仏で「ディープ・ブルー」「WATARIDORI」を超え記録的大ヒットした『皇帝ペンギン』は、南極という大自然の中で命懸けでヒナを守り逞しく生き抜くペンギンの姿を、製作年数5年、8880時間かけて丹念に撮影した感動のヒューマン映画で、フランス全土に感動の嵐を巻き起こした作品です。本作のイメージソング「光の庭」を1年半振りに自ら書き下ろし、さらには、アカデミー賞受賞作家が描くとびきりキュートなチェコ発アニメーション『アントン』の日本語ナレーションを担当するなど幅広く活躍の場を広げる人気女性シンガーのCharaさん。
柔らかく人を安らがせるその歌声、女の子の切なさ、嬉しさ、毎日の日々の中で繰り広げられる女心をCharaさん独特の世界観で描く詞、そして彼女自身のかわいらしさや存在感、魅力は男女問わず圧倒的な支持を得ている。
「話せる内容があるかどうか不安ではありますけど、宜しくお願いします。」と謙虚にインタビューに答えてくれた姿は印象的でCharaさん自身の魅力をとても感じました。今回のインタビューでは『皇帝ペンギン』のイメージソングの依頼が来た時の話、チェコ発アニメ『アントン』のナレーションを担当した時の話はお子さんや家族の話も織り交ぜながら、そして最近開催された「ap bank fes’05」に参加されての感想などを沢山語っていただきました。

☆Charaさんの新曲「光の庭」は、今のところCD化の予定はなく、音源の調達は配信のみとなります。

◇『皇帝ペンギン』は2005年7月23日、全国拡大公開、7月16日より恵比寿ガーデンシネマにて先行ロードショー!

◇チェコ発アニメーション『アントン』は、スカパー!、スカパー!110、ケーブルテレビ局などでお馴染みのアニメ専門チャンネルカートゥーン・ネットワークで大好評放送中!なお、このDVDは全国の書店にてお買い求めいただけます!





—- 先日開催された「ap bank fes’05」に参加されて?
色々なアーティストの方、主にMr.Childrenの櫻井和寿さん、小林武史さんを中心として沢山のアーティストたちが集まりましたね。私が参加した日は三日間の中で一番お日柄も良く、お客さんもかなりいました。帰りは新幹線で帰ってきたんですけど、肩とかすごい焼けてる人とかいて“おっ!”って(笑)でもすごく面白かったです。最後皆で1曲「to U」という曲を歌うのでリハーサルは当日1回合わせただけだったけど、なんかおもしろかったですね。いつものファンの前でやるのとは違い、たぶん生Chara見たことも聞いたこともない方の前で演奏して、サポートは櫻井くんがバンドのギタリストで参加したり、何故かハモってくれたりだとか。とても嬉しかったですね。
※「ap bank fes’05」:2001年、小林武史、櫻井和寿の名に「Artists’ Power」の発起人でもある坂本龍一氏を加えた3名が自己責任のもとで拠出したお金をもとに、可能性ある新しい未来をつくろうとしている環境プロジェクトに融資をおこなう「ap bank」を設立しました。
☆詳細は、http://www.apbank.jp/fes05/index2.html

—- 「ap bank fes’05」では、『皇帝ペンギン』のイメージソングにもなった「光の庭」も歌われたそうですが曲に秘められた想いとは?
最初このイメージソングのお話を頂いたときに、実際作品を観てみないと私でいいのかどうか、私ができるかどうか、私が実際感動するような作品であれば書き下ろせるかもしれないけど、観てみないと分からないです、と応えたんです。それでビデオ借りて自宅で観たときに、すぐにメロディが降りてきたので、ぜひやらせて下さいということで始まりました。詞はこの映画の為に書いたので、自分がペンギンのママになったつもりで書きました(笑)。人間にも置き換えられる部分があるんです、本作には。私たちは卵じゃないけど、ペンギンはすごい過酷な自然世界の中で本当に過酷で厳しい子育てをして、孵化させるのにすごく大変で。エサを食べるのに過酷というのは人間の世界でもあってこの間も「LIVE8」(収益が貧困撲滅の為に使われる、アーティストたちが立ち上げたライブイベント)で三秒に一人が命を落としていると聞き、そういう状況を私はまだ体験してないからよく分からないけど、もしこの世界がすごい状況に陥りとんでもないことになったら、子供を食べていかす為に自分はどうするだろう?と想像したりして。今は恵まれているけど人間のタフさを見つめ直すというか、そういったことをすごく考えましたね。子供もいるし家族もあるから。人間も限界を知らないと見えてこないものってあるのかなって思っています。私の場合は、音楽の仕事しているのでこれまでに創作の限界とか…限界だと感じていなくてもあったと思います。やはり自分で自分の限界を知るというか。そういったことを乗り越えていくことがやっぱり必要だと感じたんです。だから最近子供には“すぐに諦めないで!”とかは言ってるような気がする(笑)。私自身すぐ辞めたりとかは好きじゃないから。

