あの、『DOA』が帰ってきた。“日本一忙しい映画監督”とVシネ…という表現はもう不要な二台巨頭がガッチリとタッグを組み、1作ごとに観客の予想を覆し続けてきたシリーズ最新&最終作は、物語は完全なSF仕立て。おまけに、オール香港ロケのワイヤー・アクション全開と来た上に、これまたある者は狂喜させまたある者は茫然自失に陥らせること必至な怒涛のラストが待っているのだ。
 来年の正月第2弾の公開となる『DEAD OR ALIVE FINAL/デッド・オア・アライブ ファイナル』のスペシャル・スクリーニングが、11月12日の夜渋谷シネ・アミューズにて開催され、当日は三池崇史監督を筆頭に、哀川翔さん、竹内力さん、そして香港から来日したシリーズ初のヒロインを演じたジョシー・ホーさんが登場し、上映前に舞台挨拶が行われた。











 「『DOA』はこれで終わります。」との三池崇史監督のシリーズ終了宣言からスタートした舞台挨拶。これまで予想もつかなかったパワーを持った映画として、様々な物議を巻き起こしたシリーズを終わらせる監督の今の心境は?「終わったか…って感じですが、またラストこれはねぇんじゃないかですが(笑)、これまで観て来てくれた人は認めてくれるだろうと。もし仮に初めて観る方がいたとしたら、どうだろう…。ただ、俺達はそんなことは知らねぇや、また次に行くぜ!ってことで、本当の意味で自分達でファイナル。また、ファイナル2ってのがあってもいいって気もするんですが(笑)、実際ファイナルのつもりです。」(三池監督)。終着点ではなく、まだまだ新しいことをやっていくための一つのケジメという、意欲を強烈に感じさせてくれる。なお、香港アクション・クルーによるアクション場面は、かなりの分量を撮ったのだが編集するとあっという間の印象で、あらためてクルーの凄さを実感したそうだ。
 「『1』で死にそうになり、『2』でかなりはしゃぎましたけど、今回はギリギリでした」と笑う哀川翔さん。今回の役柄は、2346年の横浜で独裁者に立ち向かう勢力と関わり合いを持った謎の放浪者・リョウ。中華街が発展しその全てを飲み込んだ未来の横浜という設定で香港ロケが行われたが、その感想はどうだったのだろうか。「土地柄というか空気がやはり香港だって感じ。また、アクションスタッフがかなり優秀、連日そことの戦いでした。なんとかやれたかと思いますが、やはり映画に対する熱がまだかなり熱いものがありましてね。そのへんを感じながら撮影が出来たと言うのは、ひじょうに嬉しいことでした」(哀川さん)。
 独裁者の腹心である警官ホンダを演じた竹内力さんも、その香港と日本でのアクションを巡る現状の開きを強く感じたそうだ。「一番感じたのは、アクション映画に関する部分で日本は遅れているなという気持ちは多かったですね。石原さんがああいったりしてますが、日本ではなかなか難しいと思いますがなんとか盛り上げていって欲しいと思います」(竹内さん)。作品に関しても、「前の作品を越えるものになった」と手応え満点の様子。
 地下抵抗勢力のリーダー、フォンの恋人役で、シリーズ初のヒロイン、ジュンを演じたのが、ジョシー・ホーさん。映画の中では、拳銃姿も決まったアクション・ヒロインを颯爽と演じていたが、素顔の御本人は一見ひじょうに華奢な印象でちょっとびっくり。「皆さん、こんばんわ。私はジョシーと申します。私は映画の女優です。どうぞ宜しくお願いします」と現在勉強中という日本語で挨拶したジョシーさん、初めての日本映画、そして初めてCGIを多用した作品ということで、判らない部分もあったが三池監督の教えでよくわかり、「楽しかったね」と感想を語った。
 最後は再び三池監督に戻って、作品に関してのメッセージで舞台挨拶を終えた。「CGIとかも使いますがやっぱり出てる人間っていいなぁという風に思ってもらえればと。子供が見る種類じゃないですが、子供が見て役者ってかっこいいなって映画になればと、作品のあそこがこうとか、ストーリーがこうとかじゃなくて、映画っていいよなと感じてもらえれば嬉しいなと思います」(三池監督)。

なお、『DEAD OR ALIVE FINAL/デッド・オア・アライブ ファイナル』は、渋谷シネ・アミューズにて2002年正月第2弾作品として、レイト・ロードショー!この世界観での二人の競演は、本当にこれが最後!ファンは瞠目して待て。

執筆者

宮田晴夫

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