『Shall we Dance?』インタビュー:ピーター・チェルソム(監督)
世界が恋した
『Shall We ダンス?』
1996年度の日本アカデミー賞で13部門を独占。全米でも、ナショナル・ボード・オブ・レヴューをはじめとする8つの外国語映画賞を受賞し、実写の日本映画として最高のヒットを記録した『Shall we ダンス?』。あの名作が新たな興奮、新たな感動と共に、豪華キャストのハリウッド映画となって甦った!
監督は『マイ・フレンド・メモリー』『セレンディピティ』など、丁寧な人物描写に定評があるピーター・チェルソム。彼自身、社交ダンスの聖地ブラックプールの出身とあって、ダンスのシーンでは、踊ることの楽しさと醍醐味が丸ごと伝わる、臨場感溢れる映像を作り上げている。そして原作者としてクレジットされているのは、もちろん周防正行監督である。
ピーター・チェルソム監督に聞いてみた——————
Q.映画について教えてください。
これは男性の情緒不安定さについての物語で、それをなんとかしようとする一人の男を描いている。最初、社交ダンスは二の次だった。彼はある女性に近づきたくてダンスを習い始める。でもいったんやり始めると、まるで副産物のようにダンスによって元気を与えられるようになる。20年間感じたことのない活力を得ていくんだ。
Q.どのようにしてダンスはドラマを表現するのでしょうか?
ドラマが一番でダンスは二の次だとは考えないでくれとキャストに言い続けた。この映画でドラマを表現するダンスの力を過小評価したことは一度もない。ダンスだけでさらに多くを表現している場合もある。ダンスが脚本をドラマティックに生かすと考えているからだ。
Q.多様なキャラクター達について
全てのキャラクターに人生にまつわるエピソードがある。ある日ある男が電車に乗り、偶然に3度見た女性と1度踊りたいと思ってその駅で降りる。その瞬間の結果が、全てのキャラクターの人生に波及していく。大きな影響力を持つ。そこが魅力的だと思う。
Q.ダンスシーンの撮影方法について
この映画では、どのダンスシーンでも全身を撮影することが最良の方法だった。実際それは楽しいものだった。なぜならこの映画ではミスもOKだし、それがかえって魅力的だったからだ。彼らの社交ダンスはアマチュアダンスであり、最後の競技会もオリンピックのような大々的な競技会ではなく、誰でも参加できるものだ。『フルモンティ』で彼らがチッペンデールダンスを信じたように、ここではみんなが社交ダンスの偉大さを信じている。それがこの映画の感動的な部分なんだ。
『Shall We Dance? 』は、2005年4月23日、日劇1ほか全国東宝洋画系拡大ロードショー
執筆者
Yasuhiro Togawa