—- 曲を作る時どう作りますか?例えば、メロディを先に作り後から詞を付けていく人などそれぞれですが…。
今回の場合は作品を観ていて、なんか少年のような歌声のイメージ?ちょっとホーリーなイメージをすごく感じて。なんとなくアンビエンスというか…。少年がソプラノで歌っているようなイメージでフゥゥゥ〜♪って降りてきたんですね。でも普段は、アコースティックギター持って歌ったり、ピアノで作ったり、その日の気分ですね。あと、お友達とセッションしたりすることもあるし。一つに決めたくないから可能性を色々とね!私は深く音楽の勉強をしてきたわけではないけど、音楽がすごく好きってことは小さい頃から知ってて、ここが自分の好きな所っていうのは理解しているので飽きさせない為に色々やります。飽きっぽい所があるので色々やるタイプの人なんです(笑)。あ、でも捧げ系なので誰か対象人物が明確にいるって場合が多いですね、わりと。

—- では、実体験に基づいた詞が多いのですか?
そうですね。やっぱり自分が経験した感情を使うってことがある種うそではないというか。全部がそうだとは限らないけど。この間自宅で作ったプライベートなアルバムの中には主人への想いもあるし、あと忘れかけていた自分の少女性みたいなものを歌った曲があったんですけど、悲しくネガティブな時にそういったものが出てくるらしくて。でも基本的には音楽をやっているとポジティブになれます。あと妹の結婚式のパーティで歌おうと思って作った曲があってそれも入っていたり、子供が産まれた時に作った曲、勝手に妄想して将来子供が壁にぶち当たった時に!って想いで作った曲、旦那と喧嘩した時に恨み節みたいな(笑)曲を作ったりだとか。『やさしい気持ち』はそういう時に作った曲ですね。そんなのばっかりです(笑)。だからそれは誰に対しての曲っていうのが結構あります。

—- 今後プライベートアルバムの発表はされませんか?
ファンクラブで先行発売したんですけど、今後、一般にもネット発売する予定です。詳しくはホームページをチェックして下さい。





—- 映画のイメージソングはまたやってみたいですか?
またやりたいですね。ファンタジー系のものがあれば特にやってみたいです。子供も歌が好きなんで共作とかもしてみたいし。うちの子に限らず、子供の歌声がすごく好きなので。

—- 「光の庭」はCharaさんのファンからCD化を望む声が多いのですがそれについては?
元々私は打ち込みが好きで、「光の庭」も打ち込みなのでアルバムに入れてもいいかもしれないけど、まだ出来てみないと分からないですね。

—- Charaさん自身に子供が出来て、音楽面とかで影響受けた部分はありますか?
息子が出来たことで影響あるっていうのは…今、初めて考えます。だた彼は今5歳だけど歌心あるように思えるし音楽をすごく聴いてます。そういう所で影響があるかな。私の血が半分入ってるから、面白いなって。だから彼に曲を気に入って欲しい。「光の庭」は大好きみたいです。なんかあるのかな?包み込むような気持ちで歌ってるものと、さっきの恨み節じゃないけど(笑)、暗くネガティブなママっていう感じで受け取ってしまう雰囲気とかなんかあるのかもしれないですね。曲作りに関しては、またなんか昔に戻りつつあるというか、曲作りに向かう気持ちがね。それはすごい意味もあるし楽しくて。面白いですね、子供が成長していくとまた自分も変わっていくのかと思うと。子供が産まれてから自分がこうなるなんて思わなかったですね、変わらざる得ないというか、ある程度は。でもここにきて、また少しありのままの自分に戻って“こんなママなの”みたいな(笑)。頑張りすぎなくて大丈夫になってきたんです。もう一人欲しいですけどね、アントンみたいな子(笑)。5歳の子はマイケル・ジャクソンが大好きで曲聴いては踊ったりしてるんですよ。私も後に続いて踊ったりとかしてると。パパは笑ってるし、お姉ちゃんは“またやってるよ!”って。私たちラブラブなんですけどね(笑)。この間も“ママと結婚する!”って言ってくれて、かわいいですね。まだ小さいからね(笑)。ちょっとアントンっぽい所があるかも。実写版アントンがあればオーディション受けさせちゃおうかな?(笑)

