厚い夏には、やっぱりホラー映画。
でも『伝染歌』はホラーが苦手な人でも安心!?

1933年にハンガリーで発売された『暗い日曜日』。
この曲が多くの人々を自殺へと誘ったというのは有名なお話。
この実話を元に、監督・原田眞人と秋元康が舞台を現代の日本に移して映画を作りあげました。
それが本作、『伝染歌』。

一見背筋が凍るほど怖そうに見える本作。
実はこの、歌うと死んでしまう怖い”自殺ソング”をめぐる物語、
切なくなったり温かい気持ちになったりもするんです。

彼女はスクリーンから「生きる」ことと「死ぬ」ことの選択を私たちに突きつけます。
あなたなら何を、選択しますか?

今回は本作に出演したAKB48のメンバー大島優子さん、秋元才加さん、小嶋陽菜さん、前田敦子さんにお話を伺ってみました。






−−−サイコ・メロディーホラー『伝染歌』

出来上がった作品を観て、いかがでした?
秋元才加(以下・秋元):「撮影中には気付かなかったことがわかりましたね。自分の演技で直した方がいいところとか。とてもおもしろかったです。」

この作品には松田龍平さんなど、ベテランの俳優さんが出演されていますね。共演してみてどうでした?
大島優子(以下・大島):「皆さん優しい方ばかりでした。松田龍平さんは演技の仕方とか、いろんなことを教えてくれましたよ。見せ方を知っている人だなぁと思いました。意外に気さくな方でした(笑)!」
秋元:「伊勢谷さんはすごく話しをくれました。すごく多趣味な方で、『おもしろいからやってみなよ』っていろんなことを薦めてくれました。」

現場は和気藹々としていたみたいですね。
大島:「そうですね。皆楽しんでる感じがすごく伝わってくる現場でした。」
前田敦子(以下・前田):「私は3日間しか撮影に参加していないんですが、1日の撮影の量が多かったです。だから、ちゃんと演技できてるのかなって不安もあったんですが、最後まで頑張れました。」
小嶋陽菜(以下・小嶋):「間近で他の俳優さんの演技を見て、本当にすごいなぁって思いましたね。迫力もあって。私も頑張らなきゃって思いました。」

映画に出演して刺激的だったことや、成長したなと思えたことはありますか?
秋元:「初めての演技だったので全てが刺激的でした。今回演技をやらせてもらって、『すごく表情の表現の幅が広がったね』って言われました。すごく嬉しかったし、成長できたかなって思いましたね。」
大島:「トライアスロン部に入っているっていう設定だったので、結構走るシーンがあったんですけど、スタッフの人に『変な走り方だね』て言われてビックリしました(笑)。それでも頑張って走っていたら、『ただ走るシーンでも、ちゃんと伝わってきているよ』って言ってもらえたんです。それを聞いて、走ることでもちゃんと伝わるんだなって思いました。体を使うこと全てが演技につながるんだってことは、すごく勉強になりましたね。」
前田:「以前、映画を1本撮影し終わった後、スタッフさんに『いい子になったね』って言われたんです。今回も私にはすごく短い撮影期間だったけど、『成長したね』って言われたのが嬉しかったです!映画の撮影に参加することで、周りの人からいろんなことを吸収できているのかなって思います。」
小嶋:「私も演技は初めてだったので、今回はいろんな方にいろんなことを教えてもらうことができました。自分でもちょっとは成長できたんじゃないかなって思えます。」

1933年のハンガリーで『暗い日曜日』という”自殺ソング”が流行しましたね。この映画に出てくるような、恐ろしい歌が実際に存在することを知ってどう思いましたか?
大島:「やぱりすごく怖かったですね。まさか歌だけで…って思いましたし、信じられませんでした。」
秋元:「この作品に参加する前に、そういう歌があるっていう噂を聞いていました。もし聞けるのなら、怖いですけど聞いてみたいですね。」

