2001年7月21日(土)、アニメーション映画『アリーテ姫』がいよいよ公開された。主人公のアリーテ姫の心の動きを丹念に描き、質の高い大人のアニメーション映画となっている本作。恵比寿の東京都写真美術館にて、その初日舞台挨拶が行われた。当日は場内での立ち見も出て、まずまずのスタートとなったようである。「一般公開されるまでは映画は完成ではない」という信念の為、未だにスタッフとの打ち上げをやっていないという監督。これで晴れてお祝いができることだろう。またこの日、飛び入りゲストも壇上に上がり、ファンの方々へのいいプレゼントになったようだ。








2001年7月21日土曜日、恵比寿の東京都写真美術館にてアニメーション映画『アリーテ姫』の公開がスタートし、その初日舞台挨拶が行われた。当日は場内で立ち見もできるほどで、まずまずのスタートと言えよう。ゲストの方々も初回を観ていたようで、観客の方々と同じ気持ちを共有していたようだ。壇上に上がったのはアリーテ姫の声優・桑島法子さんと片渕須直監督。桑島さんは何やらアリーテ姫の人形を抱えての登場であった。
桑島「完成した作品を観るのは2回目です。何度観ても心にグッと来ますね」
片渕監督「はじめた時はプロデューサーと二人だけだったんですよ。だから自分達で上映してくれる所を探そうか?なんて言ってたんです。それがこんな立派な所で上映させて頂いて、お客さんにもこんなに入ってもらって。まぁ、まだ結果は出ていませんが。観た方々がこの映画を自分のものにできたら、こっちのものだと思っています」
最初の挨拶が済むと、桑島さんの抱いているアリーテ姫人形に注目がいく。
桑島「これ、監督の奥さん作られたんです。大きさの違うやつを三つ」
片渕監督「実はスタッフロールに作画補佐として彼女の名があります。旧姓ですけど。そういう意味では彼女にとって、僕(監督)の映画というより、自分の映画でもあるわけです。その記念にということでしょうね」
見事にアリーテ姫を演じた桑島さん。監督によれば、最初声のイメージが違ったそうで、オーディションを三回もやったとか。でもある時、アリーテ姫はすぐそこにいた、と気付いたそうです。自分が気付かなかっただけなんだ、と後で思ったそうです。
また、本編は去年の10月には完成していたそうですが、スタッフとの打ち上げはやっていないそうです。「観客の方々の心に届いて、やっと完成する」とは監督の言葉です。これでようやく打ち上げができますね、監督。
舞台挨拶の最後、なんと偶然劇場に来ていた、魔法使いボックス役の小山剛志氏が突然登場。壇上に上がりました。
小山「僕も今日観るので2回目なんです。1回目の時はもう、恥ずかしさが一杯でちゃんと観れませんでした。でも今日観て、ああ出て良かったな・・・と思いました」

本編は東京都写真美術館、シネ・リーブル池袋にて絶賛公開中。2001年7月下旬より、大坂シネ・リーブル梅田での公開も決まっています。

執筆者

永見 憲宏