”願えば、叶うのよ!”
主人公・たま子は自分の世界に閉じこもったままの24歳の女の子。日進月歩堂の甘食があれば幸せ!なたま子が複雑で油断ならない外の世界へ足を踏み出したら・・・!?

まるで絵本を読んでいるかのようなカラフルな世界で私たちを魅了する『転がれ!たま子』がただのかわいらしいだけの映画だと思ったら大間違い!オシャレで綺麗な、まさに女の子チックなかわいさだけを求めた映画かと思いきや、この映画は何かを信じて行動することや自分で道を切り開くことの大切さ、人生を楽しむことを時に笑いを交えながら教えてくれるのだ。
この”複雑で油断ならない世界”で生きていくには、こんな映画が必要!甘食を求めて奮闘するたま子はきっとあなたを元気にしてくれるから。

そんな『転がれ!たま子』のDVD発売を記念して、難しいたま子の役を素敵にキュートに演じた山田麻衣子さんにお話を伺いました。

衣装提供:LIU・JO




——映画初主演作でしたが、どうでしたか?
「楽しかったし、大変でした。でもすごくやりきった!という感じがあります。」

——どんなところが楽しかったですか?
「映画の現場っていいなって思うくらい手作り感があったんです。衣裳が皆さんの手作りだったし、穴の中のセットが非現実的なモノだったりしました。後は世界がとてもカラフルだったので楽しかったです。それにたま子の役を掴むまでは大変でしたけど、掴んでからはすごくやりがいがあって楽しかったですね。」

——セットにも可愛い作品の雰囲気が出てたんですか?
「そうですね。たま子の部屋はたま子らしくてカラフルでしたし、布モノがたくさんあったので落ち着きました。普段ドラマでは体験できないようなセットが体験できました。甘食に乗るシーンもバックをブルースクリーンにして、甘食っぽいものに乗って撮影しました。文化祭みたいな感じですごく楽しかったです。」

——新藤風監督とお仕事されてどうでしたか?
「監督は同じ女性でしたし、そんなに年も離れてなかったんです。意見も聞いてくれたし、だんだん私のことを信頼してくれるようになって。二人三脚で作っていけたという感じがありますね。本番になるとお互いに緊張しましたし、ちょっと意見の差異があったりすると話合いをしたりもしました。そういう意味で本気で一緒に取り組めた作品でした。」

——山田さんが意見を出されたところを教えてもらえますか?
「あんまりかわい子ぶらないところですね。走り方もどんくさい方がいいんじゃないか、とか。私が”かわいい女の子を演じよう”って思ってしまうと、かわいくなくなると思ったんです。なるべくダサくなるようにいつも心がけてました。でも監督は最初はたま子にもっと乙女っぽいイメージを持ってたみたいです(笑)。」

——たま子みたいなすごく個性的な女の子をどう思いますか?
「近くにいたら嫌なのかな?(笑)でもすごく共感はできました。最初は自分とは全く違う個性的な子だと思っていたんですけど、もしかしたら自分の一部分と似てるのかなと思うようになりました。今では過去の自分とダブったりもしますね。」

——演じられる上で気をつけられたことは?
「個性的な子だからといって計算しすぎているように見えちゃいけないと思ったので、自然に振る舞うことを心がけていました。でもどこかで”たま子と自分は違う”って思っていたからなのか、最初はなかなか上手くいきませんでした。それでも自分の中でダメ出ししていくうちに、リラックスすればいいんだっていうことに気付きました。そうしないとたま子の子供らしさが出ないということがわかったんです。」

——結構想像力を使われたんじゃないでしょうか?
「使ったし、想像を超えている時もありました。自分の想像とは違うものがセットにあったりとか、監督の演出が違ったりということもあったので、現場で臨機応変に対応しなきゃいけない時もありました。」

——山田さんがたま子と似ているところはありますか?
「臆病なところとか、部屋が汚いところかな(笑)。結構似てるところはあるんですよ。」

——たま子が飼ってる猫ってパペットですよね?
「人形じゃないんですよ!本物の手を使ってるんですけど、暴れちゃってすごく大変でした。私が甘食をポロポロこぼすシーンでNG出しちゃった時なんか、毛を逆立てて怒ってて(笑)。”あ〜!ごめんなさいっ!”って感じでした(笑)。」

