タイ王国で「タイタニック」を超える大ヒットとなった「ナンナーク」が5月下旬、シネ・リーブル池袋ほかにて全国ロードショーになる。同作品は愛のため、死者の国から蘇ったナーク夫人の物語。ファンタジックなラブストーリーだが、本国では知らない者はない“ほんとにあった怖い話(!?)”らしい。これまで幾度も映画化、舞台化されてきた本ストーリーを“タイのスピルバーグ”の異名を持つノンスィー・ニミブット監督が再映像化、タイに根付いたゴースト・ストーリーをロマンティックに脚色。「一番いい映画を作ろう、撮ろうと皆で頑張った作品」とはニミブット監督の談である。ナークを演じたインティラー・ジャルンプラともども舞台挨拶にたった徳間ホールでの披露試写会を一部中継しよう。




「ナンナーク」の舞台は400年前のタイ。当時の様式や衣裳、人々の習慣が忠実に再現されている。第44回アジア太平洋映画祭ではグランプリを受賞し、「タイタニック」の記録を抜きタイ映画史上№1ヒットとなった本作。「何度も映画化されてきた作品だけどホラーとして描かれていて、私としては満足できない感じがあった。2人の真実の愛に焦点を当ててみたかったんだ」(ニミブット監督)。
3000人以上の候補からヒロインに抜擢されたインティラー・ジャルンブラは「何故、私が選ばれのたか、よくわからなかった(笑)。ナーク夫人の映画は観たことがあったけれど、髪が長くて私とは全く似ていなかったし…」と言う。確かに劇中のインティラーは俗に言う刈り上げ。もっと古い言い方をするとモンチッチみたいである。舞台挨拶に立つ今のインティラーの方が日本人受けはいいかもしれない。とはいえ、ナークのピュアな眼差しはやはり美しかったのだが。
「ナンナーク」はニミブット作品の日本初公開作品。ここ半年強でタイ映画公開も目立つようになった。現在次作を撮影中という監督、「新作も日本で公開できることを願います」と締めくくってくれた。

執筆者

寺島まりこ

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