あの日、あの瞬間の青春をまだ覚えていますか…?

隣にいることが当たり前だったクラスメイトの1人が突然転校することになった。
“別れ”に直面して初めて知った、淡い恋心。
『青空のゆくえ』は、そんなちょっぴり切ない初恋の痛みを15歳という視点で描いたリリカルな青春映画です。
フレッシュなキャストが勢揃いした本作の中から今回、『HINOKIO』や次回作『夜のピクニック』主演などで女優としての道を着実に歩き出している多部未華子さん(河原春奈役)、JR東日本「Suica」でもお馴染み、大人っぽい清楚な佇まいが印象的な西原亜希さん(市田尚子役)に本作『青空のゆくえ』についてのお話を伺って来ました。

多部さんと西原さんは普段からとても大の仲良しという事だけあり、インタビュー時も色々な質問に笑顔を絶やさず楽しげに語ってくれ、本作では“青春”というものを色鮮やかに表現。今後の活躍に期待大の女優さんたちです。

—-スクリーンに映し出されたあの“青春”の1コマは忘れられないほど純粋で、そして痛いほどに切ない。
15歳の夏、あなたはどんな“青春時代”を過ごしましたか?
 
$orange ☆2005年9月、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー $






—-まずは、本作に出演する事になった経緯は?
西原さん  去年の5月頃にオーディションで初めて監督にお会いして出演する事になりました。そのオーディションには沢山の人が来ていて、1回だけでなく3回程通いました。2回目のオーディションでは女の子と男の子を混ぜ合わせてリハーサルの様に時間をかけて具体的に行われました。 
多部さん  私は監督と会っていつの間にか…といった感じです(笑)。

—-初めて会った時のお互いの印象は?又、他のキャストの方の印象をお聞かせ下さい。
多部さん  なんだろうなぁ…。みんな話し掛けづらかったなぁ、最初はやっぱり。みんなそんな気持ちだったかな?だから私から話しかける事はあまりなかったですね。
西原さん  最初はやっぱりみんな距離があったんですが、2泊3日の合宿で山中湖へ行ったんです。合宿と言っても毎日バーベキューしたり、花火したり、サイクリングしたり、みんなでバスケしたり…そこでみんなの距離が一気に縮まった気がしますね。

—-その合宿では演技についての講習などはありませんでしたか?
多部さん  全く!(笑)
西原さん  無かったよね!(笑)軽く最後の花火のシーンで、実際にみんなで花火をやってリハーサルしたくらいで。でも、その花火もほとんど遊び同然で、みんなリハどころじゃなかったというか…(笑)とにかくすごく満喫していました!

—-監督からは何か演技についてアドバイスは?又、監督はどのような方でしたか?
多部さん 何も言わないですよ(笑)
西原さん “自分たちの思うようにやってみて!”といった感じでリハーサルの時に少しアドバイスされた程度で。

—-では、のびのびとお芝居できた感じ?
多部さん でも、何も言ってくれないので不安でした(苦笑)
西原さん  確かに不安はありましたね(笑)私たちの方から“これで良かったですか?”と聞いても“うん”っていう感じだったので(笑)
多部さん  “まぁ、いいよ〜”ってネ!(笑)

—-本作では大切な友達との切ない別れが描かれていますが、お二人にも似たような経験はありましたか?又、同じような事が起こった場合どのような行動に移ると思いますか?
多部さん  そのような経験はありませんでしたが、もし今後あるとしたら離れていてもお互いの事を思い出せるような、何か手作りの物をプレゼントしますね。
西原さん  その日が来ないと想像ができませんが、やっぱりすごく一緒にいられる時間を大切にするかな。思い出作りではないけど、一緒にいられる時はなるべく一緒にいてあげたいって思うんじゃないかな。

—- 同年代の方たちと一緒にお仕事してみて勉強になったり、刺激を受けたりした部分はありましたか?
西原さん  それぞれ個性がとてもあったので、1人1人に刺激された部分は沢山あります。夏休みの撮影で、しかも同年代の仲間たちと、という事で学校に通っているような感覚がすごくありました。みんな仲良しだったので、本当のクラスメイトのようでした。
多部さん  みんな色々な考えを持っているんだなぁと感じましたね。女の子5人が集まる最後のシーンの時に、みんなでダイエットの話で盛り上がって、みんな痩せてるのに考えているんだなぁって(笑)





