全米で公開されるや観客からの口コミが広がり、当初限定2館で上映をおこなっていたが異例の140館へと拡大し2007年サンダンス映画祭にて観客賞を受賞した映画『ONCE ダブリンの街角で』
全米ではサントラ盤の売り上げも好調でサントラチャート2位を獲得し全米の各メディア、評論家が大絶賛し話題になった。

ONCEたった一度の出会いから物語は始まる。言葉に出来ないもどかしさを音楽にのせ一緒に演奏をする喜びを見つけてく男女。二人が奏でる心地よいハーモニーが素敵な音楽映画。

11月3日からの日本公開に合わせ、本作の主人公であり本作の舞台となったアイルランドの実力派ロックバンド“ザ・フレイムス”でフロントマンとして活躍しているグレン・ハンサードさんとヒロインを演じたチェコ期待の新星シンガーソングライター、マルケタ・イルグロヴァさんが来日し合同インタビューが行われた。

また、インタビュー前には六本木で開催されていた第20回東京国際映画祭のイベントの一つとしてプレミアライブも開催した。




日本に来られての感想

——グレン・ハンサード(以下:グレン)「今日は本当に来てくれてありがとうございます。まだ東京に2日かしかいなくて時差で少し辛いです(笑)この映画を通して世界中を周ることが出来て嬉しいです。」

——マルケタ・イルグロヴァ(以下:マルケタ)「この映画によって日本に来られて良かったです。私は旅に出る前に必ずその国の言葉を勉強してから行くようにしていたのですが、今回は日本に来るまで忙しく日本語を勉強してくることが出来ませんでした。」

二人の出会いのきっかけは?

——グレン 「彼女との出会いは6年前です。私はもともと彼女の父親と知り合いでした。私がホームレコーディングを始めた時にピアノとして参加してもらったことが始まりです。とても上手かったので徐々に歌も一緒に歌っていくようになりました。」

映画の撮影でストリートに立たれて歌われた時の気持ちはどうでしたか?また撮影中大変だったことはありますか?

——グレン 「ストリートで歌ったのはとても久しぶりでした。しかしストリートで歌うということは私にとってはとても自然な事だったのでとても楽しかったです。撮影中に大変だったことは許可を取らずに撮影を行っていたので通りすがりの人たちがカメラを見てしまった事です。アイルランドでは顔も知られてしまっているのでサインや写真を撮影中に頼まれたりしてしまいました(笑)」

曲作りでの印象的なエピソードはありますか?

——グレン 「基本的には心臓は血液を押し流すもので感情といったものは無いと思っています。頭も同じ状況で、頭と心の関係の違いというのがうまく作曲という中で現れているのではないのかと思っています。」

——マルケタ「うまく伝えるのが難しいし、曲作りとは説明できないことです。ハートから出てくるもとか論理では表せないもので、私たちの一瞬のひらめきの中からインスパイアされてくるものだと思っています。」

お二人にとっての“音楽”の魅力とは?

——グレン 「音楽とは太陽の光を浴びるような感覚で、夢のような世界を代弁してくれていると思います。
曲を作るということはタダですし、誰でもできることであり“完全に自由”ものなのです。レコーディングごとに毎回違うのも魅力の一つだと思います。
音楽は時を止めることも現実から逃げることも出来るのです。音楽は私にとって女性以外の他の何よりも魅力的なものです。(笑)」

——マルケタ 「私もグレンと同じで音楽はすべてを超越していると思っています。言葉なしにコミュニケーションを取れるのは音楽の最大の魅力です。
音楽はコミュニケーションの装置であり音楽を介してお互いの気持ちが繋がっていくのだと思っています。」
  
  
  

執筆者

大野恵理

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=45902