原作の単行本・全7巻の発行部数が200万部を超える驚異的な人気コミックであり、多くのファンから映像化を熱望されていた高橋しん原作の『最終兵器彼女』が、原作の連載終了を持ってついにアニメーション化が実現した。本作は“手付かずの本格アニメ”を目指し、東映ビデオ、東北新社、小学館、中部日本放送が共同で製作にあたるTVアニメシリーズで、CSのファミリー劇場、地上波ローカルの中部日本放送によって7月よりオンエアが開始される。
 また同原作は、2003年の3月コナミからの発売予定で、マルチ・ストーリー&マルチ・エンディングによるアドベンチャー・ゲームの開発も進められるなど、マルチ・メディア的な展開にも期待がよせられる。
 6月18日、本作の完成披露試写会が六本木オリベホールで開催され、7月のオンエアに先駆けて、第1話「ぼくらは、恋していく」第2話「私、成長してる…」が上映された。制作母体であるGONZO DIGIMATIONの実力が発揮された、第1話の札幌空襲場面の迫力、原作のタッチを忠実に活かしたアニメ・キャラ等、見るべき部分が実に多く、まだ物語的には発端ながらも、傑作シリーズになりそうな予感が随所に感じられた。
 上映終了後には、原作者の高橋しんさんをはじめ、加瀬充子監督、主題歌を歌う谷戸由李亜さん、メイン・キャストを演じる石母田史朗さん、折笠富美子さんが舞台挨拶を行った。

$navy ☆『最終兵器彼女』はCSデジタル衛星放送ファミリー劇場にて、7月2日より毎週火曜日夜7時からオン・エア開始!また水曜朝8時、金曜深夜1時、日曜夜7時30分にそれぞれリピート放映される!$









高橋しんさん(原作)——一生懸命アニメを作って下さっている皆さんほどには何も仕事をしていない者が最初に名前を呼んでいただいて、場違いというか有難いと思っていますが。今日はそういうスタッフの応援団という気持ちで来ました。この作品宜しくお願いします。
私は小中学校の頃『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』を一人のアニメ好きな子供として観ていたので、マンガの仕事を一生懸命やった先にアニメ化の話をいただいて、繋がっていたのだなという感じですね。

加瀬充子監督——かなり緊張してまして、お手柔らかにお願いします。まだ製作の途中、今日も絵コンテを早くあげなければ…と焦っている状態の私です。
戦闘シーンとかメカは得意だし楽なんですが、苦労してるのはHシーンですね。見せなくちゃいけないし、見せちゃいけないし、どうしましょう(苦笑)。ギリギリのところで迷いながらやっています。今、9・10話をやっているところなんですが、男女の関係と心の中の色んな部分を描くのが大変です。でも、そういった部分を表立ってやろうと計画して始まってますので。

石母田史朗さん(シュウジ役)——見ていただいた後に立つことにすごく緊張しておりますが、一生懸命やらさせていただいております。
アフレコはほとんど初挑戦なんですが、オーディションで決まったときは滅茶苦茶に嬉しいと同時に物凄くプレッシャーを感じて、自分でも物凄くいい作品だと思いますので…。舞台で役を作るのとはまた違い、想像力+絵から取り入れる感覚というのを大事に、繊細にやっていきたいと思っています。

折笠富美子さん(ちせ役)——今、袖のほうで観ていたんですが、早くもちせモードに入ってうるうるきてしまいました。アフレコの時、いつも鼻をかみながらやっていますが、最後まで頑張りたいと思います。
オーディションを受けた時も、高校生というような細かい設定よりも気持ちを大事にしようと思って挑んだんですが、その段階から既に泣いていて(笑)。泣いている顔がひじょうに多いので。自分がすごく感動した作品なんで、その感動を伝える側に回るんだと思うと、舞い上がってる場合ではないと思いました。

谷戸由李亜さん(主題歌)——試写会で歌わせていただいて、主題歌を歌っていることをあらためて実感し、とても感激しています。
オープニングの“恋スル気持チ”はシュウジ君の気持ちで書いたんですが、初めて男の子の気持ちになって書くのは大変でしたが、自分の気持ちも入れてみたので素直に書けたと思います。エンディングの“サヨナラ”は私の先輩の失恋話を元に書きました。

執筆者

宮田晴夫

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