—- お二人が撮影中最も苦労したシーンは? 
多部さん  最後の花火のシーンは夜中に撮影をしたので、本当に座ったらすぐ寝られるくらい眠くて眠くて…。本当にあれは自分でも不思議なくらい座ったら寝られたんですよ!(笑)それくらいですかね、大変だったのは(笑)
西原さん  あのシーンが終わったのは夜中の4時過ぎだったよね。しかも花火のシーンは残りの撮影がまだあったから“4時間後にまたここで!”みたいな(笑)

—- ご自分が演じたシーンも含め、1番印象的なシーンは? 
西原さん  やっぱり最後の花火のシーンです!2日間かけて撮ったというのもあるし、タイムカプセルを埋めたシーンでもあるので1番印象に残っていますね。タイムカプセルの手紙には、本当に10年後の自分へのメッセージを合宿の時に書きました。かなりみんな何を書こうか迷っていました(笑)。
多部さん  以前本作についてインタビューされていた記事を読んだ時に、“最後の正樹の顔が良かった”って私は答えているんですよ。あんまり覚えていませんが(笑)だからそうなんだなって(笑)

—- 今タイムカプセルに入れる手紙を書くなら何を書きますか? 
西原さん  きっと手紙の内容とは別の話になりますが、何か物を入れると思います。今、大事にしている物や写真を。今の気持ちはすごく大事だし、10年経ったら今の気持ちはどこかで忘れてしまっているかもしれないので、“今日こういう事があって悩んだ”とか、“こういう事があって嬉しかった”とか、その時に思った事をそのまま書くんじゃないかと思います。
多部さん  私も同じですね。やっぱり10年間で考え方も変わってくると思うし。だから今のこの気持ちを書いて、それを10年後どのように振り返って見る事ができるかなぁと。

—- 中山さん演じる正樹は、みんなに大切な何かを残して去っていきましたね。そんな高橋のような男の子をどう思いますか? 
多部さん  思わせぶりな罪な男の子ですよ!(笑)
西原さん  (笑)優しいが為にみんなから好かれてしまうんですよね…。存在としては、太陽とかヒマワリとか…そういった例えができますけどね。女の子1人1人の気持ちで考えると、自分の好きな人があまりにもてて嫉妬してしまうという気持ちは分かります。そういった嫉妬という複雑な女心を、女の子たちは初めて体験するんです。
多部さん  正樹ねぇ…スポーツができて、色々な人の事を考えてあげて、さり気ない優しさがあったりして好きになる理由も分からなくもないですけど…でもだめだなぁ、私は…(笑)

—- ではどんな男の子がタイプ? 
多部さん  えっと…言い出すときりがないのでだめなんですよ!(笑)

—- 撮影は夏に行われたという事ですが、お二人が今までで1番記憶に残っている夏の思い出は? 
西原さん  小学生の頃は毎朝ラジオ体操に行っていたという事です!夏休みの課題=ラジオ体操!みたいな(笑)。皆勤賞を狙ってましたから。だから夏休みは毎日早起きしてた思い出があります。
多部さん  夏の思い出と言ったら和歌山のおばあちゃんの家に毎年遊びに行って、近くの海に行ったりしていた事ですかね。海にはまた行きたいと思っているんですけど、今年は撮影ばかりで行けなかったんです。

—- では、最後にこれから本作を観る方へ一言! 
多部さん  青春映画なので、『青空のゆくえ』を観てご自分の青春を思い出してみてください!
西原さん  今、青春真っ只中の中・高生の方々は自分と重なる部分も沢山あると思うし、私たちのお父さんお母さんや、それより上の世代の方々でも青春というものを形は多少違っていても体験してきたと思うんです。だから、忘れかけていた思い出を復活させると言いますか、また思い出してくれたらすごく嬉しいです。誰でも楽しめる映画だと思うのでぜひ観に来てください!

執筆者

Naomi Kanno

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