今年のカンヌ国際映画祭“国際批評家週間”の招待作品…なんてことよりも、「やりたいことが見つからない」なか、まったりと日々を過ごす「チキハ」な面々に、フツーの若者だったら笑いと共感、そして“痛さ”を感ぜずにはいられない清水浩監督の『チキン・ハート』。
 本作の特別試写会が、7月25日にクロスタワーホールにて開催された。当日は、個性豊かに「チキハ」なキャラを快演、微妙なコラボレーションで魅せた主要キャストたち、音楽を担当した鈴木慶一氏、そして清水監督という「チキハ」な面々総勢7名が来場し、舞台挨拶が行われた。

$navy ☆『チキン・ハート』は、2002年8月3日(土)よりユーロスペース、シネマ・下北沢ほかにて全国順次公開!$












池内博之さん(岩野修役)——すごく面白く、目茶目茶ゆる〜い雰囲気で楽しめると思いますのでゆっくり観ていってください。
因みに殴られ屋のシーンて、リアルに演っているんですよ。僕もボクシングに関しては今回がはじめてだったのですが、結構練習しそれなりに大変な思いをしつつも演りました。この「やりたいことが見つからない」人たちって、多分この中にもいるかもしれないと思うのですが、この映画を観てくれて、何かを感じ取ってくれたらと僕たち皆思っております。

松尾スズキさん(丸誠二役)——映画の出来は池内君が言ってくれたとおりで、僕が付け足すことは何も無いのですが、僕個人としてはこれまで殺人鬼とか、ヤクザとか、マッド・サイエンティストしか演って来なかったんですけど、初めて普通の人を演りましたので、そこの所をよく見てください(笑)。他の方も、地味に僕と一緒に演ってくれてます。
この映画は東京では、シネマ下北沢とユーロスペースの2館上映されますが、キャパシティはあまり大きくないので、回数で稼いでいくしかないんですね。だから、本当に長く回していきたいので、宜しくお願いします。

岸部一徳さん(村瀬役)——映画の中では、そんなに出ていないのですが、謎のサラリーマンと言うか普通のサラリーマンの役で、ほぼ松尾スズキさんと絡む役だけで出ているのですが、僕はこの映画を見て可笑しくて、面白くてなかなか良い作品が出来たなと、久しぶりに面白い映画に出会った感じです。僕は松尾さんのファンですが松尾さんは舞台が多く、僕は舞台はあまりありませんので、松尾さんの空気に触れるいい機会だと、思い切り楽しませていただきました。今日はゆっくり楽しんでください。

馬渕英里何さん(京子役)——キャバクラ嬢…ヘッヘルスかな?だったんですが、そういう所に本当にロケに行かせていただいて、すごくいい経験を出来たなと思いました(笑)。私もずっと松雄さんと絡むことが多かったのですが、もう笑いをこらえるのに必死でした。全然、普通の人じゃないジャン(笑)。楽しんでってください。

春木みさよさん(美樹役)——今回初めて映画の中でボクシングをやるシーンがあったんですが、本気にと言われて本気でやったら、皆に殺気立ってて怖いと言われたんですけど(笑)、そのへんを楽しんで観てください。

鈴木慶一さん(音楽)——この映画は、ろくでもない男が3人中心になっている映画なんですが、私も公私共にろくでもないんでピッタリいくかなぁと思って出来上がったものをみたら、あまりにもシックリいってるんで、ろくでなし人生に自信を持ちました。
音楽を作る上でひとつ気を使ったのは、どこにも属さない音楽を目指したんです。ろくでなしってのは、どこにも属してないと思うので。海外でも、音楽も好評なようなのでとても嬉しいです。

清水浩監督——ここにいらっしゃる方、そしていらっしゃらない清志郎さん、荒木さんという素晴らしいキャスト、慶一さんの音楽で、僕が脚本を書いていた時のイメージ以上にいいものが出来たと思いますので、楽しんでいただければと思います。
色々な映画があると思いますし、この作品もちょっと変わった映画かもしれませんが、皆さんそれぞれがに色々なことを感じていただければ幸いだと思います。

執筆者

宮田晴夫

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