「レースは人生そのものだよ。スピードはもちろん、この上なくセクシーなこと」。S・スタローン主演「ドリヴン」の1万人スペシャル・プレビューが6日、東京・代々木体育館で行われた。コメントは試写会舞台挨拶での一幕。1万人の観客がスタジアムを埋め尽くす様は圧巻だが、同作のキャンペーンも総額1億円とまた圧巻。同日夕刻には渋谷の公道でカーチェイス(映画の撮影で使われたCARTマシーンをアメリカから空輸!?)が繰り広げられ、アドレナミン噴出のさなかにスタローン、キップ・パルデュー、ティル・シュワイガーが登場した。MAXからの花束贈呈の折りには、詰め寄るファンに握手の大サービスも。興奮が会場にも持ちこまれ、「キップ、キッープ!」の大声援が飛び交った。もちろん、「スタローン!」との声援も少し。






「2人のハンサムな俳優を連れて来れて嬉しいよ」。今回が5年ぶりの来日となるスタローンは、映画同様、キップとティルを見守りながらも堂々たる落ち着きを感じさせる。既にファンクラブも結成されたキップ・パルデューは猛暑より熱いキップコールを一身に受け、「日本のファンがこんなにも映画好きだって知ってびっくり。映画の関係者として嬉しいことだね」と答えた。
 さて、「ドリヴン」での役どころは天才レーサーにキップ、彼を導く元レーサーにスタローン、そしてキップの最大のライバルがティル・シュワイガーだ。映画監督でもあるティルは興味深い解釈をしている。「この映画に悪役は1人も出てこないんだ。だから、ファミリー映画としても十分、楽しめると思う」。
  彼らいわく、3人が3人とも素晴らしい演技をした「ドリヴン」。製作・脚本も手がけたスタローンは「この映画には今までやられたことのないカーレースのシーンがある。けれど、同時にロマンスにも注目して欲しいんだ。ギリギリのところで生きている、そんな若い男女が出てくるんだ」と語った。

執筆者

寺島まりこ