『リザ』ピエール・グランプラ監督、主演俳優ブノワ・マジメルティーチイン ジャンヌ・モローを抱きしめるって一体どんな気持ちだ!?
毎年6月に横浜で最新フランス映画の上映が行われるフランス映画祭横浜2001でジャンヌ・モロー、ノワ・マジメル共演の『リザ』が上映され、主演のブノワ・マジメル、ピエール・グランプラ監督が舞台に立った。
上映後のティーチインでは、来日予定だったジャンヌ・モローとの共演や撮影中のエピソードなどを披露、会場の観客には楽しい話ばかり。
「スクリプトを読んだマジメルは言ったよ。“この腕にジャンヌ・モローを抱きしめられるなんて”(笑)」。戦時中のラブストーリーが交錯する「リザ」上映後のティーチインでピエール・グランプラ監督はとっておき話を披露してくれた。今回の映画祭で3本の出演作品(「王は踊る」、「マチューの受難」)が控えるブノワ・マジメルだが、本作は映画監督に挑戦、老境に達したリザ(ジャンヌ・モロー)とともに自分探しの旅に出る。実際のところ、監督業に興味がないこともないというマジメルだが「友情というテーマに惹かれるけれど、自分が演出するようなことは多分ずっと先になると思う」と言う。
モローとの共演には「巨大な幸福を感じた」とまで言ってのけたマジメル。これを受けた監督は「ジャンヌ・モローとマジメルは微妙な雰囲気を出してくれた。人と人とが出会ったときに生じる愛情がこの2人のシーンから伝わってくる。この場を借りて2人にはお礼を言いたい」と語る。観客の盛大な拍手に終始ご機嫌だったグランプラ監督。去り際に「サヨナラはフランス語で“オウヴォワール”と言いますね。一緒にどうぞ!!“オウヴォワール”」と客席に呼びかける場面も。マジメルが「監督といると僕の出る幕がなくなってしまう。言いたかったことを先に全部言っちゃうんだから。議論の余地はないんですよ(笑)」とちょっぴり拗ねた気持ちもわからないでもない。
執筆者
寺島まりこ