プロジェクト・ペルソナ・・・謎の人体実験に巻き込まれ、ひとりの女子大生・ 日和(山崎真実)の人生は急変した—。物語は、実験によって人間離れした格闘センスと、“別の人格”を埋め込まれた彼女が、ある研究所から脱走するところから始まる。 次々と襲い掛かる追っ手たち、その攻撃をかわし、男たちをなぎ倒してゆく日和。だが一方で“もうひとりの人格”が、彼女の心と体を蝕んでゆく。
 そんな彼女の危機を、若き医者の幸一郎(萩原聖人)が救った。いつしか幸一郎は日和と行動を共にし、どこか他人とは思えない懐かしい感情が芽生え、互いに惹かれ合っ てゆく。だが、追っ手からの攻撃は激しさを増す。はたして彼らが逃走するはるか雪原の向こうに“未来”は訪れるのか・・・。“もうひとりの人格”と“超人的な戦闘能力”を授かった女子大生の終わりなき闘いを描いたノワール・アクション !!

新体操で鍛えた抜群の運動神経によって、激しくもしなやかなアクロバティックなアクションを披露するのは、映画初主演となる山崎真実。グラビアアイドルとしての活躍が目立つ彼女だが、本作では本格的アクションに加えて演技力をも見せつけた。今後は役者としての活動の期待される山崎が、6月18日にリリースされた本作『ペルソナ』DVD発売記念インタビュー応えてくれた。



——映画『ペルソナ』待望のDVD化です。本作では、映画初主演にして二重人格のヒロインを演じたわけですが、日和と小夜子の違いを出すうえで、何か演技の工夫をしました?
実は、無理に分けてないんですよ。観ている人には“どっちが日和なの?小夜子なの?”って思ってもらったほうが面白いような気がしたんですね。今、どちらの人格なのかはセリフである程度伝わるじゃないですか。なので、あえて言うなら、“雰囲気”の演技をしました(笑)。

——それでも小夜子さんを演じているときは大人の女性の話し方になっていたかなと。
あっ、ホントですか!? 別に意識はしてなかったんですけど……あれ? 意識してたのかな? 

——一方、山崎さんが初の本格的なアクションシーンに挑戦したというのも本作の見逃せない注目ポイントです。クランクインする前に何か参考にした作品はあったんですか?
アクション監督の谷垣さんからは「香港映画の『SPL 狼よ静かに死ね』を見ておいて!」と。女の子がアクションしている作品なんですけど、でも見たら、ほとんどワイヤー使ってたので、どういう風に参考にしようかなと思って。で、谷垣監督にもそう言ったんですけど、監督は「まっ、雰囲気だよ!」って(笑)。

——山崎さんは新体操をやってらっしゃいましたけど、アクションは勝手が違う?
アクションって荒く見えたほうがいいですよね。で、改めて見返してみると、新体操っぽく見えちゃったかな〜って。新体操独特のキレイに動くクセがどうしても出てしまっていて、荒さが足りなかったのかなと。

——当然、谷垣監督からの要求は厳しかった?
あのね、褒めてくれないです、まず(笑)。全然、全然褒めてくれない!

——ああ、いますよね、褒めないタイプの監督さんって(笑)。
陰では褒めてくれてたみたいなんですけど、面と向かっては褒めてくれなくて……。で、すごいボロクソに言われてたから最初は大嫌いだったんですけど、撮影が進むうちにすごく大好きになりました。

——具体的にはどんな指示があったんですか?
「もっとやれ!」みたいな(笑)。谷垣さん自身、“当てに行かないとリアルなアクションは出来ねぇ”みたいな人なので、「もっと当てに行っていいよ」って。で、谷垣さんの指示に忠実にしたがって、「いいんですか〜」とか言って、アクションチームの人に本当に踵落とししてバーンってやって……。谷垣さんは笑ってましたけど(笑)。

——幸一郎役の萩原聖人さんの印象は?
シャイな方だと思うんですけど、“何でそんなこと言うの?”って思うことを撮影の合間に平気で言うんです。それで、相手がどんな反応するか楽しみにしてる(笑)。要はイタズラっ子なんです。冗談で言ってるのが分かってるから、みんな許しちゃうんですよ。

——特撮ファン的には『ウルトラセブン』の森次さんの出演が嬉しいんですよ。
森次さんは萩原さんに現場でずっとセブンセブンって呼ばれてたんですよ(笑)。実はロケ現場でちょっとした問題が起きて、森次さんが「ダメだよ、無理」って言ったんです。そしたら萩原さんが「セブンが無理だったら、オレらも無理でしょ」とかすごい言うんですよ(笑)。

——その萩原さんとのシーンで、一番思い出深い場面というと、やっぱり……?
もう、診療所の中で幸一郎が小夜子だと思って、キスしようとするシーンですね。スタッフ全員、かなり気にしてやってましたし、萩原さんも小夜子に対しての愛情が分かるような触り方をしないといけないっていうのをすごく考えてらっしゃってましたし。

——男性の目から見るとすごく切ないんですよ、あのシーンは。
もう小夜子と日和の触り方ですよね。日和なんですけど小夜子だと思って触ってるっていう、その萩原さんの芝居がすごく好きで印象に残ってます。

——ここで問題のラストシーンなんですが、あれはどう解釈すればいいんでしょう?
あれはですね、もう観てくれたお客さんそれぞれの捉え方でいいんじゃないかと思います。あそこはどんな解釈しても正解なんですよ。

——最後に改めて作品のPRをお願いします。
CGや機械の力を使わず、自分たちの身体を張ってアクションする作品って邦画でも洋画でも、最近はなかなかないですよね。この作品は何も使わず、ガチンコでアクションをやってる貴重な映画だと思いますので、そういうところをぜひ見てほしいなと思います。

インタビュアー 上杉純也

執筆者

Naomi Kanno

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