昨年の夏大ヒットを記録した『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』で、短いながらも観る者に強烈な印象を残した“スコーピオン・キング”を主人公にした『ハムナプトラ』のアナザー・ストーリー『スコーピオン・キング』が製作され、全米では4月19日より公開される。
 タイトル・ロールの“スコーピオン・キング”を演じているのは、勿論『ハムナプトラ2』に続いてWWFのスーパースターである“ザ・ロック”!前作のクライマックスではCGIによる異形の姿でリックを苦しめたが、本作では生身のキャラクターとしてそのファイティングを堪能できそうだ。
 WWFの日本興行で来日したザ・ロックは、興行を翌日に控えた2月28日、帝国ホテルにて『スコーピオン・キング』の主演スターとしての来日記者会見を開催した。当日の開場は、映画関係に留まらぬ多くのマスコミ陣がにより埋め尽くされた中、日本語で“スコーピオンキング”と書かれたTシャツ姿で登場した“ザ・ロック”。短い写真撮影の間にも、カメラマンからの声にきめポーズを作ったりと、さすがのサービスぶりだった。そして会見の方も、まだ誰もその全容を知らない期待の新作映画について、そしてそのTシャツに秘められた交流関係など興味深い話題を、持ち前のユーモアを交えつつ語ってくれた。

$navy ☆『スコーピオンキング』は、2002年今夏、全国東宝洋画系にてロードショー公開!$










Q.『ハムナプトラ2』出演時は、暑さが大変だったということですが、今回はいかがでしたか。また、ブルー・スクリーン前での撮影はいかがでしたか。
——『ハムナプトラ2』はモロッコの砂漠で撮影され、40度以上の暑さの中での演技で体調を崩ししんどかったよ。でも今回は、アリゾナ州ユマの砂漠とスタジオでの撮影なので、モロッコの時ほどじゃなかったよ。
ブルースクリーン前での撮影は、このポスターにもあるゴモラの町での場面など沢山あって、クライマックスでのスティーブン・ブランドンとのファイティング・シーンもそうなので、時間的には長かったよ。

Q.『スコーピオン・キング』製作への経緯をお聞かせください。
——前作をモロッコで撮影している時に、エージェントから毎日のラッシュを見ているユニバーサルが、スコーピオン・キングを主人公にした映画に乗り気になっていると電話があったんだ。その頃は具合が悪くてどんな映画になるかより、兎に角僕は早く帰りたい…って感じだったんだけど(笑)、エジプト神話を読んでいくとスコーピオン・キングは初代の王ということもあったようで、そんな所にも惹かれたね。

Q.同じキャラクターながら、前作では悪役、今回はヒーローということですが、演じる上で苦労された点はありますか。
——まず嬉しいのは、今回エジプト語じゃなく英語で台詞が話せるってことだね(笑)。前作は劇映画デビュー作だけど、主役じゃないしせいぜい10〜15分の出番ってところだと思うけど、主役である今作では農民から始まり暗殺者になり、そして王になるという物語で、冒険ありユーモアあり、ケリー・ヒューとのロマンスもある。そうした中で、自分が真に選ばれしものなのかという葛藤を取り混ぜながら演じているんで、皆さんには楽しんでもらえると思うよ。ブレンダン・フレイザーは出てこないけど、友人である彼を殺さないで済むからよかったかな(笑)。

Q.ハリウッドの魅力に関してお聞かせください。
——人には全てチャレンジ精神があり、自分を成長させたいという気持ちを持ってないといけないと思うんだ。僕の場合レスリングがあったからこそ、映画の世界に行けたと思うんだ。レスリングは闘う気持ちという一つの感情しか現せないが、映画は様々な演技をし気持ちを表現できるという点が大きな違いであり、その中で成長して行くことを目指して行きたいと思う。それと、ジュリア・ロバーツにいつか会えればいいね(笑)。

Q.ユーモアの部分があるとのことですが、今後コメディの方向等も考えているのですか?
——『サタデイナイト・ライブ』等でもホストを務めたりしているようにコメディは大好きだし、ユーモアのセンスは出していきたと思います。ユニバーサルとは今回の作品でもいい関係を持つことが出来たので、次回作としてアクション・コメディの企画が持ち上がっている。詳細は未定だけど、『ミッドナイト・ラン』と『ラッシュ・アワー』をミックスしたような作品になると思う。これで初めて、現代での役を演じられるので楽しみだね。










Q.そのTシャツはどうされたのですか?
——とてもいい質問だ(笑)。今回プロレスとプロモーションで初来日することになり何をすればいいかを考えた時に、同じくWWFに所属している友人のショー・フナキに相談したところ、こうしたものを作ってみればと言われ、日本語で書かれたTシャツで皆さんに逢えたらという気持ちをこめて作ってみたんだ。

Q.撮影以外に演技の勉強はされましたか
——バッター・ボックスに立つ以上は、当然ホームランを打ちたいよね。主演作でもあるし、充分な準備をして望みたいという気持ちでユニバーサルに相談し、ラリー・モスから3・4ヶ月の演技指導を受けた。彼は感情の出し方を教えてくれたんだ。WWFでも今日のこの場のように、生の皆さんが応援してくれる中で素晴らしい演技をしなければならないということだけど、映画と違ってテイクは1回しかないんだ。それはそれで緊張もあるけれど、そうした中でもいいものを作っていきたいというのは共通だ。

Q.共演されたマイケル・クラーク・ダンカン、ケリー・ヒューとのエピソードがありましたらお聞かせください
——マイケルは素晴らしい俳優で彼が出てくれたことをとても光栄に思っている。ケリーも素晴らしい女優であり、物語では彼女に恋をする役になっているんで、彼女には特別な感情を持たなければならないということもあったんだ。エピソードとしてはマイケルとのファイト・シーンで気をつけてはいたんだけど、右エルボーが当たってしまってKOしてしまったんだ。倒れてしまった瞬間は映画の中に出てこないけど、その直前までは映画の中に出てますので、楽しみにして欲しいね。ケリーとは、ラブ・シーンもありとても難しかったけど、彼女とはそうした感情を持って演じていくということが貴重な経験だったし、素晴らしい女優でした。

Q.ご自身が思うこの作品の見所と、得意技である眉毛の動きが見れるかどうかを教えてください。
——僕はこの映画のアクション・シーンが、素晴らしいものになったことを誇りに思っている。やはり“ロック様”が出ている映画だから、これまでのアクション映画とは全く違うアクションにするという意気込みで臨んだんだ。ジャッキー・チェン作品等にも参加しているアンディ・チャンが殺陣の指導をしてくれたのだけど、僕自身大好きなジャッキーが10発で相手を倒すところを、自分は“ロック様”だから1発で倒せる。そこが大きな違いかな。僕がアクションに出るということで、ファンの方が期待しているものを充分にみせているよ。眉毛の演技はWWFのファンのために、多くの女性に囲まれて誘惑されそうになるシーンで出てくるので楽しみにして欲しいね。

執筆者

宮田晴夫

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