パトリス・ルコントの待望の新作「歓楽通り」の完成披露試写会がさる12月6日、東京・ヤマハホールで行われた。当日はなんと、このためだけにルコント監督から来日。一泊二日の強行スケジュールなるも、「日本に来るのは毎回楽しみ。皆さんが私の映画にこんなに興味を持ってくれることも嬉しい」と満面の笑みを見せてくれた。
 「歓楽通り」の舞台は1945年の巴里、舞台は夢の娼館《オリエンタルパレス》。薄幸の娼婦に想いを寄せる世話役の、恋物語である。ルコントお得意の片思い映画で今回、ヒロインに選ばれたのはトップモデルのレティシア・カスタ。引退したイヴ・サンローランの最期のミューズとしても知られる彼女だが、女優としての活躍も今後期待できそうだ。来年1月には「レティシア・カスタと一緒に仕事ができて本当に嬉しかった」と言うルコント(は再度!)とともに来日するというからそれもまた待ち遠しい。

※2003年春、シネマライズにてロードショー!!
 
 




「この映画はセルジュ・フリードマンというシナリオライターと一緒に作ったものなんだ」とルコント監督は言う。「『橋の上の娘』もセルジュと一緒に作った。『歓楽通り』についてはある日、彼が『ひらめいた』と言い出したんだ。『でも、まだ詳しくは話せない、出来上がったら見せるから』って。僕はセルジュの書くものがとても好きなので、かまわないから楽しみに待っていると言った。でも、そのとき、少しだけキーワードを教えてくれた。舞台は1945年の巴里にある娼館だと。これだけの情報でしばらくの間、夢を見ていたんだ。娼館のなかで女性たちが微笑む、香水の匂い、美しいドレス・・・」
 「そうして何ヶ月か経って、セルジュからこの脚本を見せられた。そこにあったのは僕が夢見た世界以上のものだった」。ルコント監督は熱っぽく語った後、「今日は皆さんと一緒に『オリエンタル・パレス』の扉を開けることができてとても嬉しい」と締めくくったのだった。

執筆者

M・T

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