踊りを禁じられた王国に生まれたオーロラ姫。
しかし、彼女は類稀なるダンスの才能に恵まれ、踊ることを心から愛していた。

主演のオーロラを演じたマルゴ・シャトリエもオーロラ姫と同じようにダンスが大好きな16歳。名門パリ・オペラ座バレエ学校の最終学年を迎え、将来、パリ・オペラ座での活躍か期待されている逸材である。

ニルス・タヴェルニエ監督から大抜擢されての映画初出演、大先輩のスター・ダンサー、ニコラ・ル・リッシュとの共演は彼女に大きな成長をもたらしたようだ。

目の前に現われたマルゴは、スクリーンのオーロラそのままの気品と美しさを漂わせていた。バレエで培ったスタイルの良さはもちろんのこと、内面からにじみ出る凛とした強さと自信も感じられた。





−−今回が初来日となりますが、日本の印象はいかがですか?
まだ高校生の私にとって、日本に来ることができたことはとても嬉しく、幸運なことだと思っています。これも全て『オーロラ』のお陰だと思っています。日本は地理的にとても遠いので、私にとっては大旅行でした。フランスとは文化も違うし、全く切り離された国であるという印象です。

−−『オーロラ』が日本で公開されることについての感想をお願いします。
とても嬉しいですね。シャルル・ペロー原作の「眠れる森の美女」のエッセンスにタヴェルニエ監督が手を加えたことで、オリジナルの物語として完成しました。異なる文化をお持ちである日本の方がこの映画に興味を持ってくださったということは大変感動的ですし、絆が出来たような嬉しい気持ちであふれています。

−−オーロラ役に決まったときはどう思いましたか?
オーロラ役に決まったと聞いた時は、本当にびっくりしました。なぜかというと私は正式なオーディションを受けたわけではないからです。タヴェルニエ監督がオーロラ姫役を演じる女優を探すためにバレエ学校にいらっしゃった時、そこで撮った写真にたまたま私が写っていたんです。その後、監督からご連絡をいただき、オーロラ役に決まりました。自分から申し出たわけではありませんでしたし、監督とお会いしてから日が経っていなかったということもあり、最初は実感がありませんでした。いざ撮影が始まり、カメラの前で演技をしてはじめて、「映画に出ているんだ」という実感が沸いてきました。
なぜ私が選ばれたかについては、タヴェルニエ監督に直接聞かれた方がいいと思います(笑)。監督の頭の中は分かりませんが、たぶんオーロラ役に描いていたイメージと私に重なるところがあったんじゃないかと思います。

−−大先輩にあたるニコラ・ル・リッシュさんとの共演はいかがでしたか?
ニコラは本当に偉大なダンサーですから、その彼と一緒に踊ることができたことは、まさに喜びであり、幸運なことでした。実際に一緒にダンスしているときは、そんな喜びを感じている余裕はありませんでしたが。彼は本当に包容力があって、一緒に場面を創り上げていこうという気持ちにさせて頂きました。直接アドバイスもしていただけて、とても幸運でしたね。

−−本作に出演したことでダンサーとして成長したと思いますか?
もちろん、とても成長したと思います。この映画で踊ることは大きな経験であるとともに、自信につながりました。今までだったら自信が持てなかった場面でも、大丈夫と思えるようになったんです。また、今回はカメラの前で踊ったわけですが、舞台でお客さんを前にして踊ることと、それほど変わらないことに気付きました。カメラを前にしている時でもカメラマンとの交流は何かしらあります。そのような気持ちの交流を持つことが大切なんです。この映画に出る前は、舞台でお客様と交流することについて、特に意識はしていませんでした。技術面では、リラックスする瞬間と緊張する瞬間、呼吸をコントロールするということを学びました。

−−今後も女優活動を続けていきたいですか?
はい、続けていきたいですね。ダンスと女優業を両立できればと思っています。挑戦したい役はたくさんありますが、意思が強くて、興味深い役があれば、ぜひ挑戦してみたいですね。

執筆者

Miwako NIBE

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