実際の実生活でもコーチについてもらって週に三回コーチがきて練習したんですけれども、来ない日も宿題を出されたりとかとにかくずっと練習を続けました。
それ以前に触ったことがありますかというのをお聞きしたら、彼女のお父様がいわゆるPCが普及する前にタイプライターを使っていたので触ったことはあるけど実際打って使ったことはないので、やっぱり10本の指を使って打つっていうのは今回練習をして初めて知ったので、特に20代から30代の自分の世代っていうのはなかなかタイプライターっていうのをきっと触ったこともないし打てたとしても多分2本指でしかできないところをやはり実際は10本でやらなければいけなかったので、今回はハードに練習しました

Q6
この作品の見どころについて。(お気に入りのシーンがあれば)

作品の見どころとかそのひとつのシーン好きなのを上げるのは難しくて、なぜならば沢山のシーンが好きだしそれぞれ違った理由で好きなので難しいですけれども、中でもとりわけ気に入っているのが一つ目のラブシーンの前の赤いドレスを着てバスルームから出てくるところですけれども、あれはヒッチコックの『めまい』にオマージュを捧げているシーンですので、美的に観ても本当に素敵なシーンなのであれは結構気に入っています。
また、すごく好きなのは好きなもしかしたら一番好きなのはやっぱりラストの大会で優勝するシーンで、やっぱり優勝できて大喜びで自分の人生の中でやっぱり何かに勝つとか優勝するっていうのは凄く好きなことなので最後のラストの喜びのシーンは凄く好きです。
あとは自分が出ていないシーンなんですけれども、ロマン・デュリスとベレニス・ベジョが二人で話し合ってどうして自分じゃいけなかったんだって問い詰めてしゃべるシーンが自分はその時はいなかったので実際映画ができてから初めて観たんですけれども、あれはすごく感動的で好きなシーンです。

観客にメッセージ
みなさん是非タイピストを観に来てください。大変素晴らしい素敵なコメディで大変スタイリッシュで本当に素敵な映画で、また、日本人の皆さん大好きです。

執筆者

Yasuhiro Togawa

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