60年代、70年代のミュージックシーンを牽引したザ・バンドのギタリスト、ロビー・ロバートソンが渋谷のタワーレコードに登場!!去る11月2日、「ラスト・ワルツ ー特別篇ー」の発売を記念し、ピーター・バラカンをゲストにトークショーを開いた。第十五回東京国際映画祭でも上映された本編はマーティン・スコセッシのロック・ドキュメンタリー。「タクシードライバー」を発表したばかりのスコセッシが、当時撮影中だった「ニューヨーク・ニューヨーク」を中断してまで、ザ・バンドのファイナルコンサートを収めたものである。ザ・バンドのほか、エリック・クラプトンやボブ・ディラン、ニール・ヤングなど総々たるメンバーがお目見えするが、「もともと知り合いだった奴らばかりだよ。撮影で初めて会ったって人はいなかったね」(ロバートソン)。貴重なトークの後は、なんと会場に来たファン全員との握手会、ならびにサイン色紙のプレゼントがあった。

 ※DVD「ラスト・ワルツ ー特別篇ー」は20世紀フォックス ホーム エンターティンメントより発売中!!

 






「DVDには情報量が多すぎてトゥーマッチだなと思うものも少なくない。そういうものにはしたくなかった」(ロバートソン)。5.1サラウンド&スクイーズ収録と、コンサート会場にいるかのような臨場感が嬉しい本作はミキシングに半年間、DVD全体では8、9ヶ月かかったという渾身の作でもある。スコセッシとロバートソンによる音声解説のほか、ファンの間で幻とされていたジャム・セッションのシーンなども加えられている。
「劇中の音楽には関与してないと聞いたことがありますが、そのへんはどうだったんですか」(バラカン)、「当時は映画の音にまで関わるのはなかなか難しい状態にあった。スコセッシが提示した曲を聞いて、それをフィードバックするというやり方だったね」(ロバートソン)。スコセッシがやりたがったのは単なるロックドキュメンタリーではなく、映像的体験ができるもの。ライブシーンは会場のあちこちに七人のカメラマンを据え、客席から、袖から、ドラムセットの裏側からとファイナルコンサートの全てをフィルムに残したのだった。
 トークの終盤にはタワーレコード社長からロバートソンへ、ハッピのプレゼント。ロバートソンは少々照れ気味の様子でハッピを羽織ったのだった。

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M/T