再び蘇る謎と恐怖
ジャン・レノ×リュック・ベッソンが挑む最大の衝撃

『クリムゾン・リバー』から3年。完全犯罪を見事に暴いていく二人の刑事の活躍を描く作品は大ヒット作となった。ジャン・レノと『レオン』でタッグを組んだリュック・ベッソンが再び脚本を担当する事で、『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』では全てにおいてスケールアップして誕生。

2004年5月29日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー




Q.本作は「クリムゾン・リバー」の続編ですが、シリーズ化についてどう思われますか?
『クリムゾン・リバー』撮影当時、共演者であるヴァンサン・カッセルとマチュー・カソヴィッツ監督と仕事ができたことは嬉しく思っていたが、シリーズ化については全く考えていなかった。実は、前作の撮影も終わりに近づいた頃、新しい二人組みでやってみてはどうかとの提案があったんだよ。
それが今回、警察学校で師弟関係にあったレダという役をブノワ・マジメルが演じる形で具体化されることになってね。この作品の新たなストーリーと世界観が気に入ると同時に、アーティスティックな世界を演出するオリヴィエ・ダアン監督と仕事をすることにとても興味を覚えたんだ。

Q.オリヴィエ・ダアン監督と実際お仕事をされてどうでしたか?
オリヴィエとは心地よく仕事ができた。彼の指示に従い役作りの細部を仕上げ、かつ互いを理解するのに多くを語る必要もなかった。
彼は驚くべき才能の持ち主で、同時に経験も豊富。彼には彼の物語があり、彼独自の語りのリズムがある。そして若くもあり、老いてもいる。とても興味深い存在だ。
物事をよく観察し、美術的な観点を重視する。さらに責任感と決断力も。彼にとって監督とは天職と言えるのではないだろうか。

Q.偉大な俳優たちと共演されましたね?
私はこの映画で、役だけでなく貴重な出会いにも恵まれた。ジョニー・アリディと共演するシーンがあり、彼の大ファンである私は共演することに非常に魅力を感じた。ほんの短い時間だったが大きな喜びとなっている。
映画界で伝説的存在のクリストファー・リーとの共演では、彼の築き上げて来た軌跡にひどく感銘を受けた。彼は多くのことを熟知しており、84歳でなお世界を飛び回っている。私はリーと『ロード・オブ・ザ・リング』について、さらには映画の成功には偉大な俳優が一人いれば十分だった時代について話し合ったんだ。

Q.ご自身が演じたニーマンスという役について教えてください。
ニーマンスは、破滅へ向かう若い羊のような人物だと僕は解釈している。映画の中で、彼は多くのボキャブラリーを持ち合わせていない。ドアをノックしたかと思うと、頭を打ち付けてドアを打ち破るような男だ。
それに諦観的な面がある。悪と戦う決心をしたものの、一方では悪を根絶することは出来ないと分かっている。現実を認識し、信念を持ち続けるには強い精神が必要だ。
ニーマンスの才能はまさにこの点。残りの優れた点は経験で培ってきたものだろう。
彼にとって警察に所属することは犯罪を権力や武器を用いて押さえ込むことではなく、人間的な苦しみ理解し、時にそれを和らげることだと言えるだろう。警察という職に就くことは人生の最も暗い部分を目撃することを意味し、これまでの経験の影響は彼に深く刻まれているんだ。

Q.ご自身と似ているところはありますか?
ニーマンスは問題が生じてもむやみに奔走することはしない。静かに、そして根気強く前進し続ける。このような性格は、実際の私と少し似ている。
ニーマンスを演じるために、彼の過去をすべて知ることは重要ではない。コルシカあるいはパリの出身であろうと、彼の辿って来た道には関係ないのだから。
感じ取らなければならないのはその人間性だ。彼は特殊な事件を担当している”ただの男”なんだよ。

Q.本作はどんな作品ですか?
この作品は、どんな難題も難なく解決してしまう、
安っぽいスーパー警察官の物語ではない。
この映画の中で、何かが解決されるとしたら、<得をする>のは誰だろうか。この映画で描かれるようなタイプの殺人は、常に社会の不条理を映し出しているんだ。

執筆者

Yasuhiro Togawa

関連記事&リンク

作品紹介