ハード・コアバンド“RISING SUN”のヴォーカリストHIRO、HIP HOP界のカリスマZEBRAというストリート・シーンのビッグ2が、スクリーン上でガッチリとタッグを組み、艶かしい夜のTOKYOを舞台に、クールで過激な音楽と壮絶なバトルを描いた『TOKYO G.P.』が、8月18日よりレイト・ショー公開がスタートした。公開初日の渋谷シネ・パレスには、ストリート系の若者たちを多数含む観客が詰めかけ、立ち見もでる熱狂ブリ。そんな中で、本作に出演したHIRO、ZEBRAをはじめとする主要出演者と石井隆監督らによる舞台挨拶が行われた。







 これまでの作品とは、かなり毛色の異なる作品となった石井隆監督、「いつもいっしょにやっている役者さんをよばず、またミュージシャンとそのお仲間の方という役者を本業としている人が一人もいない中でやるという約束で始まった仕事ですが、こうやって出演者の皆さんを観て見ると凄いですよね。撮影中はあまり寝てなかったんでよく憶えてないけど、今こうして観るとよく僕は戦えたと思いますね」と会場を笑わせる。実際に作品を巡って、出演者と意見を戦わせたこともあったようだが、異色とは言えども夜間シーンの艶やかな美しさなど、石井監督らしさは健在だ。続いて映画初出演となった個性的な面々が、初出演の感想や苦労話などを披露。
 「メンバーがメンバーなだけに、いたずらを企んでやってしまったという感じ、スゲェ楽しかったです。現場は33時間連続撮影という日もあり、皆スゴイタフだった。俺は格闘技とか好きで、強い男に憧れますけど、映画の人たちは本当に凄く強かった」(HIROさん)
 「撮影中に、途中で風邪をひき熱を出してたのは大変でした。演技的には、掴めたかなと思ったら終わってしまった感じで、また機会があればやりたいと思います」(ZEBRAさん)
 「まさか役者というか演技をするとは思っていなかったのですが、音楽の世界も映画の世界も共通することがいっぱいあって、凄くいい経験になりました」(HARUさん)
 「周りが凄い男っぽい中、一人女の子で入らせていただきましたけど、みんな優しく仲良くできて楽しかったです」(梅原梨央さん)
 「最初はすごい緊張してたけど、この間作品を初めて観ていい作品ができたと思いました。ありがとうございました」(松井純さん)





 本作は元々HIROさんのバンド“RISING SUN”の同名曲『TOKYO G.P.』のプロモーション・ビデオとして企画がスタートし、それが中篇映画へと発展していったもの。「俺のアルバムの曲に、ZEBRAがフューチャーリングで参加した曲のPVを創ろうかという話しの中で、彼が芝居ものをやりたいということで、俺がストーリーを考え…ってことからドンドン話しが大きくなって、石井監督が登場。一度怒られて、帰られたこともありましたが、無事に終わりました(苦笑)。これって、音楽ありきの映画なんで、PV延長のショート・ムービーが、ここから始まればいいな」と語ったHIROさん、観客が話しに聞き入っていると「俺、静かなのダメなんだよね。Yo〜、Yo〜」とすかさず客席に掛け声をかけ、場内を盛り上げる。その勢いは、場内のPAを壊すほど!?因みにHIROさんがあげる作品の見所の一つは、ズバリ“隠れキャラ”。意外な役どころで出演している豪華なカメオ陣にも注目だ。一度で気づかなかったら、二度・三度とチャレンジしてみよう。
 「HIRO主導で動いていたから、チョイ役くらいかと思っていて、ギリギリに脚本を読んだら、台詞が多くてビビッた」というZEBRAさんも、「俺的にも、この作品はドンパチ感覚なんで、シーンとかして観るよりも、Ulo〜とか言って、勢いで観て欲しいと思います、そういう感じで」と、ライブ感覚溢れる作品の楽しみ方強くをアピールした。

 なお、『TOKYO G.P.』は、渋谷シネ・パレスにて絶賛レイト・ロードショー中。

執筆者

宮田晴夫

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