映画『月のあかり』初日舞台挨拶
ガリンペイロプロジェクト第3弾として、2002年6月8日よりテアトル池袋にてロードショー公開(DLP上映)の映画『月のあかり』。沖縄が大好きな倉持健一の第一回監督作品で、新鮮な蒼さと深い闇を描いた“チャンプルー・ムービー”の初日舞台挨拶が行われた。
今回は、ゲストとしてステージに登場した、倉持健一監督と、椎名へきる、笠原紳司、葛山信吾ら出演俳優のコメントの一部を紹介する。
■コメント
倉持健一(監督・脚本)
この映画は、ぼーっとしながら見る作品です。スクリーンに映る青い空や、その中で登場キャラクターたちが、本当に生きているように描いています。「見終わったときに幸せになれる作品」ですね。
表現したかったことは「ネガティブよりポジティブの方がいいだろう」ということで、自分の好きな沖縄をそのままフィルムに焼き付けました。そこが始まりなので、それを感じていただけたらうれしいです。
椎名へきる(女 役)
女は、好きな男を一直線で追いかけていきながらも、意外と冷静に物事を判断して、男を優しく見守っているキャラクター。映画は初出演で、言葉はなく表情や仕草だけで演技をしたり、ほかの俳優さんと駆け合いをしたりと、みなさんに助けてもらいながら演じました。
撮影中は、笠原さんや葛山さんのお二人が、それぞれの役をカットが変わるごとに真剣に考えながら掴んでいくところがはっきりわかり、すごいなぁと思いました。そんなお二人の演技に触発されながら、がんばりました。
笠原紳司(男 役)
僕の役に限らず、映画は「目の文化」というように、人間はいざというときは何も言わなくなって、表情だけで全てを表したりしますよね。そんなところを感じてもらえたらすごくうれしいですね。
葛山信吾(バカ 役)
「バカ」という役は、最初は自分に合っているなと思いました(笑)。でも台本を読んでいるうちに、すごく難しさを感じました。まぁ、撮影の前に監督と笠原くんと食事とカラオケをする機会があって、そこで自分の姿を見ていただいたときに「そのまんまで大丈夫」と言われました(笑)。
あとは、沖縄で生まれ育った青年の役なので、沖縄に行って豊かな自然を感じれば、役はついてくるんじゃないかと思いました。沖縄の街でボケーっとしていた時は、幸せな時間でした。
執筆者
TAISUKE SAITOU