「新 影の軍団」で主演!今年後半ブレイク必須の高野八誠を直撃する
「シリーズの続き、というよりも新しいシリーズとして見てください。時代劇をよく知らない人が、時代劇を好きになるきっかけになればと思います」(高野八誠)。時代劇ファンなら誰しも絶賛するテレビシリーズ「影の軍団」が映画になって戻ってきた!!千葉真一が再び服部半蔵に扮し、ライバル猿飛佐助に松方弘樹、そして、伊賀の忍者に高野八誠ら若手役者が集結。高野八誠と聞いてピンと来た方、そう、「仮面ライダー龍騎」で仮面ライダーライア(手塚海之)役を演じ、人気を博したあの彼である。今春以降、主演映画(「カクト」、「いずれの森か青き海」)が目白押しでブレイク必須は間違いなしの注目株だ。その皮切りが「新・影の軍団」の妖騎。優しくて物静か、けれど戦うべき時は牙を剥く伊賀忍者を好演している。ちなみに劇場版はあくまで序章。続きはビデオで!!
※「新・影の軍団」(序章)はテアトル池袋で絶賛上映中
(DVD・ビデオは(序章)4月25日、(第二弾)5月25日発売レンタルスタート)
——役柄が決まったのは撮影の1週間前だったとか。
高野 脚本はもっと前に読んでたんですけど、疾風か、妖騎か決まってなかったんです。自分としては疾風のような役をやったことがなかったので、そっちに惹かれてました。結局、妖騎に決まったんですけど、その時、宮坂監督に言われたのが「絶対、後悔させないから」って。実際、その通りになりましたけどね。
——立ち回りの芝居は今回が初めて?
高野 そうです。トレーニングも時間的にできなかったので、撮影はものすごく大変でした。前半のシーンで丸一日、後半(第二部)で二日くらいは掛かりましたね。監督には「間違ってもいいからとにかく動いて」って言われたんですけど本当に間違いっぱなしで(笑)。実際、その辺は編集でうまくカットされていましたが。
ただ、妖騎の役っていうのはこれまで人を斬ったことはないし、戦ってきたことがないという設定だったので、逆に良かったともいえますけど。
——撮影直前に体重を増やしたそうですが。
高野 1週間で10キロ増やしました。もともと50キロ代だったで、もう少し太らないと(撮影が)きついんじゃないかなって思ったんですよ。衣裳合わせの時に「でも、僕撮影までには10キロ増やしますから。今、計ったものをあてにしないで下さい」って言って(笑)。信じてもらえなかったと思いますけどね。でも、1週間後にその言葉通りになりました。もう、とにかく食べて、食べて、食べまくりましたね。
——1週間で10キロなんてダイジョウブなんですか!?体に悪そうでは・・・。
高野 うーん、さすがに体が重いな、とは感じましたけどねぇ。
——なんだかデ・ニーロみたいですねぇ。今回、演じた妖騎と高野さんは共通点はありましたか?
高野 大人しいというか、クールなところは似てるかもしれませんね。実際に演じる上ではちょっと掴みづらかった。本を読んで、疾風は野性的でどんどん前に突き進む感じ、金剛丸は力があってタフな感じ、そんなイメージが湧いてきたんですけど、妖騎はキャラクターが浮かばなくて・・・。わからないままに現場に入ったんですけど、やっているうちになんとなくわかってきたって感じですかね。
——ちなみに元の「影の軍団」はご覧になられましたか?
高野 見ました。この話があってからですけど。
——オリジナル版と同じ役で千葉真一さんが出ていますが、何かアドバイスを受けましたか。
高野 不思議な存在感のある人でした。たくさんはお話できませんでしたが、撮影の最後に「時代劇は日本で唯一誇れるものだからな」って言われました。
——撮影中、印象に残った出来事は?
高野 疾風を演じた山口祥行さんが、烏丸と戦う立ち回りのシーンで前転して頭、ぶつけちゃったんですよ。それで血が出てるのに気づかないでそのまま戦い続けて・・・。なんか、それがおかしくて、山口さん、全然気づかないから皆で笑ってました。
——怪我したのに笑ったんですか!!
高野 いえ、だっておかしかったんで(笑)。
——そういう高野さんは怪我したりはしなかったんですか?
高野 擦り傷程度でした。撮影の初日から3日間、走り通しだったんですけど、足袋が合わなかったみたいなんですよ。でも、昔の人ってこういうの我慢して走ってたんだな、たいへんだなって思ってたんですけど、どうもサイズが合わなかったらしくて・・・。最後には血マメになってしまった。
——体重を増やしたからでは?
高野 いや、多分関係ないんじゃないかと・・・。足袋に関しては同じようなサイズがたくさんあるんですよ。その場でぱっと渡された感じ。
——最後にファンの皆さんに「新・影の軍団」の見どころを。
高野 「影の軍団」のリメイクというよりも、新しいシリーズとして作られたもので台詞回しも現代風になっています。ですから、時代劇を余り観てこなかった人には時代劇の面白さをわかってもらうきっかけになるような映画になっていると思います。
執筆者
寺島万里子