ノン・ハリウッドによる映画製作をおこなう「ソニー・ピクチャーズ ワールドシネマ」の記念すべき第一作となるアクション映画『クローサー』。台湾、香港、中国のトップ女優が集結し、『チャーリーズ・エンジェル』『トゥームレイダー』『バイオハザード』をも凌ぐスーパーヒロイックムービーを誕生させた。
合同記者会見に現われた3女優には、映画の中と同じく三者三様の受け答えをみせた。そして映画と同じくホワイトでキメた衣装にも三者三様ぶりがうかがえるものであった。
アクションになじみのない3人がどんなトレーニングをうけて撮影に臨んだのだろうか。

 ☆『クローサー』は3月29日、全国ロードショー!!





ーーー全編アクションということで皆さんトレーニングを受けたということですが、どういうトレーニングをされたんですか?

カレン「一か月あまりトレーニングしました。わたしは元々ダンスをしていたので中国の武術とダンスは似たところがあるだろうと思っていましたが、やってみると全然ちがうものでした。でもダンスをやっていたことは助けにはなったと思います。」
スー「監督はすごいです。監督はわたしたちのトレーニングをみて脚力だとかそういう個人の特長を、それにあったアクションを映画の中でやらせたんです。」
ヴィッキー「スーのいったように、各個人にあったアクションをさせてもらったんですが、その他にも中国の刀、日本刀を使ったアクション、あと太極拳も。毎日3時間くらい練習しました。いちばん辛かったのは、カレンもスーも練習が終わったら自宅に帰れるんだけど、私は監督と同じホテルに泊まっていたので監督が毎朝私を起こしに来るんです。それが辛かった!」

ーーー個々のアクション、てたとえばみなさんはどんなアクションが得意だったんですか?

ヴィッキー「日本刀を使ったアクションですね」
スー「わたしは足が柔らかいのでそういうアクションかしら」
カレン「不思議なことにワイヤーアクションが好きだったの。あと、エレベータの中で相手を足で押さえつけるシーンで、小さいときからストレッチをしていたことが役立ったのがうれしかったわ。」

ーーー3人で喧嘩があったとしたらだれが一番強いと思いますか?

 スー「もし、女性が喧嘩をしたら映画みたくアクションするんじゃなくて、髪をひっぱったり、爪でひっかいたりするんじゃないかしら。」
 ヴィッキー「わたしは彼女たちとは喧嘩をしたくない。」 
 カレン「(現場での意志の疎通は)私たちって喧嘩をすることでコミュニケーションしてたわね。言葉はいらないの。」

ーーーそれぞれのお気に入りのシーンは?
 
 カレン「いっぱいあるけどやっぱりアクション!最後にわたしとヴィッキーがキスをするのはとってもサプライズだと思うわ」 
 ヴィッキー「男性の共演者が少なかったから、彼女(カレン)を好きになるしかなかったの。」
 スー「一番忘れられないのは、わたしが死んだところヴィッキーが私が死んでるのを見て私の体に覆いかぶさって大泣きに泣くの。私自身も自分が死んでるのを忘れて涙を流してしまいました。」





ーーー3人の女優がアクションをする映画ということで「チャーリーズ・エンジェル」のことはどのように意識されましたか?

 カレン「子供のころテレビでみていたけど、この映画に参加したのはそれとは全然関係ないです。映画の『チャーリーズ・エンジェル』はコメディタッチのお色気アクションだけれど、この映画はそういう感じではなくもう少し深刻な感じ。」
 ヴィッキー「『チャーリーズ・エンジェル』見ましたけど、私たちのアクションの方がもっと難しい!と思いました。」
 スー「『クローサー』は、もっとリアルな話で、人間の内面だとか絆というものが描かれて
います。皆さんを感動させる映画になっていると思いますね。」

ーーークライマックスで日本が誇るアクションスター倉田和昭さんと対決シーンはどうでしたか?

 スー「私たち二人が倉田さんに勝つ、なんてありえないことになってるのが申し訳ないです。」
 ヴィッキー「倉田さんと対決シーンだけで2週間かかってるんですけど、監督に『もし倉田さんじゃない人が相手だったら一か月ぐらいかかってたよ』と言われました。とても素晴らしい人です。」

ーーー今作品以降も世界で活躍されると思いますが次回はどんな作品に興味ありますか?
 
 スー「陰鬱な感じの映画を作りたいわ。」
 ヴィッキー「わたしはまたアクション!アジアがいいです。そういう環境になれてますので。」
 カレン「歌と踊りが好きなのでミュージカルみたいな映画があったら出てみたいです。」

ーーー香港、台湾、中国の出身の違いは映画に反映されましたか?

 ヴィッキー「わたしが一番恐れていたのは、3人の個性が出ないことだったんだけど、特に意識はしなくてもちゃんとそれぞれの個性がでたのでよかったです。」
 スー「私とヴィッキーは一番共演シーンが多かったんだけど、二人とも母語は北京語なのでやりやすかったです。」
 カレン「3人の個性は、すでに脚本の中で描き分けてあったり、衣装だとかアクションだとか、殺し方ひとつとってもみんなそれぞれだったので、三者三様の個性がうまくでてると思います。」

執筆者

綿野かおり