ハングル&ジャパニーズの言葉が全く通じないカップルを中心に、怪しすぎる登場人物たちが繰り広げる50,000,000の大金を巡っての疾走のドラマの果てに待つもの…それは、愛と金、そして人生のセオリー!?映画・TVそしてVシネの二大巨星として君臨する哀川翔さん自身による渾身の企画を、瀬々敬久監督が、『シュリ』で日本でも人気爆発のキム・ユンジンさんをヒロインに抜擢、隅々まで個性的な役者を集めて撮った『RUSH!』はゴキゲンなクライム・アクション・コメディだ。6月23日から公開となったこの作品の初日舞台挨拶が渋谷のシネ・アミューズにて開催され、総勢7名のスタッフ・キャストが出席、立ち見が出るなど熱気溢れる場内で作品に関して語ってくれた。




 この日の舞台挨拶出席者は、瀬々敬久監督、はるばる韓国から会場にかけつけたこの作品のヒロイン、キム・ユンジンさん、同じくはるばる香港から駆けつけた(笑)プロデュース兼主演の哀川翔さん、哀川さんの昔からの盟友でもあり、サラリーマン島崎役を演じた柳葉俊郎さん、CMでお茶の間では既に御馴染みで、実は作品のキーパーソンともいえる元レスラー役のハニホー・ヘニハーさん、そして本作の主題歌『Festa』を担当した歌手の川村結花さんという面々だ。
 あい川さんの企画として、昨年の春からスタートしたこの作品、自分の出番が無い日でも哀川さんは撮影現場いつも温かく見守っていたという。この話が監督から披露された後、哀川さんの印象を求められたキムさんは、「哀川さんが、自分の出番で無くとも撮影を見ていてくれたので、私に対して特別な感情があるのかと思ってたんですが、他の場面にも来てたんですね……ちょっとがっかりです(笑)」と場を沸かせる。キムさんは日本の撮影現場に関して、韓国映画に比べると撮影の進行がキビキビとして早いという感想を持ったそうだが、自分たちの提案も快くうけいれる瀬々監督の現場を楽しんだそうだ。
 また哀川さんも「昨年の1月に自分で書いたプロットを製作会社に提出し、その後会議が煮詰まってしまったところで、瀬々監督の「わかった」との声が上がった時に、後光が見えました(笑)」と、監督により映画が軌道に乗り始めた瞬間を思い出す。脚本は進み、キムさんからも好感触を感じたところでもう一人絶対口説きたかった男がいた。それが、かって一世風靡セピアのメンバー同士であった柳葉さんだった。哀川さんは、書きあがった台本を持って夜中の2時に柳葉さんの自宅を訪ねたという。「かっての僚友と以前とは違った土俵でしのぎをけずるというスリルと楽しみがあったね。お互いまるっきり性格が違うことは12年前から判っていたから、面白い戦いになるぞってね」と語った柳葉さん。久々のライバル対決の行方は…皆さんで劇場で確認して欲しい。




 映画はこれが初出演となるハニホー・ヘニハーさんは、「色々な意味で勉強になった。アクションや感動的なところそして人道的!?なところとか、出演者の皆が気持をこめて演じていたから自分でも感動しました。」と感想を語った。主題歌を担当した川村さんは、実は最初はもっとシリアスな曲を最初に作ったのだが、後から作った曲の方がより監督に気にいられそちらが流れることになったそうだ。「本編でしっかり流れていて嬉しかったです。この曲は、書き始めて5分くらいでぱっと出来ちゃったんです。いや、手抜きじゃなくてお迎えが来たように書けましたよ」と映画同様、ぶっとんだコメントをする川村さんであった。
 最後は監督による「ここにいる人だけではなくいない人も含めて、チャーミングで素敵な人たちがイキイキと集まって出来た奇跡的な映画です。二度・三度と観にきてください」という挨拶で舞台挨拶は締められ……るはずだったのだが、哀川さんが「危ない忘れるところだった」ともう一言追加。「香港に残してきた竹内力からのコメントがあったんだ。「これ観たらなぁ、10人には宣伝しろよ!」」劇場内は爆笑の渦につつまれ舞台挨拶は終了となった。
 なお、最後に舞台をひけた皆さんが語ってくれた一言づつを紹介しレポートを終わろう。テーマは映画と同様、「一攫千金を夢見て、何かをしたことはありますか?」。「ギャンブルは弱くて失敗ばかりです」(瀬々監督)、「私も賭け事は駄目なんで、実際映画みたいな状況になったらどうなるか、自分でも気になるところです」(キムさん)、「常に狙ってるんですけどね。企画ごとに一攫千金を(笑)」(哀川さん)、「俺は競馬でも何でもかたいところからせめますから。強いて言えば、この映画に参加したことかな(笑)」(柳葉さん)、「ギャンブルは経験がないんで、そんな時はこの映画の自分を観て冷静に気をつけようと思います」(ハニホーさん)。皆さんは、どうですか?
 なお、『RUSH!』は、渋谷のシネ・アミューズにて猛ダッシュ・ロードショー中!

執筆者

宮田晴夫

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作品紹介
『RUSH!』完成披露試写会レポート