『881 歌え!パパイヤ』は、国民の10人に1人は観たという2007年シンガポールNo.1の超大ヒットにして、同国のアカデミー賞外国語映画賞代表作品に選ばれたトロピカル・エンタテインメント・ムービー。
旧暦の7月(日本では8月)に先祖の霊を楽しませるために開催される歌謡ショー、ゲータイ(歌台)を舞台に繰り広げられる、パパイヤ・シスターズと宿敵ドリアン・シスターズの熱き闘いは、観る者を興奮と熱狂の渦に包み込む。

監督は「TIME」誌(04/アジア版)で“アジアのヒーロー20人”に選ばれ、数々の国際映画祭で注目を浴びている受賞ラッシュのシンガポールの鬼才、ロイストン・タン。
主役のパパイヤ・シスターズを演じたのは、シンガポールで人気絶頂の若手スター、ミンディー・オンとヤオ・ヤンヤン。プライベートでも親交が深い二人は、本作でも絶妙なコンビネーションを見せつけた。
マーライオンの国からやってきた恋・友情・パフォーマンス満載の『881 歌え!パパイヤ』について、パパイヤ・シスターズのお二人が語ってくれた。





今回、来日は初めてですか?

ミンディー:私は初めてです。日本に関しての情報はいろいろな方から聞いていたんですけど、今回初めて自分の日本という地に降り立ってみての印象は、日本の方は大変礼儀正しいということです。

ヤオ:私は三度目です。今回の来日はすごく天気に恵まれてうれしいです。去年の夏、日本にきたときは39度とか40度の猛暑が続いたので。今回は残念ながら時間がないけど、本当は街をぶらぶらしたり、日本の皆さんの暮らしを見たりしたいです。

劇中では200着もの衣装を身につけたそうですね。一番お気に入りの衣装は?

ミンディー:私は(ちらしを指差し)この芸者の衣装が好きです。あと、ひまわりが頭のまわりにたくさんついている衣装。あれはすごくうれしかったです、自分が花になったような気がして。

ヤオ:上が白で下が黒のショーツで後ろにいっぱい羽がついている衣装が好きでした。自分がダチョウ、もしくは、ラスベガスのショーガールになったような気がしました(笑)。もう一着は真っ白で後ろに羽が付けられた魚のような衣装です。私は漁村で生まれたので、海に一歩近づいた感じがしましたね。

普段はどんな洋服を好んできますか?

ヤオ&ミンディー:私たちはいつも自然体です。二人で街をぶらぶらするときはほとんどすっぴんです。やはり自然なほうが自分を感じることができますから。そこは私たちの似ている点ですね。

日本の女の子のファッションやメイクについて。

ヤオ:日本の女の子はとても個性があると思います。似たような服装をしている子たちもいるけど、みんなが集まって1つのトレンドが生まれるというか。すごくそこに個性を感じます。

ミンディー:世の中の女性はファッションなどに関して、勤勉な方と怠ける方と2通りタイプがあると思いますが、私は怠ける方ですね。なので、メイクも衣装も日本の女の子の皆さんは本当に勤勉だと思います。

全編ほとんどが歌と踊りによって構成されていますが、大変だったところは?

ヤオ:私にとっては1つの役を演じるんですけど、やはり撮影の進み具合によって撮る順序がバラバラになってしまうと、役の気持ちを繋げるのが大変でしたね。そこは集中しながら細心の注意を払いました。

ミンディー:パパイヤ・シスターズの感情の表現やフィーリングなどを歌いながらどう表現するか、といったことが私の課題でした。

歌そのものは苦労されましたか?

ヤオ:冒頭のヘタクソな2曲は私たちが本当に歌ったんですけど、<女神>に出会って美しい声をもらってからの歌のシーンは吹替えです。実際に、私たちが演じた役名<パパイヤ・シスターズ>というグループが歌っているんですよ。でも、吹替えの歌と自分の口を合わせなくてはいけないので、実際はやっぱり自分で歌いながらやっていました。何より難しかったのは歌いながら踊ること! そして歌って踊りながら演技もしなくてはいけなかったことです。歌、踊り、演技、自分の役柄を忘れない──この4つを同時にやるのはとても大変でした。

ミンディー:実は冒頭のヘタクソな歌のシーンは大変だったんですよ。わざとヘタクソに歌うのは難しいんです。監督からは「もっとヘタに!」と言われたんですけど、音楽担当の方は「それではだめだ。ヘタでも聴けるように」と言う。どうしていいのかわからず、パニックになってしまいましたね(苦笑)。

本作では、ゲータイ歌手は表では華やかだけど裏では孤独を抱えていたり悲しみにくれていたりと二面性を持っていることを描いています。ゲータイ歌手を演じるに当たってリサーチしたり、気をつけた点があれば教えてください。

ミンディー:実は本作の撮影に入る前の年、ちょうど旧暦の7月にゲータイにリサーチではなく本番に出場していたんです。そこではチャリティーとして募金を呼びかけました。有名なゲータイ歌手チェン・ジン・ランが病に倒れてしまって、治療費用のお金を集めていたんです。本作で登場する募金シーンは後日別撮りしたんですけど。シンガポールの人たちはすごく優しくて、チェン・ジン・ラン名義で集まったお金の額は今でもはっきり覚えています。また、ゲータイ自体も小さいころからずっと見て育っているので、わりと親しみを感じています。残念ながらその方は亡くなってしまいましたが……。

シンガポールはマーケットが小さいですが、シンガポールだけでお二人は活躍されているのですか?

ミンディー:タレントとしては当然、香港の皆さんと同じようによその国で仕事したりもしたいです。でも今シンガポールの現状は映画と言えばまだ監督が中心なので、どこか他国へ行くとしても監督だけが行くことになります。

ヤオ:今ではシンガポールの映画や音楽がだいぶ知られるようになりましたね。例えば、去年の東京国際映画祭の“アジアの風部門”最優秀映画賞を受賞したのはシンガポールの映画『シンガポール・ドリーム』でした。今回私たちはとてもラッキーだと思っています。この映画のプロモーションのために私たちを呼んでくださった日本の配給の方々には感謝しています。

最後に一言メッセージをお願いします。

ミンディー:最初から最後までしっかり観てください。本作を通して人間の感情とは何かを感じ取ってほしいです。

ヤオ:エンディングロールが流れ始めても映画館は出ないでくださいね。最後の最後まで見どころはありますから! メイクアップもとてもすばらしいので要チェックです!

執筆者

Naomi Kanno

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