2001年6月30日の(土)、新宿シネマ・カリテにて、『ジャニスのOL日記』の初日公開イベントとして、ミュージシャンのサエキけんぞう氏とモデルの鮎川陽子さんによるトークショーが行われた。お二人ともかなりこの映画がお気に入りのようで、愛着のこもったトークが展開した。派遣OLの悪戦苦闘の日々を綴ったこの作品、ロンドンを舞台にしてはいるが、かなり日本と共通した部分があるようで、なかなか興味深いものになっています。お二人のトークでも「日本と同じじゃん」と何度も話題にのぼりました。サエキ氏曰く、「男から観たら怖い映画」だそうです。現在絶賛公開中であります。







新宿シネマ・カリテにて行われた、『ジャニスのOL日記』の初日公開イベント。ミュージシャンのサエキけんぞう氏とモデルの鮎川陽子さんによるトークショー。お二人とも作品は半年くらい前に試写でご覧になられているとか。ちゃんと公開してくれるかどうか心配だったとは、サエキ氏の弁。

サエキ「これを観るとね、ジャニス病にやられるんですよ。実は僕先週間違えてこの劇場に来ちゃったんです。まるでジャニスのようなボケぶり。情けなくてマネージャーにも言ってなかったんです」とさっそくそのはまりっぷりを披露してくれたサエキ氏。
サエキ「この映画の主人公ジャニス・ベアード役をやったアイリーン・ウォルシュがね、もうジャニスそのものらしいんんですよ。オーディションに一時間遅刻して、その言い訳で『今地下鉄で大爆発が起きたんです』なんて言ったり、脚本を読んできていなかったりと。普通そんな事したら落ちると思うでしょ?でも後日、合格の知らせがきたんだって。スタッフみんなが認めるそうです、恐ろしいほどに彼女はジャニス・ベアードだと」
そのジャニス役アイリーン・ウォルシュが誰に似ているかという話題で、
サエキ「僕はオースティン・パワーズの主人公、マイク・マイヤーズに似ていると思うけど」
鮎川「私はトッポ・ジージョに似ていると思う」
サエキ「ヨーロッパの香りのする下膨れ、て感じだね」
この物語は派遣社員の物語で、そこら辺もかなり物語のポイントになっているとか。社員食堂なども使えない、社員であって社員ではないという立場が。
サエキ「女のドロドロの世界だよね。なんか日本と変わらないんだよね、そういうところ。むこうにも給湯室があって、お茶酌みをさせられているとは思わなかった」
鮎川「そうだよねー。なんかロンドンっていうとパンクのイメージがあるんだけど、この映画、普通の人の生活が見られて面白かった」






サエキ「驚いたのが昔エイスワンダーてバンドで、ヴォーカルやってたりしたパッツィ・ケンジット(『ビギナーズ』『リーサル・ウェポン2』)がお局様役やってること。アイドルだったんだよ、おの人。まぁ今でもそうだけど」
鮎川「ああ、あのセクシーねーちゃん?」
サエキ「うん。あのパッツィですらお局様をやって、しかもはまっている!」
サエキ氏によると小道具の使い方も上手いとか。
サエキ「二人の初めてのデートでバーに行くじゃない。そこでジャニスが相手にアマレットを注文させるんだけど、男は怒るんだよね」
鮎川「あそこ、よーわからんかった」
サエキ「アマレットってすごく甘いお酒なのね。アイリッシュ・ウィスキーをガンガン飲んでいる人は頼まないような。ああいうバーでそれを注文する人がいるというのがおかしいの。だからカウンターで注文するとみんな騒いでいたでしょ。おい、アマレット、アマレットだ!そんなのあったか?と」
鮎川「あ、なるほど。そういう意味やったんや」
サエキ「この映画、男と女とで見方が違うだろうね。それにしても男にとっては怖い映画だったなぁ」
鮎川「え、どうして?」
$blueサエキ$「そう思わない!?それが怖いな。僕は思ったね、こういう映画が出てきたかと。本当の女性映画だね。今まで映画を完成させてきたのって大抵男だったから、男にとって怖い映画って無かったんだよね。あーいう結末は今まで無かった」
鮎川「ラストはびっくりしたぁ。でもハッピーエンドだよね」
サエキ「それは女の人だからそう思うんだよ。ここまで女の完全勝利の映画はなかったもの」
この映画は女性監督のせいか、低予算で大変だったとか。でもそう思わせない、ゆったりとした作品になっているとか。

ちなみにこの作品、アメリカではTVシリーズの予定があるとか。また、余談ではあるが監督のクレア・キルナーはサエキ氏曰く、かなりカワイイとのことです。

執筆者

永見 憲宏

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