本作は、1960年代のカンザスを舞台にした痛快ミステリーアクションドラマ。
日本人俳優DEAN FUJIOKA(ディーン・フジオカ)が、準レギュラーとして初の北米ドラマ出演を果たしています。

DEANが演じるのは、ケンジ・ハラダというサムライで、のちにピンカートン探偵社のメンバーに加わる役どころです。
初の北米ドラマ出演を果たした作品が、日本でDVDリリースされるにあたり改めてその胸中をかたりました。

$red Q:劇中で演じるキャラクターは? $

ケンジ・ハラダは、ある使命をもって、この奴隷制度がある時代にも関わらず北米にやってきた東洋人なんです。第4話ではサムライとして復讐を果たそうとするんですが、それ以降、ピンカートン探偵社の仲間たちと出逢い、変わっていくんです。彼らと過ごす中で緊張が解け、人間らしさが出ることで、サムライであれば絶対にしないようなことをしたり、自由でポジティブなキャラクターに成長していきます。
 実はもともと3〜4話の出演予定だったのが、第4話出演後、ありがたいことに出演話数が倍増したんです。そのお陰で、色々とキャラクターを肉付けできることができたのだと思います。
思い返すと、ケンジが探偵社の一員となって成長する姿は、僕自身が初めて北米ドラマのクルーの中で生活し、様々なことを吸収していく過程と、いい意味で重なってみえます。撮影開始当初は緊張の中で過ごしていましたが、徐々に慣れてくると、現場で冗談を言いながら過ごしたり、オフの日にはホームパーティしたり、リラックスして過ごせました。そういった中で生まれるケミストリーが、クルーの中でうまく回り、結果として作品にもプラスの方向で繋がっていったと思います。
このドラマでは、謎解きのスリリングさとは別に、この時代の中でケンジがいかにしてサバイブしたのか、彼の成長も楽しんで観ていただければより面白いと思います。





Q: 撮影秘話は?

このドラマの監督は、黒澤明監督の大ファンだということもあって、リスペクトをもって僕の意見を聞いてくれました。本来、役者は監督が決めた通りに演じるべきで、演出に対して意見するものではないと思っているのですが、北米とアジアのアクションは全く異なりますし、侍文化の中での刀の使い方ももちろん知らないということで、お互いのアイディアのいいところを合わせて創り上げました。
たとえば抜刀の際の所作には意味があって、刀に手をかけることが「抜いたら斬る」という第一弾のアラートを意味するので、そこのクローズアップ撮影を提案してみたりとか、逆に刀を収めることも侍の美学に基づいた所作なので、ただ抜くシーンだけではなくて、収めるところまで映像に使ってはどうか、など提案しました。

Q:いまの熱狂的な人気ぶりは、いかがですか?

今は素直に喜べています。以前、台湾で連続ドラマをに出演してた頃は、ファンからのリアクションに向き合えていなかったかもしれません。いまこのタイミングで肯定的なリアクションをもらえるのは、嬉しいですね。

Q:ポリシーはありますか?

自分の中で、コアな部分にあるのは、家庭です。自分がHOMEと呼べて、SOUL(魂)が落ち着けるFAMILYをつくり、維持することを、大切にしたいと思っています。家庭をしっかり維持することが、仕事にもつながるのではないでしょうか。

Q:今後の活動拠点は?

特に決めてはいません。僕が俳優としてスタートしたのは香港だったんですが、その頃から仕事があれば中華大陸やヨーロッパに行き来していました。僕の先輩や影響を受けた方々も拠点にこだわらない方が多かったので、それが当然だと思っているのですが、いま日本で仕事をする中で、特殊な働き方なんだなって気づきました。引き続き自分でルールを作らずにやっていきたいですね。

Q:今後の目標は?

もちろん俳優のお仕事は頑張りたいと思っていますが、自分がパッションをもって出来るあることがあれば、色々なことにチャレンジしてゆきたいですね。目標とする人物に、ボクシング選手のマニー・パッキャオがいます。とにかく超人的。彼の試合の日には、街から犯罪がなくなるっていうことが、すごいですよね。悪人も善人もパッキャオが試合をすると、テレビを見ざるをえないっていう。社会に対して確実にポジティブな影響を及ぼしていますよね。エンターテインメントも同じだと思うので、自分もそうなれたら幸せです。

俳優としての活動も、新しいことに挑戦していきたいですね。今回の北米ドラマ出演も、僕にとってはひとつのサプライズだったんです。学生時代にアメリカを去るとき、また戻ってきたいと思っていたのですが、まさかこんなに早く俳優という仕事を通して実現すると思っていなかったので嬉しかったです。演者としても、北米の撮影システムやクオリティの高い仕事に触れられたっていうのも、非常にいい経験になりましたし、また機会があれば引き続きチャレンジしていきたいです。あとは、世界初の月での撮影とか、チャレンジしてみたいですね。笑

Q:「荒野のピンカートン探偵社」見どころを

「荒野のピンカートン探偵社」は、荒野で探偵が謎解きをするという実際にベースとなる事実があるんですが、そこにうまくエンターテインメント要素がちりばめられていて、ポップに楽しめる作品です。その中で、ケンジという東洋人が奴隷制度がある社会の中でどう生き抜いていくのか注目すると、作品への深みも違ってくるのではないかなと思います。
そして、アメリカの歴史なんか知らなくても、観終わったら登場人物や時代の流れがなんとなく頭に入ってくるという、一度に二度美味しい部分もあります。笑

「荒野のピンカートン探偵社」

■2016 年1 月13 日(水)
・セルDVD-BOXⅠ 12,000 円(税抜)
・レンタル DVD①〜⑥

■2016年2 月3 日(水)
・セルDVD-BOXⅡ 10,000 円(税抜)
・レンタルDVD⑦〜⑪

発売元・販売元:アミューズソフト

執筆者

Yasuhiro Togawa