あらゆる分野でめまぐるしく活躍する日本エンターテイメントのトップランナー・松尾スズキの第2回長編映画監督作品がついに登場! 第61回ヴェネチア国際映画祭出品の初監督作『恋の門』から3年、待望の新作は、第134回芥川賞候補となった、松尾スズキ自身の同名小説の映画化。
 この作品のために、日本の映画界をリードする超豪華キャストが鬼才・松尾スズキのもとに集結した。ヒロイン明日香には、9年ぶりの長編映画主演に体当たりで挑む内田有紀。明日香の同棲相手で放送作家の鉄雄には宮藤官九郎。食べたくても食べられない、入院患者のミキに蒼井優。ステンレスの心を持つ、冷酷ナース・江口にりょう。鉄雄の子分の能天気なパンクス・コモノに妻夫木聡。元AV女優、過食症の患者・西野に大竹しのぶ。極上のアンサンブルが魅せる「この世の果てのワンダーランド」!
 誰もが陥ってしまうかもしれない日常の中の非日常体験を、超豪華キャストが渾身の演技で紡ぐ、めくるめく絶望と再生の16日間。生きにくい今の時代に、明日を生きる希望を込めて贈ります。


Q:自身の原作を、脚本、監督しようと思ったきっかけは?
「オリジナルの映画をとりたいと思っていて、それなら自分の原作で映画が撮れないかなぁと思っていました。それがちょうどこの作品になりました。それと、相乗効果で本も売れるとうれしいなぁとも思って(笑)。今回の作品は私の書いた原作のなかでは、比較的リアルに書いている小説で、映画化しやすいと言うこともありました。」

Q:映画が完成した感想は?
「1作目を撮ったときは映画に対する思いで“(映画に)負けてたまるか、壊してやる”という思いがあったのですが、今回はもう少し肩の力を抜いて、ちゃんと映画を撮ろう・つくろうと思って撮りました。そして撮れました。」

Q:映画化する際に、小説では出来なかったが映画ではやりたいということは何かありましたか?
「小説を書いているときには、一人称で書いていたので、明日香の観た世界、明日香の観た精神病棟の世界を描いていましたが、映画の中では、女子閉鎖病棟に出てくる色々な人をカメラで追っていき群像劇のように仕上げていきました。」

Q:主演の明日香を演じられた内田有紀さんとご一緒していかがでしたか?
「気迫が伝わってきました。映画は同じ演技を何度も何度も繰り返さなくてはいけなくて、僕が俳優として出演するときは凄く苦手なことです・・。でも、内田さんは毎回毎回寸分の狂いもないお芝居を繰り返していてミスもなかった。内田さんが、初めから最後まで出ずっぱりの映画ですので、本当に頑張ってくれました。」

Q:明日香の相手役の鉄雄を演じた宮藤官九郎さんと改めて映画でご一緒されていかがでしたか?
「今回は彼のまじめな性格が出ています。僕は内田有紀さんに集中して撮影を行いたかったので、なるべく気にしないで撮影を行いました。演劇ではいつも一緒に芝居を行っているので、今回の現場でもとてもリラックスして撮影ができ、すごくいい演技をしてくれました。」

Q:蒼井優さん、りょうさん、妻夫木聡さん、大竹しのぶさんはいかがでしたか?
「新しい蒼井優さん、新しいりょうさん、新しい妻夫木さん、新しい大竹さんが観れます(笑)。本当に、新しい皆さんが観れます(笑)。」

Q:メッセージをお願いします。
「今回の映画は女子閉鎖精神病棟の話になりまして、映画化にするために念入りに調べて撮りました。すごくコメディタッチに仕上げていますがヘヴィな内容です。皆様、ビシッと頑張って観てください。約2時間楽しんで下さい。宜しくお願いします。」

執筆者

編集部

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