全世界で15億ドル以上を稼いだ恐竜たちが帰ってくる!!スピルバーグ製作、ジョー・ジョンストン監督「ジュラシック・パークIII」の主演はシリーズ1作目でお馴染みのサム・ニール。7月26日には公開5日間で100億円の全米記録をひっさげて、満面の笑みで帝国ホテルに登場。ウィットに富む、とは少々使い古された言い回しになってしまうが、機転の利いた会話に知的な人柄がよく伺える。「『ジュラシック・パーク』は言ってみればモンスタームービーだよね。日本映画の得意とする、ね。つまり、これは日本映画へのオマージュなんじゃないかなぁ(笑)」。

※「ジュラシック・パークIII」は8月4日から日劇ほか全国東宝洋画系でロードショー!!





ーーシリーズ1作目に続くグラント博士ですが、同じ役を演じるのは初めてだそうですが。出演の決め手は?
 俳優というのは誰であれ、自分に正直であろうとすると、映画を撮った後に”ああすればよかった、こうすれば良かった”というのが必ずあるものなんだよ(笑)。よりベターな演技をするチャンス、シリーズ化というのはそうそうないからね。とはいえ、日本の寅さんシリーズのように60回も続けて演じることができるか、どうかはわからないけど(笑)。
 3作目の話があったのは撮影の1年前で、脚本も決まってなくて言ってみれば僕が一番乗りのような状態だった。頼んだのは前よりタフで、興味深い男にしてくれってこと。どちらにしてもスピルバーグ(IIIは製作総指揮を担当)のような監督から2度目のオファーを受けることは名誉なことだからね。

ーー1作目のスピルバーグ監督と今回のジョー・ジョンストン監督と、俳優として仕事しやすかったのはどちらでしょう?
 ・・・(笑)。2人とも友人だし、その質問にはどうも甲乙つけがたい。仕事の進め方はスピルバーグはいつも忙しく動いていて、ジョンストンは禅の僧侶のような感じ。こう比較するとわかりやすいかな。

ーーグラント博士のモデルは恐竜博士のジャック・ホナー。本作でもアドバイザーを務めていますが。
  グランドのキャラクターは確かに彼に追うところが多い。ジャックはあんなに気難しい男じゃないけどね(笑)。僕としては彼の写真をなるべく外に出さないようにして欲しいと言っている。というのも(笑)、彼のほうがずっとハンサムなんだよ。






ーー「オーメン」から「ピアノレッスン」までジャンルの違うさまざまな作品に出ています。作品選びの基準は?
 計画性を持っていろんな映画に挑戦しているんだと、言いたいところだけど(笑)。実はまったくそんなことはなくて、いつも混乱の中で決まっていく(笑)。ただ、ひとつ言えることはキャリアにプラスになるからという選び方だけはしない。そのために僕のキャリアはいつも順調というわけにはいかないんだけど(笑)。それにしても、「オーメン」とは忘れたい映画だね(笑)。今になって言われるなんて!!”666”が頭の中からやっと消え始めたっていうのに(笑)。

ーー遺伝子で恐竜が生まれる時代はともあれ、現況の科学の発展についてどう考えてますか?
 科学は何を目指しているのか?僕は疑問を感じるんだよ。先端の研究は企業間の競争にあり、
技術が完成するまで表沙汰にはならないだろう。ある朝、クローン羊ができたと言われても、その研究をしてたって情報は我々のもとには届かない。実際のところ、研究室で何が行われてるかは僕らにはわからないんだよ。
 「クローン羊は必要か?」、この問いかけにはニュージーランド人の僕だったら、ノーと答えるだろうね。だってニュージーランドには8000万頭もの羊がいるんだから(笑)。

ーー今夏は「A.I」、「猿の惑星」と大作がぞろぞろ公開されます。他作品打倒への意気込みをお聞かせください。
 ここは外交的な発言が必要なんじゃないかな(笑)。特に「A.I」についてはスピルバーグ監督なので、滅多なことは言えないよ(笑)。だけど、そうだな・・・、恐竜が全てを食い尽くすことを望みます(笑)。

執筆者

寺島まりこ