『友引忌』『ボイス』と韓流ホラーに新風を巻き起こしたアン・ビョンギ監督が帰ってきた!新作『コックリさん』はその名の通り、コックリさんに興じた女子高生の《絶対恐怖》を描いたもの。キム・ギュリ、イ・セウン、イ・ユリとキレイどころ揃いの本作だが、後半になるにつれ、やっぱり美人は怖いと身に沁みて感じるはず。一方の監督、その素顔は自身怖がり、雰囲気はにこやかで人当たりのいい男性。これで20数回目の来日というが、「来るたびに日本の写真集を買って帰りますね。主に風景もの。日本のそれって摩訶不思議な感じがある。劇中風景のインスピレーションになりえるんですよ」と語ってくれた。

$red 4月23日より丸の内プラゼールほか、全国ロードショー!!$

 #——『友引忌(ともびき)』『ボイス』に続くゴーストストーリーの完結編です。コックリさんという題材を選んだのは?
 前作の『ボイス』より、もっと若い客層を対象にした作品を作りたかったのです。コックリさんは小中学生の頃、僕自身やった記憶があります。友達とキャンプに行ったときは夜中の余興の定番のようなものでした。「この森にどんな霊がいますか?」なんてことを尋ねたような気がします。だからといって、映画に出てくるような恐怖体験はありませんけどね(笑)。
 ——イ・セウン、キム・ギュリ、イ・ユリ、物語の鍵を握る女優たちの眼差しは後半になるにつれ、怖くなります。
 僕のプロダクションには2000人分の女優の資料があるんですよ。というのも、『友引忌(ともびき)』『ボイス』でのオーディションに使ったものなんですが。主役の女子高生を演じたセウンは当初、『ボイス』での起用も考えていました。何にせよ、彼女たちはあの状況でよくやってくれました。
 ——イ・ユリさんは本物のミミズを食べさせられたとか。
 あれは彼女には内緒でやったことなんです(笑)。あの場面でユリは特殊なコンタクトレンズを着用していたため、それがミミズだとは気づかなかったはず。我々のアドリブだったわけです。
 ——ほかに撮影中のエピソードを?
 キム・ギュリが演じた過去の部分。火事現場での彼女はすごかったですね。スタッフの一人がキムと気づかずに「変な女がいるぞ」と伝えにきたくらいでしたから。
 ——本作でホラーは最後、と聞いていますが。
 完全にやめるというわけではないんですよ。僕は学生時代からホラーを撮り続けていますが、それらはどれもホラーの公式にあてはまるものでした。これからはもう少しドラマ的だったり、心理描写を重視したものにシフトしようかなと思っているわけです。
——なるほど。監督自身、実は怖がりだったりとかは?
そうですね。すごく怖がりです。でも、怖がりだからこそ、作りたいもと思うのでしょう。
——ちなみに監督がこれまで影響を受けた作品は?
たくさんありますね。それこそハリウッドのものでも、ヨーロッパのものでも、日本のものでも。ただ、僕自身が最終目標にしているのは「アン・ヒョンギにしか作れないもの」。そういうものを作っていきたいと思っています。
——日本の観客についてどう思いますか?
3作品すべて公開されているんですけど、反応は韓国に似ています。ただ、日本の観客の方がよりドラマを求めているような気はしますね。
——さて、日本にはよく来ているそうですが、今回、お土産として買って帰りたいものは?
来日はもう20回以上になりますね。その度に買って帰るのが日本の漫画や写真集です。作品を作る上でインスピレーションの源になりますから。ちなみに、写真集は決まって風景ものばかりなんですが、韓国でホラーを撮るとき、実はこの風景描写が難しいんです。日本の景色には独特のファンタジーがあります。僕の映画に出てくる景観は日本の写真集を参考にしたものも多いんですよ。

執筆者

terashima

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