ここ最近は『うずまき』『アナザヘブン』などで活躍しホラー映画に欠かせぬ存在の佐伯日菜子と、『萌の朱雀』『ユリイカ』で注目の尾野真千子。彼女らの最新作『ギプス』が本日シネマ・下北沢で公開された。『月光の囁き』『どこまでもいこう』が大評判の塩田明彦監督と共に壇上に登場し、その舞台挨拶も行われた。
極秘オーディションの発表もあるという事で、何やら謎めいた空気が感じられる。
集まった観客の静かな熱気が伝わるシネマ・下北沢、果たして何が行われるのか?




本編上映前に行われた舞台挨拶。
そこで明かされた謎のオークションの真相は、なんと映画の中で佐伯日菜子さんと尾野真千子さんが使用したギプスの競売であった。う〜ん、ファンには堪らないのではないだろうか。興味のある方は3/15までに劇場へ。さぁ急げ、日にちはないぞ!

——お二人が今回のギプスを付けての撮影で、苦労など何かありましたらお願いします。
佐伯  ギプスを付けると非常に動きが制限されて大変でした。ただでさえ芝居をしなければいけない、松葉杖をしなければならない、他にも練習をしなければならないと、不器用な私は本当に苦労しました。ところが、そんな風に肉体的には大変でしたが、非常に楽しい現場でもあり、毎日毎日現場にいくのが楽しみでしょうがなかったです。こういう現場に出会えた事は有難いなぁと思いました。
(塩田監督、照れていました)
尾野  私は撮影中に佐伯さんに二度惚れました。チュッてするところと、ギプスをはめてそれでもまた綺麗、といったところに惚れてしまったのです。もう、映画にはまってしまったなぁという感じです。

——では、そういう魅力的な女性二人に囲まれての撮影はどうでしたか、監督?  
塩田監督  もうここは天国かと思ったりして・・・なんてね。でもつくづく僕はキャスト運に恵まれているなと思いましたね。しかし二人の国際女優をギプスはめて何やってんだか(笑)。まぁ、そういうほのかに漂う俗っぽさなど、感じてもらえれば幸いかと。美女二人のギプス姿を楽しんで頂けたらとね。



——監督がキャスティングされたんですか、お二人を?
塩田監督  ええ、そうです。まず佐伯さんを想定して環という役をつくったんです。実際に会ってどこかこの世のものでない、独特な雰囲気の彼女を、ホラーとは違う日常の中に置いて、不思議な感じを出したいと思いまして。それからシナリオを書いて、和子というのができたんですど、和子もまた難しい役だなぁと思って、キャスティング難航しそうだな、と。その時に尾野さんが出ていたCMの記事を載せた雑誌を見て、それで会ってみたんですね。
尾野  そうだったんですか?へ〜、雑誌に載るのもいいもんですね(笑)。

——フェティシズムというのも色々あると思いますが、密かにそういうのはありますか?
佐伯  二の腕に感じますね。中学の時に見知らぬお兄ちゃんが、腕まくりしてバイクに乗ってたんです。その筋肉のラインが美しいと思いまして、それからそこを見るようになりましたね。
尾野  私はあまり考えた事ないんですけど、取り敢えず男の人の背中を見るとカッコイイ・・・と思う事ありますね。顔はどうでもいいんです。

——映画で使ったギプスを競売に掛けるという事ですが、そういう事に抵抗はありませんか?
佐伯  うーん、でも私もすごい映画ファンで、映画で使われてた小道具を見ると、もうドキドキするんですよ。この間もブラッド・ピットが「ファイト・クラブ」で使っていた衣裳が飾られていて、用も無いのに見に行っちゃいましたからね。

三人の和やかなトークから、佐伯さんの言う通り楽しい現場だった事が伺えました。ともあれ美女二人のギプス姿を堪能したい人は、まずは映画をご覧あれ。
             

執筆者

永見 憲宏

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