「この映画に出て以来、僕は5つのプロダクションから誘拐されるほどすごいことになったけど、ヒューはダメだね、ユーモアのセンスがないから(笑)」(ニコラス・ホルト)。ヒュー・グラント&ニコラス・ホルト主演「アバウト・ア・ボーイ」はその日暮らしのダメダメ男と、12歳なのに聡明な男の子の触れ合いを描いたハートフルコメディだ。劇中でもしょっちゅうもめてたこの2人、17日に行われた来日記者会見でも映画の続きを見ているよう。仲がいいんだか、悪いんだか、会場から出た質問に相手への毒舌を織りまぜつつ、「我々は憎みあってます」(ヒュー・グラント)なんて発言も。笑いを取りつつ、記者たちを喜ばせ、ちょっとしたエンターティメントだった記者会見。これで本当に憎みあう2人ならそれはそれで面白い。

※「アバウト・ア・ボーイ」は9月、日劇3ほかでロードショー公開!!







ーーヒュー・グラントさんに。「ノッティング・ヒルの恋人」の頃、何かのインタビューで「悪役をやりたい」と言っていた記憶があります。今回は悪役とは違いますが、これまでとちょっと違った役ですよね。
 ヒュー・グラント 最初の12本って全く同じものを繰り返しているような気がしたんだ。で、今回はちょっと変わったけどまた、今度はこれが10本くらい続くんじゃないかな(笑)。ともあれ、「ミスター・ナイスガイ」と言われるのはうんざりだったので、内心ほっとしてたりする。

 ーー脚本を書いてると聞いたんですけど。それと、読む本はやっぱりニック・ホーンビィのような小説が好きなんですか。
ヒュー・グラント シナリオ2つほど書いてたけど、どちらも完成していない(笑)。18ヶ月前に出さなきゃいけなかったんだけど遅れてる(笑)。もう一つは偶然にも「何もしない奴」ってタイトルで、これはほんとに中断してしまった(笑)。
 で、何を読むか?小説は読むとしたら最近は現代ものが多いかなぁ。古典はほとんど読まなくなってしまった。もっと恥ずかしいことは僕のベッド脇にある10冊の本は全部ゴルフの本だってこと。自分を恥じるよ。

 ーートニ・コレットとレイチェル・ワイズとの共演について。
ヒュー・グラント  この2人は我々のファーストチョイスだった。絶対に無理だと思っていた人たちが引き受けてくれたんだよ。トニの役はとても難しい役だったと思う。うつ病の役だったけど、観客までうつ病にさせたら困るからね。
 レイチェルの役は後半にしか出てこない。キャラクターの詳しい説明もないし、けれど出るだけで観客を魅了してしまうような女性じゃなきゃならなかった。そうして、実物のレイチェルもすごく輝いてる人だったよ。撮影中は僕も監督兄弟も彼女に恋をしていたと思う。
ニコラス・ホルト 僕もレイチェルには気があったけど、ヒューに譲ったんだよ。

 ーートニ・コレットのように突然、エキセントリックになってしまう女性は最近では少なくありません。そんな女性にメッセージを送るとしたら?
ヒュー・グラント 経験からいって女性が少し鬱気味な分には構わない。けれど、ほんとにものすごーく落ちこんでいるようなら近づかない方が安全なので、逃げるに限る(笑)。

 ーーニコラスくんに。実際、お母さんがあんな風になってしまったらどうやって慰める?
ニコラス・ホルト アイスクリームを買ってあげるかな。だけど、ヒューとおんなじで余り近づかない方がいいと思う(笑)。







ーー「ブリジッド・ジョーンズの日記」で演じたバッド・ガイがご自分に似ていると何かで読みました。今回のウィル役はどうでしたか?
 ヒュー・グラント 「ブリジッド〜」よりは僕の方がいい奴だと思うよ(笑)。今回のウィルは、実は過去に彼とそっくりな生活を送っていたことがあるんだよね。日中からテレビ見て、ビリヤードをやって、女性を追いかけて・・・。何年間も何もしなかったなぁ。

 ーーニコラスくんに。ウィルとヒュー・グラントはよく似ている?
ニコラス・ホルト 女性関係はおんなじだよ(笑)。あと、ライフスタイルと、すてきなおうちに住んでいて、エレクトリックな音楽と・・・。

 ーー家に行ったの?
ニコラス・ホルト いいや、一度も。
ヒュー・グランド 招待しようとも思わないよ(笑)。
 
 ーー撮影現場でヒュー・グラントは演技について教えてくれましたか。
ニコラス・ホルト ヒューは何も教えてくれなかったよ。

 ーー何も?
ニコラス・ホルト ・・・そうだなぁ、即興でやれってことと何かしたいときは人を使えってことと、ゴルフのスイング、それだけだったよ。
 
 ーーさて、2人はそんな調子ですが本当に仲が悪かったんですか。
ヒュー・グラント そう、我々は憎みあっています。

 ーーでも、誉めるべき点は1つくらいあるでしょう。何かお互いの好きなところを・・・。
ヒュー・グラント ないね。
ニコラス・ホルト 時間が欲しい、考えさせて。
          (おもむろに日本語で)チョット、マッテ!

 ーーおおっ!日本語でほかにも何か言えますか。
ヒュー・グラント  I could say モンダイナイ ・・・I could say アリガトウ・・・。
ニコラス・ホルト  ワカリマセン。

執筆者

寺島まりこ

関連記事&リンク

作品紹介