『<サド・マゾ>匂い立つ官能、新世紀エクスタシー』。ユーロスペースで行われている小沼勝監督特集も3週目。定番になった毎週土曜のトークショーで、本日壇上に上がったのは女優の風祭ゆき&日活ロマニストこと映画ライターの轟多起夫。会場の女性客の多さに驚きつつ、この後上映となった「妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…」の裏話やら小沼監督との思い出話に花が咲いた。




映画ライター(本人は日活ロマニストと言っていたが)の轟多起夫の司会でトークは進行。この後上映になる風祭ゆき主演「妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…」がまずはサカナに。
「クライマックスの大乱交シーン、ビデオではなんとなくカットされている所があるような気がします。映画で観た時は、もっとスペルマが飛び交って、それがこっちにまで来て、3D体験みたいだったなと。それこそ避けたくなるような(笑)」(轟さん)。
「確かにそんなシーン撮りましたよ。今日、確かめてみましょう(笑)」(風祭さん)。
往年のポルノ女優といえど、始まりはど素人。ことに性表現となると…。
小沼監督に「このシーン騎乗位で」と言われてもぴんと来ず、「騎乗位」と「生醤油」を勘違い。「『お醤油どうするんですか?』なんて聞いちゃったこともありますよ」(風祭さん)。役者泣かせと言われている小沼勝監督だが、”優しい方”という記憶が強いとのこと。「でも、この映画のクライマックスを見ると、相当な事をされていたなと思いますね」、すかさずツッコミを入れる轟さんなのだった。
 いかに男たちに組み敷かれようと、日活ロマンポルノは「最終的には女性が勝利する映画ですよね」(轟さん)。これには風祭さんも賛同。「日活ロマンポルノの底に流れているテーマですね。そういう意味では女性の映画です」(風祭さん)。そう考えるとロマンポルノが復活し、女性客が殺到する今日の姿は不思議でもなんでもない。、「本当に嬉しいです」、女性客の少なかった当時を思い起こしてか、彼女は今日の会場を見渡していた。

執筆者

永見 憲宏

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