『暗い日曜日』のように、ある社会の中で”自殺ソング”が流行るのはなぜだと思いますか?
大島:「もしも本当に聞くだけで自殺してしまう曲があるとすれば、それは人間の弱さにつけこんでいるんじゃないかと思います。そういう誰にでもあるような弱い部分が、”自殺ソング”につながってしまうのかなとも思いますね。」

AKB48というグループで、演技や歌など本当にいろんなことに挑戦されていますよね。今後そのような活動を通してどういう風になりたいですか?
秋元:「私は、自分でここまでしかできないっていう限度を決めたくないんです。今はいろんなことに挑戦して自分の可能性を広げていきたいです。だからまだ1つには絞れないんですけど、完成したこの作品を見て女優業にも力を入れていきたいなって思いました。」
大島:「ずっと演技に携わっていきたいと思ってます。私はいい作品を作りたいんです。そして、そうしたいのであれば自分から進んで勉強して、自分で作り上げるっていう努力をこの先ずっとしていかなきゃいけないと思っています。」
前田:「全てのことを自然にやっていければいいなって思ってます。まだまだ自分には表現力や知識が足りないと思っているので、少しずつ勉強し始めていきたいです。」
小嶋:「自分ではわからないんですが、よく『ステージにいる時が一番楽しそうだね』って言われます(笑)。でも映画もすごく楽しかったので、演技の方にも力を入れていきたいなって思っています!」

4人はアイドルとして活躍していますが、映画では普通の女子高生を演じましたね。ギャップなどはありました?
秋元:「皆、こういうお仕事をしていない友達も多いんですよ。よく遊んだりもするので、特にギャップは感じませんでした。むしろ映画のキャラクターはリアルに描かれてるなって思いました。監督は私たちの深層心理を見抜いて、全面的に映画に出して下さったんです。そういうところは刺激的でもありましたね。」

監督はどんな感じでした?
大島:「頭がいいなって思いましたね。私たちにとっては、何でも知ってるおじさん、みたいな感じでした(笑)。」

この映画はホラーな要素だけじゃないですね。どんなところを見て欲しいですか?
大島:「予告編などを見て、『怖い!』っていう気分を求めて映画館に来てくれる方が多いと思います。でも、この映画にあるのはホラー的要素だけじゃないんですよ。人間の温かみも感じて欲しいと思ってます。」
秋元:「一応この映画はホラーなんですが、見ると温かな気持ちになれるような人間味溢れるシーンもちゃんとあります。恋愛的要素もありますし、私たち10代の気持ちもリアルに表現できていると思います。だからたくさんの人に共感していただけると思います。ホラーの奥にあるものを見て欲しいですね。」

好きなシーンはありますか?
前田:「自然にふざけあってるシーンがところどころにあります。そういうシーンがなんだか素敵だなって思いますね。ホラーだけど、青春がいろんなところに散りばめられているんだなって感じます。」
小嶋:「月刊MASACAの人たちのシーンが本当におもしろいんですよ。台本を読んでいてもどれがアドリブでどれがセリフなのか、わからないんです(笑)。本当にすごい人たちだな〜って思いました(笑)。」

メッセージをお願いします。
秋元:「この映画を通して初めて私たちのことを知ってくれる方も、たくさんいらっしゃると思います。私はこの映画に出演できたことで新しい夢が拓けたと思っているので、そういう意味でもたくさんの方に見ていただきたいですね。」
大島:「夏真っ盛りです。ホラーが苦手な方でも見れる映画になってますので、是非楽しんで見てください!」
前田:「いつも私たちを応援してくれているファンの方々にも、この映画を見ていただけたら、違う私たちを発見してもらえると思います!」
小嶋:「富士急ハイランドでやっている、この映画の『棺桶墓場』というアトラクションも楽しいので是非行ってみてください!」

執筆者

Tomoko Umemoto

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