ベルリン映画祭コンペ部門に出品し、喝采を浴びた利重剛監督の「クロエ」。映画祭閉幕から4日、興奮さめやらない利重組ご一行が22日、日本での披露試写に及んで舞台挨拶を行いました。ボリス・ヴィアンの「日々の泡」に触発された本編は主演に永瀬正敏、ともさかりえ、脇を固めるのが塚本晋也に松田美由紀。「大好きな人ばかりを集めて撮りました。生きてる実感をかみしめる現場でしたよ」と監督が言えば、タイトルロールを演じたともさかりえは「もう、毎日がシアワセでシアワセでシアワセで<<<・・・(撮影が)ずっと続けばいいと思いました」。なお、同作は仙頭武則プロデュース“J・WORKS”の第3弾。「EUREKA」、「火垂」に続く国際映画祭出品で幸先の良いスタートとなりました。






「ボリス・ヴィアンは高校生の時に初めて読んで。大好きな小説なんですけど、映画にするなんて考えたことなかったんです」(利重監督)。クロエ役のともさかさんに声がかかったのは昨年の夏。”ともさか、大人になったよな”がその際の前口上だったらしく・・・。「監督とは私が高校生の時に知り合いまして、”ともさかが大人になったら映画撮ろうな”って言われてたんですよ」(ともさか)。
 監督ともども、今回のベルリンに参加した永瀬さん。「ゾッとするような拍手とかね、ここに立っている皆さん全員と味わいたいぐらいでした」。観客1700人のなかには涙を流すドイツ人の姿もあったそうです。
 さて、本作には塚本晋也さんも参加。「自分で映画撮らないで、舞台挨拶にばっか立ってるっていうのも恥ずかしいよなぁ」。塚本さんの恋人役、松田美由紀さんのどセクシー衣装も本作のみどころのひとつで、「目のやり場に困って結局は見てしまう(笑)」(塚本)ほどの迫力だとか。当の松田さんは「すっごいシーンはたくさん撮影したんですよ。永瀬さんや、ともさかさんとのキスシーンも。でも、全部カットされて気を抜いたところばかりが使われてしまったような(笑)」。
 日本発信、世界市場がモットーの<JーWORKS>。今回のベルリン映画祭でフランス公開も決定。
「ボリス・ヴィアンの国で配給が決まったのが何より嬉しい。日本の方は・・・それが一番難しいんですが(笑)、今秋には公開できるように頑張りたいですね」。仙頭武則プロデューサーがこう締めてくれました。

 

執筆者

寺島まりこ

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