—- Charaさんがナレーションを務めた『アントン』全てご覧になりましたか?
全部は観てないです。すごく短期間でナレーションしてあっという間に“おつかれさまでした!”といった感じでしたね。最初は、“大丈夫ですか?私で…”と思いました。私はしゃべり方のトーンと、歌っている時の声が結構違うので。

—- 絵とCharaさんの声が非常に合っていると思いました。
でも私、ナレーションが入っていないバージョンを見て“これでいいんじゃない?”て思ったんですよ、実は。その方が想像力を沸き立てられる部分もあると思ったんです。だけど、リモコン一つで音声付けたり消したりと楽しみもあるから、あまり邪魔にならないようなトーンで出来たらいいなと思いました。

—- 難しかった点は?
自分は自分らしくやるんですけど、ディレクターの方に求められるものとかあるから…。それでも私は共作だと考えて妥協せず調和してやりたいな、と。だから“ちょっとやってみるよ!”って感じでやりました。やったことがないものはやって良ければいいので。例えばこのセリフちっょと臭くて恥ずかしくない?と思っても、やってみたら大丈夫と言ってもらえたりして。

—- 『アントン』の魅力は?
家族がいいよね。ママもいいし、パパもいいし。アントンといつも一緒にいるこの木馬のポニーなんてすごく欲しくなっちゃいますよね。昔『ロンパールーム』という番組があってこういった跨いで遊ぶようなオモチャが売っていたような気がする。今、下の子が5歳で、こんなに小さいビー玉でも色々なものに変化しちゃうんですよ。子供のそういった想像力って大人になっても羨ましいから、子供と一緒にいると多少そういう部分が影響受けて柔らかくなるんです。だから『アントン』は大人に観て欲しい気がしますね。

—- 『アントン』はお子様と一緒に観ましたか?
最初に頂いたシリーズは一緒に観ました。でも、ママの声だとそっちに集中してしまうから。だから、逆に生で子供の隣でナレーションしてあげればいいんだよ(笑)

—- 『アントン』のDVDには絵本が付いていますが読んで聞かせてあげたりしましたか?
まだ読んで聞かせてないなぁ。でも、読み聞かせは普段からよくやるけどあんまり長いものだと結構自分が途中で眠くなっちゃう。すると子供に“ママがんばって〜”とか言われてしまいますね。恥ずかしい話ですが(笑)

—- 『アントン』の中で特に好きなエピソードは?
「パパとママはなかよし」かな?

—- 思わず笑ってしまったシーンなどは?
「アントンと森の火事」はちょっと怖かったよね。自分も焦っちゃう、みたいな(笑)なんかアントンのパパはうちのパパっぽい雰囲気かも。うちは家族の中で一番パパに威厳があるんですよ、羨ましいですけど。頂いたものですが、うちにはパパ浅野忠信人形(フィギュア)があるんです。パパの人形で遊べるって変な感じですよね(笑)。ウルトラマンとかが入っているオモチャ箱に一緒に入ってます。パパがロケとかでいないと私がその人形に布かけて寝かせたりとかして(笑)

—- 小さい頃どんなアニメを好んで観ていましたか?
そうですね〜。記憶にあるのは12チャンネルでやってた漫画「キットボックス」の中の「大魔王シャザーン」とかですね。「キットボックス」は応募するとオモチャの家がもらえるとかあって。アメリカンコミックチックなやつで、今で言うと「カートゥーン」っぽい感じのを当時やってて。あと、「妖怪人間ベム」は観てたけど怖いイメージしかないなぁ。少女系で言ったら「キャンディ・キャンディ」。これは漫画でも観てて、そばかすが欲しくてわざと日に当たったりとかしてたけど効果なかったなぁ(笑)あと、「ルパン三世」は私が初めて耳コピしてお楽しみ会で合奏アレンジをした曲なんですよ!

—- 今後の音楽活動について
今現在はリセット時期でレコード会社には所属してないんですよ。でもまた近い内どこかで、と考えています。来年あたりからまた“ガシッ!”とアルバム出してツアーもやって、と思っているので今はその準備段階です!

執筆者

Naomi Kanno

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Charaオフィシャルサイト
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『アントン』サイト