継ぐのは、魂。
『仮面ライダーTHE FIRST』

1971年に颯爽と姿を現した「仮面ライダー」は、いつの時代も子供たちに多くの夢や希望を与え続けてきた。35年近く愛されてきた「仮面ライダー」シリーズは、今もなお色褪せずに人々を魅了している。
今回完成された『仮面ライダーTHE FIRST』では、1号・本郷猛と2号・一文字隼人が復活を果たす。しかし、彼らはただ復活するのではなく、35年目にして初めて、彼らの真の物語が描かれるのだ。
原作者・石ノ森章太郎による原作を忠実に表現し、これまで深く描かれる事がなかった本郷と一文字の心の奥底にある悲哀が強く感じられる作品となった。

本作で克彦役と2号・一文字隼人役の2役をこなした若手俳優・高野八誠さんに早速インタビュー。
これまで『ウルトマンガイア』『仮面ライダー龍騎』のヒーローとして活躍してきた高野さんが本作で3大ヒーロー制覇!まさに『仮面ライダーTHE FIRST』は高野さんの集大成となった記念すべき作品なのだ。

$orange ☆2005年11月5日(土)より全国にて公開! $




—-今回は“新しい仮面ライダー”のドラマという事で、初めて仮面の下に隠された悲哀が深く描かれていましたが演じるにあたって特別意識した事は?
撮影に入る前に昔の『仮面ライダー』のビデオで、一文字隼人の雰囲気・衣装・容姿的な部分をファン的目線から見てみて、どうしたらその雰囲気を出せるかと考えました。衣装合わせの時には少し昭和っぽいテイストのものを用意して頂き、髪型についても、今回僕は克彦役と一文字隼人役の2役だったので、克彦が死んで別の人間・一文字隼人が現れたのか、それとも死んだ克彦が改造されて名も変えてやっているのか分からないような、どっちにでも取れるような感じであまり変えずに撮影に挑みました。

—-今回高野さんは矢野克彦役と一文字隼人役の2役を演じましたが、何か苦労点や気をつけた点などは?
克彦の方はあまり考えなかったんですが、とにかく一文字隼人の役となるべく離したい、と思っていました。一文字隼人はライダーだからこそ感じる悩みや苦悩があるのに対し、克彦はもうすぐ結婚を控えている幸せな男というのを意識して演じました。

—-克彦と隼人、どちらが高野さんに近いですか?  
両方持っていますが割と少し前の自分に似ているのは一文字隼人の方ですかね…ちょっと自分勝手というか(笑)。少し前の自分を思い出すとすごく近いのかな?って思います。

—-本作は【第18回東京国際映画祭】に特別招待作品として出品されますが、国内外多くの人の目に触れる場で上映される事についてどう思いますか?
映画祭に行った事がないのでイメージがあまり湧きませんが、多分すごく緊張するでしょうね(笑)。意外と舞台挨拶とかで緊張してしまったりするので…。更に映画祭という事でキャパが大きくなったら結構キツイかな?という心配はあります(苦笑)。

—-現場の雰囲気は?共演者の1号・本郷猛役の黄川田将也さん、緑川あすか役の小嶺麗奈さんとの撮影について?
黄川田君とは意外と絡むシーンが少なかったんです。1ヶ月間の撮影の半分が変身後の撮影で、その中で絡むシーンというのは更に少なくて、ほとんど僕は小嶺さんと2人というのが多かったですね。小嶺さんとはすごく色々な話をした記憶があるんですが、黄川田君とはなかなか話せる機会がなくて。黄川田君は自分が帰る時に来て、“今日どうだった?”みたいな、現場の雰囲気を伝言するような感じでした。

—-小嶺さんとはどんなお話をされていたのですか?
共通の知り合いの監督がいたのでその監督の話や、”金八”の話や…(笑)何気ない会話ですけどね。

—-監督は第1作目から長きに渡って『仮面ライダー』シリーズに関わっているベテランの方ですが、演技指導は何かされましたか?又、どんな方でしたか?
今回演技指導というのは全くなかったですね。『龍騎』の時に一回監督をして頂いて、その時も不思議な監督だなと思っていたんですけど(笑)、特に注文を出す事もなく…といった感じでした。役についての話もなかったので、自分でとりあえず一文字隼人のファーストカットがあったらとりあえずやってみて“こんな感じでいいですか?”、とちょっと不安になりながらも段々と現場で作っていく作業といった感じですね。

