日本映画黄金期に松竹、日活、東宝、大映と渡り歩き、45年という短い生涯に51作品を残した川島雄三監督。
異才といわれ、「日本軽佻派」を自称し、高い評価を得た作品も多い。
今回、上映できる可能な作品に、ニュープリント作品を加え40作品が上映されることになった。
川島雄三監督とは・・・どんな人物だったのだろうか・・・。



映画ファンの中には、名前を知っている人も著名な作品をあげると57年の『幕末太陽伝』(日活)や若尾文子を有名にした『女は二度生まれる』『雁の寺』(共に大映)などがある。
すべて晩年に近い作品であり、原点は東宝や日活、大映ではなく、松竹時代にさかのぼる。
1918年に青森に生まれ、中学時代に映画に夢中になり、明治大学文学部に進学、映画研究部に所属。
1938年、卒業と同時に、松竹大船撮影所の助監督採用試験合格し吉村公三郎、小津安二郎、木下恵介らに従事する。
44年に初監督作品『還って来た男』でデビュー、30本近い作品を撮る。1954年に日活に移籍。『洲崎パラダイス 赤信号』『幕末大陽伝』などの名作を撮る。このときまでの川島監督下にいた助監督に、西河克己や野村芳太郎、今村昌平などがいた。
上映される作品のうち、13作品のプリントはファンクラブ「カワシマクラブ」が彼らの会費で作成されたニュープリントです。製作当時は、フィルムはすべて(1950年以前)可燃性フィルムであり、法律によって廃棄しなければならない状態で、ネガが現存しておらず、今回は残っている16ミリポジフィルムから新たにプリントを製作しています。
上映機会の少ない日本映画黄金期の川島雄三の世界をこの機会に見ることができることは、チャンスだと思う。
公開は、4月14日から5月11日まで千石駅前の三百人劇場にて公開されます。
期間中、下記のイベントも開催されます。

■イベント
4月22日(日)シンポジウム<川島雄三の仕事>
出演:西河克巳(監督)、高村倉太郎(撮影)、岡崎宏三(撮影)、橋本文雄(録音)
司会:山根貞男

4月29日(祝)
対談 三橋達也(俳優)
聞き手:篠崎誠(『忘れられない人々』監督)

■前売券発売中!
期間中フリーパス(限定品)25.000円
※フリーパスは劇場のみ(記名・顔写真3cm×4cm必須)
1回券1.200円/5回券5.000円/10回券9.000円
当日料金 一般・学生1.400円/小中高・シニア1.000円/当日5回券6.000円/当日10回券10.000円

執筆者

YASUHIRO TOGAWA

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