この物語には、数々の記憶すべき愛の瞬間がある。
最初のキスの柔らな感覚。愛する人が初めて「愛してる」と言った時の吐息。それは幻想的で、強烈にきらめく。しかしその瞬間が大切であればあるほど、その記憶を失っていくこと、そしてまた、その記憶だけに生きていくことは、痛ましい。

「若年性アルツハイマー」という病をテーマに、死よりつらい2人の別れ余儀なくされる若い男女。愛の面影を必死に求める女と、愛の記憶に生きる決心をする男の姿は、生きている喜びと記憶の尊さを実感させ、かつてない心からの感情を呼び覚ます。

圧倒的な存在感を誇り、他の追随を許さない韓国映画界のカリスマ俳優チョン・ウソンと、完璧な美貌と才能と確かな演技力を持つ、新たなラブストーリーの女王ソン・イェジンという最高のキャスティングによる本作は、昨年の韓国での公開時は3週連続NO.1という大ヒットを記録した。韓国映画界のラブストーリーを新たな次元に導き、世界中の人々の心に涙の落ちる音を響かせる。






Q『私の頭の中の消しゴム』を選択した理由を聞かせてください。
ロマンチックコメデイーはもちろん、面白いシナリオもたくさん読んだし、面白い映画もたくさん観ました。でもなぜこの映画を選んだのかはよく分かりません。もうちょっと年をとれば愛に対して気軽に考えられるようになるのでしょうけど、まだ年が若いから却って真剣に捉えてしまうのかも知れませんね。でも私はもともと真剣な、この映画のようなラブストーリが好きなタイプです。メロドラマは、いつもずっと求めていました。そしたら、今回の『私の頭の中の消しゴム』の話が私のところに飛び込んできたのです。

Qシナリオを初めて読んでいかがでしたか?
シナリオを読んですごく感動を受けました。実は、私がやるという考えはさておき、おめでとうのメッセージを伝えたくて監督に電話をしたんです。シナリオを読んでからずっと感動していたし、私の思いをもっと伝えたくてその日の夕方に会ったんです。会って「おめでとう」とワインで乾杯して、私ができそうという意思も伝えて、こうなったんです。

Qご自身が演じた「チョルス」はどんな人物ですか?
職業的には、幼い時から大工の仕事を習い、建築家になる夢をもって勉強を一生懸命して建築家になるという、そういう人物です。性格的には、幼い時に若い母に捨てられたので、もう人間同士の愛、こういうものはあり得ない。愛はお互いに傷つけるだけの感情だ。そういう感情で育った子供のようです。そして、スジンという女性に出会って、その女性が私に与えてくれる愛といろいろな感情に惹かれて結婚する。そしてこの女性から、より沢山のものを受けとる。母を許せなかった子なのに、許すという感情も学ぶようになり、ものすごくたくさん、本当にたくさんのことをもらい、学ぶ、そういう映画です。

Q涙の演技が素晴らしかったです。
それは、多分チョルスが与えてくれる力ですね。チョルスやスジンが作り出す状況、彼らが直面している状況を自分のものにすると、容易になりますね。私の感情として自然に、何か悲しい思いをしなくても彼らが直面している状況のために、悲しくなる。そういう感情ですね。そうなるよう相当努力します。いくつかのあるシーンは、そうなったんです。

Qソン・イェジンさんと共演されていかがでしたか?
呼吸はよく合っていたと思います。年が若いにもかかわらず、もちろん若く見えると思いますが、成熟した感じを持っている女優だと思う。これからもすごくいい女優としてやっていけると思っています。

執筆者

Kaori Watano

関連記事&リンク

公式ページ
作品紹介