—-ライダースーツの着心地はいかがでした?
動きにくかったです。ご飯食べたり、トイレに行ったりする時はとても不便で…(苦笑)。でもアクションをする時にはとても気持ちが入りやすくなるというか、すごく自分が本当に変身したような気分になるんです。黄川田君も同じ事を思っていたようで、2人して「すごいよねー!」って言い合ってました(笑)。ライダースーツを着ただけなんですけど、そういう力ってやっぱり大きいんだな、と感じましたね。




—-完成した本作を観た時の最初の感想は?
ものすごくCGに慣れていた部分があるので、なんとなく観終わった瞬間は正直“あれ?”っていう感じで少しCGに対して物足りなさを感じました。でも今回の話では“ライダーも人間なんだ”という人間本来の感情というか、そういったものがメインで描かれていたので観終わって外に出た時になんか考えさせられるというか、心に残るというか…。そんな作品でした。あ、でもアクションはCGではなく生身の体でやっていたのでそこは良かったなと思いました。

—-“サイクロン”でのバイクアクションは本当にかっこよかったです。高野さんは普段オートバイを乗り回したりしますか?
乗らないんですよね。すごく怖いんですよ(苦笑)。車の運転はよくするんですが、バイクは小さい頃から“危ないから乗るな”と言われていたので結構恐怖心があって…。撮影で何回かは乗った事はありますが、もう芝居しながらとか怖くて出来ないので意外といっぱいいっぱいでやってましたね(笑)。

—-高野さんはこれまで『ウルトマンガイア』『仮面ライダー龍騎』今回の『仮面ライダーTHE FIRST』と3大ヒーローを演じてきたわけですが
今回はやっぱり今までの集大成というか、もう本作の話が来て一文字隼人の名前を聞いた時点で、“あ〜これ、すごくやりたい!”というのも感じてたし、今までの経験を全部出し切ろうかな、とも思ったので。終わってみてやっぱりすごくこの役を演じる事ができて良かったなという気持ちがあって、もう役者辞めてもいいかな?(笑)、と思うくらいの満足感がありました。

—-高野さんが小さい頃憧れていたヒーローは?
観ていたのは『宇宙刑事ギャバン』とか『太陽戦隊サンバルカン』とか戦隊シリーズですね。憧れていたのは刑事ものです。例えば、『西部警察』の大門が好きだったし、『警視庁密着24時』もすごく観てたし(笑)。そういうものに影響されたり、憧れたりというのはあったと思います。

—-『仮面ライダー』シリーズは多くの子供たちからとても愛されていますね。これから本作を観る子供たちとお母様方に1言メッセージを!
今、正義というのが分からなくなってきている時代だと思うんです。だからTVシリーズとかも意外とちょっとヒネリが入ってきたりだとか、色々な思考を凝らしてシリーズでやってると思うんですが、ヒーローの1つのテーマとして“誰でもヒーローになれる!”という事があると思うんです。だからそのメッセージにすごく近い作品に本作はなったんじゃないでしょうか?そういった意味でも仮面を被っても髪の毛が出ていたり、人間らしさをすごく出していて。そのメッセージのストレートさと言うんですかね。それを親が観て子に伝えてほしいですね。子供が大きくなってきたらでもいいんですが、それについて語ったり、親が子に対して教えるコミュニケーションの道具にもなると思うのでぜひ親子で観て語って頂けたら嬉しいですね。

—-次回作に映画『戦』が控えていますが、高野さんは作品を選ぶ時に自分の中で何に1番重点を置いて決めていますか?
役が来た時にどんな役でも自分の等身大にすごく近づけて作るというか、演じたいという想いがあって。映画『戦』ではある出来事をキッカケにヤクザの世界に入ってしまうという話で、やっぱり等身大の自分から近い設定だったりすると挑戦したいな、と思ったりします。これが、本当にヤクザの幹部役とかだと背伸びになってしまうんですよね。だから“今出来る事”というのはお芝居に関係なく、何でも挑戦していきたいと思っているんです。いずれはヤクザの組長とかもやっていきたいですけどね(笑)

執筆者

Naomi Kanno

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