伝説のモンスターたちに闘いを挑む、知的でセクシーなニューヒーロー主人公ヴァン・ヘルシングを演じるのは、米「PEOPLE」誌の“世界で最もセクシーな50人”に選ばれたヒュー・ジャックマン。
驚くべき強さと美しさを併せ持つアナ王女には『パール・ハーバー』のケイト・ベッキンセール。
物語の重要な鍵を握る役を演じる共演陣も、『ムーラン・ルージュ』の演技派リチャード・ロクスバーグ、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのデヴィッド・ウェンハムや、本作がハリウッドデビューとなるバレエ界の貴公子ウィル・ケンプなど個性豊かな顔ぶれが揃った。
観客を別世界へとさらうスリリングな冒険は、あらゆる世代の観客を興奮させる、まさに体感型のスペクタクル・アドベンチャーだ。

※2004年9月4日より日比谷スカラ座1他全国東宝洋画系超拡大ロードショー

© Kaori Suzuki




−−−本作について教えてください。
僕にとって一番大切なのは物語だ。この物語は本当にすばらしい叙事詩物語になったし、キャラクター達もすばらしく、物語を活かすものになった。次にすることは今までに見たこともない、全く新しくて面白い方法を見つけることだった。例え今までに見たようなシーンであってもちょっとしたひねりを加えていったんだ。

−−−ヴァン・ヘルシングを演じたヒュー・ジャックマンをどう思いますか?
今映画を撮影し終わって、脚本家として僕が書いたヴァン・ヘルシングという役と、ヒュー・ジャックマンが演じてくれたものとの間には差があることがわかる。今は全くヒュー・ジャックマンのヴァン・ヘルシングになっている、それもいい意味でね。彼のすばらしさは一口には言えないが、現在撮影を終わってみて、書いている間は「彼はこうこう、こういう人間で」と考えていたが、今では、ヴァン・ヘルシングはヒュー・ジャックマンしか考えられない。断言するが、ヒューの映画ならぶっ続けで4、5時間見ても誰も疲れたなんて言わないだろうね。

−−−ヒュー・ジャックマン本人については?
この映画には男の中の男で、しかも女性に愛される俳優が欲しかった。女性に愛されながらも、男性からは信頼される男でなくてはならなかった。これはとても難しいプロットなんだ。いい男という意味での俳優はたくさんいるが、自分の恋人や妻と5分間二人っきりにしておいても心配ない男性となるとそうはいない。でもヒューなら、彼は本当の紳士だからね、何も起こるはずがない。そういう性質の男はめったにいないんだ。ハンサムなのに、男からも信頼される、彼はそういう男だ。

−−−俳優との仕事はどうでしたか?
この映画の楽しさの一つに俳優全員のすばらしさがある。監督としてただ微調整をするだけで済むなんて、本当に楽しいことなんだ。もし演技に神経を取られると、実際僕も経験があるが、エネルギーを消耗してしまう。ここはどうやろう、なんて試行錯誤しているとあっという間に4、5キロ体重が減ってしまうんだ。でも僕の映画では、特にこの映画では俳優がすばらしいから、ただ座っているだけで見とれてしまう。だから、ここはこうしてみよう、あそこはこうしてみたいという余裕が出てくるんだ。それに撮影後の編集作業が楽しみになってくるしね。

−−−ケイト・ベッキンセールをヒロインに配役した経緯を教えてください。
主役にはヒューが決まっていたから、彼と合う女優が欲しかった。それで新しい女優を探していた。この役はトランシルヴァニアに住む女性だし、ヨーロッパ的な女優が欲しいという制約があった。スタジオ側は新しい女優を見つけたがっていたし、僕も同意見だった。それで探し回ったが、30歳間近で、ゴージャスで、おまけに類まれな才能があって、新人という女優を見つけるのは至難の業だった。そんな女優は絶対に見つからないから、知っている女優を探すべきだということになった。そして一番に名前があがったのがケイトだった。

−−−この映画に出てくるモンスター達について
彼らは問題を抱えた人間だ。ドラキュラにしても、彼の花嫁達にしても、ジキルとハイドにしても、狼男にしても全員が人間だということだ。そして彼らの悪の部分を見ることになる。これがある意味テーマの一つなんだ。彼らはモンスターという形で登場するが、彼ら全員が人間であり、すばらしい人間性とすばらしい性格を持っている。ただその悪い面が描かれるということで、僕はそこが面白いと思った。俳優にとってもやりがいのあることだと思うね。

執筆者

Yasuhiro Togawa

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