映画『サクラ大戦活動写真』完成披露試写会 舞台挨拶
2001年12月22日より全国ロードショー公開される、「冬の角川アニメ」。その中の、映画『サクラ大戦活動写真』の完成披露試写会と、舞台挨拶が11月29日(木)に、丸の内シャンゼリゼで行われた。
舞台挨拶には、原作の広井王子、エグゼクティブプロデューサーの大月俊倫、スーパーバイザーのあかほりさとる、音楽を担当した田中公平らスタッフと、声優陣を代表して、真宮寺さくら 役の横山智佐が出席。
広井王子は、「ゲームの発売から丸5年、やっとできました。これは「夢の続き」なのだろうと思います。この映画では、Production l.Gのスタッフのみなさんには大変な無理をお願いしました。でも、試写室で見終わったとき『なんで試写室で見たんだろう。映画館で見たかった』と思ったくらい、ゲームでは描けなかった部分、歌謡ショウでは表現できない部分を、スタッフの努力のおかげで映像にすることができました」と、感慨深げにコメント。大勢の一般招待客たちからも、熱い拍手が送られていた。
■コメント
広井王子(原作)
やっと『サクラ大戦 活動写真』が完成しました。ゲームの発売から丸5年、「やっとできたなぁ」という思いがします。ゲームのスタッフやキャストも含めて、これは「夢の続き」なのだろうと思っています。
今回は、Production l.Gのスタッフのみなさんには大変な無理をお願いしました。でも、ゲームでは描けなかった部分、歌謡ショウでは表現できない部分を、スタッフの努力のおかげで、映像にすることができました。これは大きなスクリーンでしか見ることができない、本当に『サクラ大戦』らしい映画が出来上がったと思います。この場を借りて、スタッフのみなさんに御礼を申し上げます。ありがとうざいました。
ゲームの『サクラ大戦2』『3』を作ったときに、「このクオリティで、80分とか90分作るのは、できたらすごいけど、やめましょう(笑)」と言っていたのが、出来てしまいました。試写室で見終わったとき「なんで試写室で見たんだろう。映画館で見たかった」と思ったくらいです。
一生懸命作れば結果は報われると思うので、この映画もヒットすると思います。
大月俊倫(エグゼクティブプロデューサー)
広井さんと最初の打ち合わせをしてから、足かけ3年。Production l.Gのスタッフによる、世界最高の技術がこの映画に込められているので楽しみに見てください。
思い出すのは、広井さんと「レッドカンパニー」の会議室で、ちらし寿司を食べたことでしょうか(笑)。あかほりさとるくんとは、いろいろな作品で10年来の付き合いですけど、広井さんともこれから仕事を一緒にしていきたいと思います。
あかほりさとる(スーパーバイザー)
映画ではスーパーバイザーという肩書きで、いろいろとやらさせていただきました。ゲームのときからのスタッフとして、『サクラ大戦』が映画になったことは感無量です。
いつもは「お笑い担当」とか「外道」だとかいろいろ言われていますが、『サクラ大戦』では、真面目に愛や友情、熱血とかを追求しています。『サクラ大戦』では、ハメを外してやってこなくて良かったなぁと、思っています(笑)。
広井さんは作品を作るときによく合宿に行くんです。『サクラ大戦』もそうで、「温泉に入ったときに、着替えを隠される」とか、合宿で打ち合わせをするときは、よく広井さんにイタズラをされるので、その対策をどうするかが苦労話でしょうか(笑)。
田中公平(音楽)
ついにこの日が来ました。ずいぶん前に打ち合わせをして、曲を書いたのが5月か6月ごろでした。曲の収録は、オーケストラの演奏を一般のお客さんに聞いていただきながら行う公開録音という、世界で始めての形を取りました。でも、それがいい結果になっていると思います。公開録音のときの拍手の音は、映画の中でも2ヶ所で使われているので、公開録音に参加された方は、楽しみにしていてください。
音楽は、スクリーンの大きさに負けないように作りました。いつもは大風呂敷を広げていますけど今回はもっと広げてしまったので、次はどうしようか?と少し悩みますね(笑)。一番最後の曲は気合を入れて作りましたので、字幕の後ですがしっかりと聞いてほしいと思います。
今回、横山智佐さんとラチェット役の久野綾希子さんに歌っていただいたたいへんな歌があり、みなさんのおかげでたくさん売れて、ありがたく思います。これで映画がヒットしてくれたら、何も言うことはありません。二人ともすごくがんばってもらい、それだけでもいい仕事をしたなよ思っています。
画面を見るとわかる通り、映像は、Production l.Gさん気合入りまくりです。ゲームの『サクラ大戦2』『3』のオープニングのクオリティで、85分を全部やっています。最初試写で見たときは、見終わってしばらく立ち上がれませんでした。
横山智佐(真宮寺さくら 役)
『サクラ大戦』とは長い付き合いになってきました。初めて『サクラ大戦』と出合ったのは「激!帝国華撃団」のレコーディングの時で、もう7年前くらいになるでしょうか。今でも「ゲキテイ(激!帝国華撃団)」を歌っております(笑)。
『サクラ大戦』のいいところは、移り変わりの激しい時代の中で「変わらないけれども成長していく」ところで、これをテーマにがんばっています。そして、ついに劇場版になりました。これはゴールかもしれませんが、私にとっては7年間がんばってきた「ご褒美」で、また次へのステップとなるものでありたいと思います。うれしくもあり、厳しくもある作品になったと思います。
アフレコは、2日間にわたり、映画を撮るように細かくシーンを分けて収録をしました。でも、初日から予定より早くとてもスムーズに終わり、余裕をもって収録できました。後は、おいしいお弁当が印象に残っていますね(笑)。
夏の歌謡ショウでやった「海神別荘」が劇中劇のシーンにあって、映画とリンクしています。でも、台詞が舞台のときとは微妙に違う劇場版用のもので、「優しさこそが本当の強さなのではないか?」という重いテーマを語っているところもありました。そこでは、台詞にこだわって、久野さんとも相談をしながら、言葉をちょっと変えてもらったりしました。
執筆者
TAISUKE SAITOU