#——甘食を食べるシーンが多いですよね。いろんな食べ方をなさってますが、研究されたんですか?
「監督の中に食べ方のイメージがハッキリあったので、それに忠実にやっていきました。あとは気持ちでかじってみたりもしました。甘食は大好きなので、撮影でも結構食べましたよ(笑)。ああいう素朴なお菓子が好きなんですが、甘食は撮影が終わってからはあんまり食べてないです。仕事で使ったというのもあって、軽い気持ちじゃ食べられなくなっちゃったんです。いろいろ思い出しちゃいますね。」

——たま子にとっての甘食ぐらい好きなものはありますか?
「甘いものはすごく好きです。甘酒とかも好きですよ。でもたま子ほど執着しているものはないですね(笑)。」

——この映画にはおもしろいシーンがいっぱいありますよね。竹中さんと渦巻きの絵を部屋いっぱいに描くシーンはどうでしたか?
「結構足場が悪かったんですけど、あのシーンではたくさん走りました。それに渦巻きは一旦描いちゃうと消せないので、リテイクなしの長回しで緊張しました。竹中さんはどんなアドリブが出てくるのかワクワクして、見ていておもしろかったです!もう台本に書いてあったことが思い出せないぐらい、竹中さんオリジナルでした(笑)。」

——竹中さんがお父さん、というのはどんな感じでしたか?
「そんなにお父さんらしい会話はなかったんですが、竹中さんの前ではリラックスできていました。ホントに和ませてくれる方なので、すごくやりやすかったです。」

——甘食が食べたくて松重豊さんに飛び掛るシーンはどうでしたか?
「引きずられるところは私じゃないんですが、なんでもないちょっとしたジャンプでも結構ドキドキしました。松重さんに飛び乗るところは脚立から飛んだんですけど、見る分には簡単でも実際やると意外と怖かったです。松重さんがフォローしてくださったので助かりました。」

——甘食を作るシーンがありますが、ご自分で作られたんですか?
「作り方をざっと習って、練習もしました。一部分だけ実際に私が作ってます。焼きあがったのを見て、やっぱり嬉しかったですね。手作りのお菓子にハマった時を思い出しました。」

——映画の他に舞台もドラマもされてますが、どれが一番好きですか?
「今は漠然と映画かなと思いますが、映画をやってると舞台やドラマがやりたくなったりします。舞台はまだまだペーペーですが。舞台はその日の体調もある中でいかにベストを出すかというのもありますし、だからと言って形どおりのモノを複製もできないですし。ハードルが高いなと思ってます。」

——舞台はその日限りのもので、映画は今回のようにDVDになればずっと観れますよね。
「何回も観られたらドキドキしますけどね。何気ない表情も見られるわけですから。そういう意味で舞台では証拠が残りませんが、その反面観に来てくださったのお客さんにはシビアな目で見られるのでやっぱりドキドキします。でもDVD化は嬉しいですね。DVDを集めてる人は多いので、その中に『転がれ!たま子』が入ると嬉しいです。とってもかわいらしい作品なので、手に取ってもらえると嬉しいです。」

——映画をこれから意欲的にやっていきたいという思いはありますか?
「そうですね。まだ映画にはあまり出ていないので、○○組とかってどんな世界なんだろうとか考えたりします。役者の醍醐味でいろいろ見て周りたいなって思いますね。その人自身の世界観が出ている監督とお仕事してみたいです。鍛えられたいっていう気持ちもあるので、厳しい監督の方がいいかもしれないですね(笑)。女優さんでは田中裕子さんが大好きなので、一緒にお仕事できたらすごく幸せです。すごくきめ細かいお芝居とか、雰囲気とか優しさとか色気とか、もう全部好きです。すごい魅力があるんですよね。」

——映画は結構ご覧になるんですか?
「観る時はたくさん観ます。ドキュメンタリー系と人間ドラマが好きで、イギリス映画の『秘密と嘘』とか、『遠い空の向こうに』なんかが好きです。」

——ドキュメンタリーもやってみたいですか?
「華々しくない世界に興味があるんですよ。リアリティのあるものをやってみたいですね。女性の役って綺麗なものが多いですけど、もっと地味で複雑な女性が主人公の映画とか見たいし、演りたいと思ってます。」

——『転がれ!たま子』はよく『アメリ』に似てると言われますが、意識されました?
「たま子を演ることになってから『アメリ』を観たので、最初は意味がわからなかったんです。ジャン=ピエール・ジュネ監督は『ロスト・チルドレン』を15歳の時に観た印象が強くて、『アメリ』ってあんな世界観なんだろうなと漠然と思ってたんですよ。きっとあの絵本みたいな世界が似てるんですよね。乙女が好きそうな感じは同じですね。」

執筆者

Umemoto

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