“これって私のこと!?”。全世界500万人女性の共感を呼んだ「ブリジッド・ジョーンズの日記」が遂に映画化。ブリジッドを演じるのは最近、「ふたりの男とひとりの女」、「ベティ・サイズモア」などで活躍めざましいレニー・ゼルウィガーだ。16日には彼女とプロデューサーのエリック・フェルナーが来日、帝国ホテルで記者会見を行った。ブリジッドで6キロ増量したはずのレニーはすっきり痩せて(というか、もとに戻って)皆の前に登場。クシャクシャした感じがなんともカワイイ女優さんは舌たらずな声でべらべらとまくし立て、会見中にスターらしからぬ笑い声を挙げる。国籍は違えど(原作はイギリス、彼女はアメリカ人)やっぱり、ブリジッドのはまり役だった!?






——ベストセラーの映画化となるとプレッシャーは相当なものだったと思うのですが。
エリック・フェルナー 小説の映画化はいつの場合も難しいよ(笑)。たった2時間の枠の中で収めなきゃならないんだから。本作の場合、意識の流れが文字になっているわけだから映像化はもっと難しい(笑)。ナレーションでこの映画のトーンを
レニー・ゼルウィガー 私の仕事は簡単だったわ(笑)。映画の話がある前からあの本が大好きだったから。でも、あれだけのベストセラーですからイメージを壊さないようにするには責任があったけど。

——ブリジッド役はイギリス人女優で探していたそうですが。
エリック そうなんだ。ブリジッドを惑わす浮気男にはヒュー・グラント、堅物弁護士にはコリン・ファース、主演の3人にはステレオタイプじゃない英国人俳優を使いたかったんだ。ある時、レニーと会う機会があったんだけど、彼女はテキサス娘だし、この役は出来ないだろうと思っていた。ところが、実際に会ってみて本当に驚いたね。アクセント以外はブリジッドそのものだったんだよ。

——原作のどういうところが好きですか。
レニー ブリジッドはいわゆるビューティフル・パーソン(心のいい人間)よ。欠点と闘おうという姿勢は万国共通で、女性のみならず男の人にも受け入れられると思うわ。この物語は自分自身を受け入れる旅、周囲がどうこう言おうとも自分にとっての幸福を求める女性の話なの。

——ブリジッド・ジョーンズと似ている面、似ていない面を教えてください。
レニー 自分の生き方を自分で探すところは似ているわ。女性にありがちな儀式めいた行動も似てる(笑)。でも、私は彼女ほど自分に対して批判的ではないかも。それに、恋愛に対し彼女ほど価値をおいていないと思うわ。







——この映画のために6キロも太ったそうですね。
レニー 毎日ミルクシェーキとチョコレートバーを食べなきゃなんないの、楽しかったわ(笑)。というのは冗談でこれは仕事の一部だったから。楽しいとか大変だとか、余り考えなかった。うーんと、でもね、朝3時から撮影して3000カロリーの朝食を摂って、その後にミルクシェークを飲むのは…少し大変だったかも(笑)。こういう生活が9ヶ月も続いたのだから太るわよね、当然。

——役作りのために出版社で働いたそうですが。
レニー ええ(笑)。すっごく楽しかった。私はコーヒーを入れるのも上手かったしね(笑)。OLって楽しい仕事ね。またやりたいくらい。ヘマすることが多いので余り大きな仕事は出来ないと思うけど(笑)。
エリック 普通のOLと違うのは彼女の給料が殆どケーキ代に消えていたこと。休憩時になるとケーキを買ってきて食べてたんだよ。もちろん、太るためにね(笑)。

——共演したヒュー・グラントとコリン・ファース、どちらがタイプですか?
レニー ……(笑)。そんなこと言えないわよ。どちらが、といっても毎日の気分で変わっちゃうし。でも、2人とも素晴らしい俳優でね、撮影が終わったとき、アメリカに連れて帰りたかったくらい(笑)。
エリック 実はこれ、余談になるんだけどヒュー・グラントは最後まで出演を渋っていたんだ。説得して説得して、やっと承諾してくれた次の日、彼から電話が掛かってきた。断られるのかな、と思ったらヒューは自分の役についてこう言ったんだ。“僕はこんな男知らないんだ。周りにも誰もいやしないよ”。僕は答えてやったよ。“何言ってるんだよ、鏡を見てご覧。君そのものじゃないか”ってね(笑)。

執筆者

寺島まりこ