12月5日にDVD発売される「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」。それに併せ、視覚効果スーパーバイザーであるILMのジョン・ノール氏が来日した。ジョン・ノール氏は1986年にILMに入社してすぐ「キャプテンEO」に参加。3年後にはジェームズ・キャメロン監督の「アビス」以降、視覚効果スーパーバイザーに昇格し、「スター・ウォーズ」シリーズ、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなど大ヒット作の視覚効果を手掛けてきた人物だ。


会場では「ワールド・エンド」の視覚効果について持参したパソコンからデータを出力しながら解説。海上の船、デイヴィ・ジョーンズ、クライマックスの海の渦について詳細な解説を行った。見た目には実写としか思いようのない映像が実は巧妙なVFXの産物であったことに取材陣からは驚きの声が上がった。しかしコンピューターだけに頼り切ってはいけないのがジョン・ノール氏の持論だそうで、極力実写で撮影されたものをCGで増幅したり、加工したりするのがベターな方法と主張したことが印象的だった。船の場面はエンデバー号など実在する帆船を基に撮影し、後から海賊船に変えていることも手際よく説明された。クライマックスの渦巻きはさすがに全てがCG処理によるものだが、2次元的だった前2作に比べ、より3次元的な加工が施されており、その辺は是非DVDでチェックすべき点だろう。また衣裳が途中で剥げ落ちてしまう映像や、海の色が全く違ってしまったカット、そしてキーラ・ナイトレイの持つ剣がライト・セーバーになってしまっているギャグ・リールも披露され、マスコミ陣を喜ばせるサービスも見せてくれた。

DVDと同時発売されるブルーレイについては「自分たちは最高品質の映像で仕事をしているので、映画館で作品を見ると、画質がかなり落ちていると実感することが多いです。でもブルーレイのハイビジョン映像ならオリジナルのクオリティがそのままなので、非常に有意義に感じています。また子供が4人もいるので、映画館に行くのは大変なので、ホームシアターで映画を楽しめるのはうれしいこと」と語ってくれた。最後にトップクリエイターになる条件として「経験を積むことが大切。自分の場合は様々な画像を作ることでスキルを上げていったことが要因でしょう」と振り返ってくれた。
日本の映画ファンから絶大な支持を受けるシリーズ最終章「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」のDVDとブルーレイは12月5日に登場する。是非、自分自身の目でその高品位なVFXをチェックしてもらいたい。

執筆者

飯塚克味

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