新書として異例の10万部を超えるベストセラー『もてない男』の著者で知られる現役東大講師・小谷野敦。彼の自伝的同名小説『童貞放浪記』を映画化。
東京大学大学院を卒業後に某大学の専任講師になり、順風満帆の人生を送る金井淳。しかし、彼は30歳にして童貞ということに、秘かにコンプレックスを抱いていた。そんなある日、大学院の後輩、萌に再会。初めて女性といいムードになった淳は、童貞を捨てる決意をするが……。

東京大学出身で大学講師を務める三十路男、童貞へのコンプレックスを感じながら生きる青年を演じるのは、様々な監督作品で個性的なバイプレーヤーとして活躍の俳優・山本浩司。
俳優・山本浩司の近況も含めてインタビュー。






Q:作品が完成したのは、去年かと思いますが、今年の2月のゆうばり映画祭で初上映されましたが、最近まで何度か見直したりしましたか?

「試写に行く機会は何度かあったのですが、忙しくって結局、DVDでしか見ていなんですよ・・・。
映画祭の時も見れなくって・・・。」

Q:主人公を演じる上で気をつけた事は?、特に台本にはない“表情”が面白いなと感じたのですが? 例えば“うつむいてる”とか。

「監督と小さい仕草とかを話したり、そこから自分で付け足したりなど、全体的に気持ち良く(笑)演じていました。自由に演じさせて頂いたという感じで、撮影を楽しませてもらったという日々でした。見る人が見たら、小芝居がうるさいとかなるかもしれませんが、慎重に精一杯がんばりました。」

Q:すごく難しいじゃないですが、“童貞”ってこんなものかな?と分からないから、笑ってはいけないけど、段々と主人公が可哀想な人物に見えてくるのですが・・・細かい部分は監督と考えたのですが?

「最後のシーンは、悲しくさせる方向に演じていき、そこでふっと最後にストリップ小屋で自分の写っている鏡を見ながら「童貞です」というのは、もうちょっと明るくしたかったという演出だったんですけど、ラストシーンは、撮影の中盤に撮ったんですけど、監督の注文通りにはなかなかできず、見直してみてちょっと重かったと反省がありました。」

Q:今回一番大変だったシーンは、やっぱりベッドシーンですが?

「いや、居酒屋のシーンですね。実際に腹痛だったので、すごく痛くなってしまって、エキストラなども含めて人が多い撮影の時で、そんなシーンなのにお腹が痛くなってしまってあのシーンは“戦い”でしたね。その後、ストリップシーンを撮りに横浜まで行ったんですよ。」

Q:見ていて全般的に主人公が“うつむいているというか前かがみ”な印象があったのですが。

「主人公が猫背で、という意識をしたかもしれませんね。監督と話し合ってはいないのですが、僕が持った主人公・金井のイメージから自然にやろうと思ったのかもしれません。」

Q:共演の神楽坂さんの印象は?

「結構、天然なのかなぁと思いきや、肝が据わっているというか、女優としてとても、頼りがいがありました。」

Q:監督の演出はどうでしたか?

「とても、的確で分かりやすい方でしたね。なんのストレスもなく、手際も良かったし、すごいと感じました。また俳優として一緒に仕事がしたいと思います。」

Q:今後やってみたい役は?

「今思いついたのは、前にニセ探偵役をやった事はあるのですが、本格的な探偵役をやってみたいですね。」
 
 
 

執筆者

yasuhiro TOGAWA

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