ミステリー界の重鎮スティーヴン・キングが2005年のベストブックに選び、「本書は本物のだ」と称えた最高のサスペンス「リンカーン弁護士」が遂に完全映画化! エドガー賞受賞経験をもち全世界で支持されているハード・ボイルド小説の巨匠マイクル・コナリーによる新シリーズは、ちょいワル弁護士ミック・ハラーの活躍劇。全米ベストセラーとなり、第2弾も発売される中、期待の新鋭ブラッド・ファーマンが映像化に挑んだ。

$red Q:演じた役柄について $

マシュー:主人公は白馬の騎士じゃない。犯罪者を顧客に持つちょいワル弁護士だ。
もしかしたら彼はショ—ビズ界の弁護士として成功していたかもしれない、でも彼にはその世界に入り込むすべがなかった。それに肌を合わせないと思ったのかもしれない。それで、居心地のいい場所に身を置き、ならず者たちを弁護する道を選んだ。リンカーンの後部座席で仕事をする姿はカッコいいね。この映画の主人公であるミック・ハラ—は抜け穴を見つけることや取引を持ちかけるのが得意だ。実際の裁判でも司法取引に持ち込まれるケースは9割に上がるそうだ。“白黒付くまで争うことはない。”“さっさと取引して終わらせてしまおう”ってね。最後までとことん争うケースはまれだ。取引のうまいミックはやり手だと言えるね。


Q:リンカーンで仕事する弁護士について

マシュー:優秀ならどこが仕事場なんて関係ない。トラックをオフィスにする弁護士を雇ったことがあるよ。料金は良心的で腕は良かった。裁判に勝てたよ。

Q:監督(ブラッド・ファーマン)との出会いについて

マシュー:ブラッド・ファーマン監督と組むのは今回が初めてだ。僕の事務所とは、つながりがあったけどね。この作品の監督を探している時にブラッドならピッタリだと友人が薦めてくれた。僕もブラッドならロサンゼルスをよく理解し生き生きと描いてくれると思った。この映画では司法制度のあり方を訴えたかった。いかに正義が下されるか不正がまかり通るかなどもね。それをブラッドなら描いてくれると感じた。それで、製作のトムとゲイリ—と相談しブラッドと会うことにした。そして監督が決定したんだ。

Q:マリサ・トメイについて

マシュー:マリサがマギー役(マシュー演じるミックの元妻役)に決まってうれしかったね。彼女ならピッタリだ。

Q:ミックとマギーについて

マシュー:もちろん、恋愛映画じゃないが男女関係もさりげなく描いている。検察官と弁護士の恋愛の行く末についてもね。2人の間には娘もいる。離婚しても2人の関係は続いている。夜遅く落ち合ったりするとお互いに、こんなに相性がいいのに、なぜ別れたのかと思う。でも翌朝、目覚めると現実に引き戻され一体自分は何をしているんだと後悔する、現実にあり得る話だ。ロマンチックな関係は求めず胸を焦がすこともなく、お互いを束縛することもない。たとえ一緒にいても完全にヨリを戻すわけじゃない。その方が現実味がある、実際に別れた後も仕事でつながってお互いを思い合う元夫婦は多い、昔の関係には戻らないけどね。マギーとミックはお互いをよく理解し合っている。ミックは、ある弁護を引き受けたことで窮地に立たされる。そんな時に詳細を知らなくても心情を察してくれるのがマギーさ。

Q:ルイス・ルーレ役のライアン・フィリップとの共演について

マシュー:今回初めて共演した。だからお互いをよく知らなかった。マギーとミックには歴史がある。元夫婦だから共通の話題もある。でも、ルイスとは初対面という設定だから新鮮味を出したかった。お互いを驚かそうと言って打ち合せなしで演技したらバッチリだったよ。彼はプロ意識が強くて共演して楽しかったね。

Q:ウィリアム・H・メイシーとの共演について

マシュー:ウィリアム・H・メイシーが演じるのはミックの親友で探偵のフランクだ。
     彼は本当に面白い。『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』で、彼と少しだけ共演したことがあった。すごく楽しかったね。彼が正統派ヒーローを演じることはない、くせ者キャラを演じた経験が豊富だから少々のことでは驚かない。僕もひねりのある役が多いから気が合うんだ。

Q:原作のある映画に出演することについて

マシュー:小説と映画には明確な違いがある。500ページの小説を脚本では120ページにまとめる。過程を省略する必要も出てくる。映画では表現出来ない重要な箇所もある。上映時間は2時間程度と限られているから全てを入れるのは無理だ。小説が音楽アルバムのボックスなら、映画はそこからヒット曲をピックアップする感じかな?内容を詰め込みすぎたら息苦しくなってしまう。映画にはひと息つけるシーンも必要だ。だからは話の本筋や枝葉の関連性を見つめ直すエピソードをまとめることもある。大きな流れを重視して話を整理するんだ。

執筆者

Yasuhiro Togawa

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