今、世界で最も注目される鬼才・園子温!3年連続で三大映画祭に出品!
話題騒然の大ヒット作『冷たい熱帯魚』その先へ——かつてない美しき究極作!
なぜ、女は表と裏の顔を持つのか——
身も心もむきだしの演技バトルで魅せる園監督の新たな挑戦は、3人の女優が役者生命を賭けた渾身の演技で難役に挑んだ。
その中で映画初出演し、監督から指名をうけてカオル役を演じた新人・小林竜樹に話を聞いた。



−−−俳優の道に進んだきっかけは?

中学三年間を北海道で学び、その後東京に戻ったときに、東京という街が刺激的に感じ、同時にいろんな映画を見ることで興味を持ちました。俳優ってカッコいいなぁと感じるようになり、親に頼みこみオーストラリアのメルボルンの高校入ることを決意しました。英語もできない状況の中で友達に支えてもらいながら、そこで演技を学ぶことで舞台を経験し、その時の観客の反応に共感を得ることができ、役者の道を進もうと決意しました。

−−−映画デビューのきっかけは?

卒業後、帰国してから奈良橋陽子さんの養成所に入り、今の事務所に。そこで岩松了さんの舞台を経て、園子温監督のワークショップで抜擢されました。園監督のワークショップ、岩松了さんの舞台を経て、抜擢されました

−−−監督の印象は?

「ハザード」のメイキングを見て、怒っているところがあって、怖い人なんだろなぁという印象を持っていたのですが、実際、初めて合ったときは優しい人でした。しかし、リハーサルの時にいきなり「お前、大変だからな」と言われてびっくりしました、「はい、よろしくお願いします!」という感じでした。

−−−本作で監督からの演技指導は?

撮影は大変ですべてが新鮮で楽しかったですね。
厳しく、的確な指導を頂いてよかったです。
オールアップ日が大方斐紗子さんとのシーンだったのですが、大方さんの長い台詞に、自分が演じたカオルが笑っている場面なのですが、笑い方に監督の「もっと、もっと、笑え、もっと笑うんだよ!」という指示になかなか答えることが出来なくって、隣の部屋のモニタで見ている監督からの「カット!」がかかった瞬間に監督が花束を持ってきて「良く頑張ったよ」と言ってくれた時に、初めて監督の優しい表情を見せてくれて大号泣してしまいましたね。

−−−一番大変だったシーンは?

神楽坂さんとの共演シーンは、長回しで何度もリテイクしてしまいし、神楽坂さんにも迷惑をかけてしまいましたが、一番大変でしたね。

−−−役作りは?

難しかったですね。すべてのギリギリの中で演技をしていた感じですね。自分の中でカオルと重なるような部分もあって、常に愛を求めていたり、それにも気がついていない自分がいたり。平然と成り立っている社会が面白くなくって、それをぶち壊したいと思っているカオルに自分も共感をもっていたりするので、演じる上でそんなに違和感は無かったですね。しかし、いざ現場にたってみると上手く笑えていなかったりして構えてしまって、監督の要求になかなか応えることが出来なかったですね。よく「笑え」って言われたことを覚えています。

−−−完成した作品を見て感想は?

何度か見ることで、最近見なおして、やっと客観的に見つめることができるようになって、こんな素晴らしい作品に参加できてよかったなぁと思いました。

−−−今後は?

憧れの俳優は緒形拳さんで、芝居のフィールドを広げて、味のある俳優になってみたいと思います。
これからは、映画やドラマに出演する予定です。

執筆者

Yasuhiro Togawa

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