昨年韓国で大ヒットし、日本でもシネマスクエアとうきゅうで公開中のファンタジー『リメンバー・ミー』。その世界観に共感し、さらに広く日本でも広めたいとの製作陣の想いから生まれた日本版リメイク作品『時の香り〜リメンバー・ミー〜』が、11月24日に有楽町のシネ・ラ・セットにて初日を迎えた。この日は、オリジナル版に感動した方、フレッシュな出演者のファンの方々など幅広い層の観客が集まり、多くの立ち見の方も出る盛況だ。上映前には、山川直人監督、吹石一恵さん、斎藤工さん、武藤美幸さんが来場して舞台挨拶が行われた。











 「いい映画だと思うんで、最後まで見てください」。作品への手応えを覗かせる山川直人監督のコメントから舞台挨拶はスタートした。
 オリジナル版ではキム・ハヌルが演じたヒロイン百合役を演じた吹石一恵さん。ことに終盤で見せる、静謐な表情はこれまでの彼女とは、また一味違う魅力を見せてくれている。この日は、オーストラリアから戻ったばかりで駆けつけたということで、作品への思い入れを感じさせる。「6時に空港について、そのままきました。本当に間に合うかどうかドキドキしながら走ってきたんですけど、こんなに沢山きていただいて嬉しいです」。
 79年に生きるヒロインと交信する現代の青年、優二役は、本作が俳優デビュー作となる斎藤工さん。「撮影前にオリジナル版を観て、本当にいい映画で涙を流してしまったのですが、また別な風な作品に仕上がっています。撮影当時、忘れていたものがつまっている映画だと思ったのですが、そこに忘れてはいけないものを感じていただけたらと思います」と、作品の精神について語った。
 百合の友人、幸子役を演じているのは武藤美幸さん。「人と人との縁がテーマにあると思いますが、今日私も色々な人々との縁に出会い、親しい皆さんや家族に支えられてここに立つことができました。
 ゲストの方々からの挨拶がすんだところで、オリジナル版のキム・ジョングォン監督から寄せられたメールが紹介された。「アンニョハセヨ、東京で拝見させていただき、もう一つの『リメンバー・ミー』が生まれたことに、感謝感激です。素晴らしい映画でした」。この他、舞台に立ったゲストの方々へも一言づつ語りかけるメールの内容に、ゲストの皆さんも感激だ。
 さて、この作品は古い無線機の交信で、79年と現代とが結ばれるファンタスティックな物語。もし、実際にそんなことができるとしたら、誰と話してみたいだろう?ゲストの皆さんは、「織田信長。発想が新しく面白い」(山川監督)、「邪馬台国の卑弥呼。私は奈良出身なんですけど、この前佐賀出身の人と話していて、邪馬台国がどっちにあったのか結論が出なかったんで(笑)」(吹石監督)、「『ドラゴン怒りの鉄拳』の頃のブルース・リー。ジークンドーをやりたいと思っているんで、ポイントを教えてもらいたい」、「オードリー・ヘップバーン。時代の流行を作った彼女が、どんな風に仕事をしていたか聞いてみたいです」(武藤さん)とのことだ。読者の皆さんは、いかがですか。
 舞台挨拶の最後は、ヒロインと監督による作品のアピールでしめられた。「これからも沢山の人に観ていただきたいと思いますので、帰ったらお友達、ご兄弟、ご家族、お知りあい、いっぱいの方に宣伝宜しくお願いします」(吹石さん)、「いいたいことは同じなのですが、何を感じたかを伝えていただければと思います。人と人との気持ちの繋がり方みたいなことを描いたつもりです。宜しくお願いします」(山川監督)。

 なお、『時の香り〜リメンバー・ミー〜』はシネ・ラ・セットにて、レイト・ロードショー公開中。また12月中の金曜日には、監督・出演者らによるトーク・イベントも開催される。詳細は、下記リンクのイベントのお知らせをご参照ください。

執筆者

宮田晴夫

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製作発表記者会見
『時の香り〜リメンバー・ミー〜』イベントのお知らせ