渋谷シネパレスで大ヒット上映中の竹中直人作品「連弾」。去る14日には初日に続き竹中監督×天海祐希スペシャルトークショーを開催。が、初日同様、監督は欠席で代理に現れたのが「〜らしいよ」を連呼する婆里彦一。いわく竹中直人のことならなんでもござれの背広屋兼ミニコミ雑誌編集人兼喫茶しゃれこうべオーナーとか。偶然にも初日に代理を務めたボン鹿家と同じ、かつては高円寺に住み、現在は西国分寺に住む婆里氏。「監督に恋心を感じたことは?」と聞かれた天海の「ございません」の答えには、他人事ながらショックを受けるほどまでに、監督思いのお方なのでした。






トークショーの進行は軽やかでよく通る声の持ち主、ビシバシステムのプルトニウム住田が担当。「ほんとうは監督の竹中直人さんをお呼びしたかったんですが…」となんともわざとらしい前振りで、直人研究家と名高い(らしい)婆里彦一を舞台に招聘。天海祐希を見て「キレイだねぇ、スケール感のある女優だよねぇ」とボン鹿家と全くおんなじコメントを残すのでした。
 “おしゃれなプチ・ミュージカル”(婆里氏・談)「連弾」には竹中直人作詩・作曲の音楽がてんこ盛り。監督が突然歌い出し、キャストに“これを歌ってもらいたい”と言ったとか。「取り合いでしたね。私は及川君と取り合って、好きな曲を歌うことができたんです」と誇らしげに語るのは天海祐希。
婆里彦一はさすがに竹中事情に詳しく、「彼はいろいろ細かいよ、写真立てとか誰も見てないようなところも気にしてたらしいよ」。「台本もらった時に古い日本家屋という設定だったらしいけど、彼は和洋折衷の洋館にしたかったらしいよ」。「海の近くの古い洋館で撮影したかったらしいよ」。「場所は葉山にしたかったらしいけどないだろうと言ってたらしいけど、あったらしいよ」。これを聞いた住田、「らしいよ、ってそれは婆里さんの喋り方ですか。流行りの癒し系っぽいですねぇ」と感心。
リピーターの多かったこの日の客層。会場から挙がった“ラストで家族は元に戻ったのか”の質問に天海祐希は「観客の皆さんに考えていただくことです」とキッパリ。だが、部外者の婆里ときたら、「竹中君が言ってたけどバラバラだって。そういうことらしいよ。みんな、個人個人だってことで撮ってたらしいよ」と嘘かまことか、漏らしてしまうのでした。

執筆者

寺島まりこ

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作品紹介
公開初日舞台挨拶の模様